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0178.護身用魔道具

「タカ様、リヴァイアサンの警護は眷属にて行います。何もなくても4時間ごとの報告をいたしますので安心して学校へお通い下さい」

「しかし、危なくないか?」


「敵はリヴァイアサンを消したくても消せず、気配を消し近づいて呪いを掛けた者達です。負ける気がしません。そして、彼の世界ではタカ様は狙われています。長い滞在は避けるべきかと考えます」

「分かった、でも、何かあれば必ず連絡する事。分かったな?」

「はい、分かりました。必ず行います」


 言ってる事は解るがなんだか寂しい。


 俺は呪い反射の魔法陣をケイとアンにも書き込んでおいた。


 その後、俺は魔力不用の護身用魔法陣を開発する傍ら、それが出来るまでの間使用する魔石にて起動する護身用ブレスレットの開発にいそしんだ。

 機能の目玉としては罠などの危険察知投影示能力を持ち、ある程度の回復魔法の発動と各種障壁を発生しアクティブに持ち主を守る能力だ。

 他にも細かい機能を盛り込んだ物にするつもりだ。


 難しいのはアクティブに持ち主を守るプログラムを組むことだ。

 加減がすごく難しい。

 だが、完成すれば魔力不用の護身魔法陣にも使えるプログラムになる。

 開発にも力が入るというものだ。


 そうだな最終的には学習型AIを搭載して話し相手にまでなるって面白いかも。

 俺の情報処理能力の向上により起きている間は何をやっていても、つまり学校へ行っている間も並行して頭の中で開発することが可能となった。


 二日ほどで試作品が出来たので俺はテストの為に第二層を走り回ってみた。

 概ね正しかったが、2,3動作異常があったのでその場で直した。


 その結果、第二層であれば全ての罠を発見し、もし罠にかかっても障壁で弾くことに成功する。

 デザインも色々なブレスレットを参考にしてかわいい物に仕上げたつもりだ。

 もちろん透過させることも可能。


 まてよ! 思いついたぞ! 罠を表示するプログラムを改良すれば、自身の魔力量などの状態を視覚的に表示できるのでは? 

 計量して数値化すれば、くっくっく! 疑似ステータスの完成だ! 

 鍛えるための指標にはちょうどいいはず。


 俺は急遽ステータス表示のプログラムを追加で埋め込んだ。

 ステータスの確認は心の中でステータスと思う事にする。


 声には出さない方がいいよね! 

 俺は異界の居間に行き、れーちゃんの元へと急いだ。


「えっと、会長。皆にこれを。これは、護身用多機能ブレスレットなんだ」

「…………」

「会長?」


 れーちゃんは俺をギンッとにらみつけ頬を膨らませている。


「れーちゃん何で?」


 とたん、れーちゃんは、にぱーっとして。


「あら、たーちゃんこんにちは、護身用ブレスって魔道具なんですか。すごいですね。皆の分があるんですか?」


 えっ、なんだ。この豹変は? 


 俺は自分の言動を思い返してみると、どうやら会長と呼んだのが気に入らなかったのではないかと推測できた。

 れーちゃんと呼んでもらえなくてむくれるなんて、びしっとした普段の姿からは想像もできない。


「公的な用だから会長と呼んだんだ。しかし、すまなかった」

「ぶう、あたくし、だって分からないわけじゃないんですよ。でも、たーちゃんには、れーちゃんって呼んでほしいの♡。って、あたくし、何言ってるんでしょうか? 恥ずかしいわ。おほんっ、で、たーちゃん。なんだって?」


 おいおい、忘れちゃったのかよ。


「あっ、ごめん、思い出した。護身用ブレスレットだったな。失礼」


 いきなりボケたのかと思った。


「ああ、このブレスレットを開発したので皆の安全の為に装備してほしいんだ」


 すると、俺の隣にケイが姿を見せた。


「タカ様、わたくしの要望を聞いていただいてありがとうございます」

「いや、俺も皆を守る何かがいるなとは思っていたんだ」

「ケイさん、要望と言うと?」


「最近タカ様の警護が不十分だと思えることが有りまして、皆さまに第二層でのレベリングを自由に行えるよう対策をお願いしたのです」

「なるほど、たーちゃんの安全は最優先事項だな。分かった。で、そのかわいいブレスレットはどの様な性能ですか?」

「まずは、危険察知能力だ。装備者に危険が及びそうになると、その危険度により白色から黄色、黄色から赤色へと変色しながら矢印と危険物を視界の中に示す。そうだな、れーちゃん。装備して試してみるかい?」

「喜んで」

「じゃあ、両手を出して」

「こうか?」


 少し照れながら両手を出した。俺はその出された手に、俺の手をかざし魔道具作成を行った。

 すると、コバルトブルーに輝く、星をイメージしたデザインのブレスレットが彼女の両腕に現れた。


 俺はそのブレスレットに魔石をセットしながら言う。


「そのブレスレットは、れーちゃん専用になっていて、他の人には使えない」

「(あたくし専用! デザインもさっき見たのと違うわ!)」


 魔石をセットすると中央にある白かった玉が淡く赤く光った。


「この輝きが消えると、魔石の効力が無くなるので、魔石の補充に来てくれ。通常稼働しているのは片方だけで、魔石の効果が切れる前にもう片方が稼働する仕組みだ。邪魔なら消えろと思うだけでそこにあるが触れなくなる」


 そう言って俺は手に魔力を集中させる。


「あっ薄い白い矢印がたーちゃんの手を指している」

「そうだ、こんな風に魔力を練るのを感じると白い矢印。そしてこうすると」


 俺は集中させた魔力を炎に変える。


「あっ矢印が黄色く! そして、たーちゃんの出してる炎を黄色く囲っている」

「そしてこの魔力にれーちゃんの居る方向の方向性を持たせてやると」

「赤くなったわ! これは分かり易い」


「まあ、対人戦などの場合ごまかす方法がないとは言いきれないので、これに頼り切るのも危険かもしれないが。第二層の罠には必ず赤く反応するし、不意打ちなどにも遭いにくいだろう」

「確かのこの装備が有れば第二層を各人で回る事も出来るよ


「他にも簡単な聖属性魔法が使えて各種障壁も常時体を守っているので長距離狙撃されても、トラックにはねられても、ゾンビに襲われても大丈夫だ。これを全員に装備してほしい」


「凄いじゃないか、いたせりつくせりだ。(ぜいたくを言えば指輪が良かったけど)」

「いや指輪大にはできなかったんだ。ごめん」

「えっ聞こえ? こちらこそわがままを言った。すまない」


 れーちゃんは赤くなってうつむいてしまった。


「あとは、ステータス確認機能もある。自身の力の確認にきっと便利だ。使ってほしい」

「ステータス確認か! まるでゲームのようだな。おっ! この263.7/263.8Sと言う数値の事か?」


「ダンジョンスライムの魔力量を1Sとした現在の魔力量と最大魔力量だ。強さの目安にいいだろう。今は、魔力量を最大値と現在値を見られるだけだが将来的にはゲームの様に色々表示できるようにしたい」


「いや、魔力量だけで充分便利だよ! ありがとう。大切にするよ」


 れーちゃんはブレスレットを大事そうに胸に抱えた。


 その後、妹たちや眷属を含め全員に作り装備させる。


 全員なのは、やはりどんなピンチに巻き込まれるか想像もできないためだ。

 なので、少しでも防御力が増える事は好ましい。

ウクライナの平和を祈りながら書いています。

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