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0177.警護

 リバイアサン達は俺の召喚獣になり、そのせいで進化の眠りにつく。

 だが進化中は無防備な為誰かが守る必要が出て来た。

 そしてキセラは一人で警護につくという。


『キセラ、君だけにやらせるなんて出来ないよ。一緒に警護しよう』


 キセラは困ったように頭を振り。


『フフフ、タカ。優しいのは分かるガ、なんでも優しくすればいい物じゃなイ。それではまるでソレガシが信頼されていないようではありませんカ? 我々眷属はあなた様の為に居るのでス。ソレガシは眷属になる事を決意した時からそうなる事を望んでいるのでス。何でもお申し付けくださイ。最大限の努力をシ、タカの期待に応えまス』


 キセラの口調はまるで諭すようにゆっくりとしていて深い愛情がこもっていた。

 そしてさらに言葉をつづける。


『ソレガシ達眷属ハ、タカが健在で眷属として望む限リ、復活できるのでス。タカの能力ならそれが可能なんでス。本当は危険なことなど全て眷属が引き受けるべきなんでス。デモ、タカはそれじゃあ納得できませんよネ。デモ、眷属はあなたからの仕事を待っているんですヨ、あなたの信頼を疑っているわけでは無いのでス。お任せください何が来てもこのキセラ、必ずリヴァイアサン達を守りまス!』


 復活だなんてそんなこと本当に俺に出来るのか? 

 そんな不確定な能力は信用が出来ないが。


 しかしそれはおいておいて、キセラの真剣さに確かに仲間を信頼しない事は不味いと感じ、後をキセラに任せてフェルの元に行くことにした。


 その前にリヴァイアサン達とキセラに呪いを跳ね返す魔法陣を忘れずに仕掛けておいた。

 俺が居ない時にリヴァイアサンに呪いをかけた何者かの強襲に備えてである。


『フェルさん、これからリヴァイアサンの胃を持って行こうと思うんだけど、大丈夫かい?』

『いつでもいいぞ。私はほぼここで研究、作成をやっているから』

『休憩や睡眠は? 流石に食事は必要だろう?』

『ああ、いつの間にか机に伏せて寝ている事があるくらいだ。食事は伝言文を飛ばして出前を取っている。そうだな、後はここに来ない奴を客として相手にしない』


 ああ、なるほど、それであんな部屋になっているんだな。

 こういうのも引きこもりと言うのだろうか? 


 いや、マッドサイエンティストの方がしっくりきそうだ。

 鍛え上げた賢者の力を持つから余計に厄介そうな気がする。


 俺はフェルの部屋に飛び、最初に母リヴァイアサンから切り出した2m角の胃を倉庫から転送した。


「おお、いらっしゃい。装備用に素材の前処理は順調に進んでいるよ。……おお、それが、リヴァイアサンの胃か! それほどあれば数着分は有るな。ふっふっふ、久しぶりに職人として腕が鳴るよ」


 俺はハタと気づいた。

 そう言えば値段聞いてない……あかん。


「あの、値段は幾らくらいかかりそうですか? いつできますか?」

「そうだな、ふむ、……私はあのダンジョンを使わせてもらえればそれが代金でいいよ。材料は皆持ち込んだわけだし」

「それでよければ簡単ですが。本当にそれでいいんですか?」


 この世界こういった装備は目が飛び出る位に高いからな。


「私は別にいいのさ。……お金はすでに使いきれないほどあるのでな」

「ありがとうございます」


「そうだな……2着目からは手間賃ほどはもらうよ。流石にただ働きをする程人は良くないからね」

「分かりました」

「なら、作業にかかるから帰った帰った。……おっと忘れるところだった2週間もすればたぶんできるから様子を見にこい」

「はい、分かりました」


 俺は、ふうっと息を継ぎ、落ち着いてくると非常にお腹が空いている事に気づきキセラのもとにもう一度行く。


『タカ、どうしたんダ? 何かあったのカ?』

『キセラ、ご飯食べてきなさい。その間俺が居るから』


 そうだ、ケイに知らせておかないとな。


『ケイ、キセラを帰らせるからご飯を食べさせてやってくれ』

『タカ様、今どちらに?』

『海の底でリヴァイアサンの進化を護衛してる』


『では、ガウを行かせますのでお待ちください。ガウと交代して二人とも食事してください。もう夜中なんですよ』

『心配かけて悪かった。こっちもさっきまで立て込んでいたんだ』

『大丈夫です。そうでしょうと思っていましたから』


 おお! ケイには何もかもお見通しだな。


 少しするとガウが転移して来たので、ガウにも対呪い用の魔法陣を仕掛けてから交代してもらい探索ベースへと帰った。

 食事をしながら今回の出来事の要点をケイに話して聞かせる。


「なるほど、召喚獣ですか」

「放っておくわけにもいかないだろう?」

「となると、あちらはかなり危険ですね。人員が今のままでは厳しいですね。L.T会の皆は、第二層の魔物には後れを取らなくなっています。罠さえ対策できれば私たちが付いていなくともレベルアップを出来るはずなんですが。タカ様、良い方法は無いでしょうか?」


 そう、第二層の罠は非常に厄介である。

 第二層の魔物が倒せる程度の魔力ではとても探知できないし。


 初めの頃にスプレー缶で赤い印をつけた事があるんだが2時間もするときれいさっぱり消えて無くなっていた。


 第二層の中はどこもかしこもほぼ変わらない外見をしているので、地図を持って慎重に歩いていても罠にかかる危険性は高いのだ。

 つまり罠を探知し安全に第二層を歩けるのは、眷属の皆と、俺、聖、位のものなのである。


 ここに来た頃のキセラ程強くても探知が苦手なら分からず落ちて死にそうになるのだ。

 勇者協会の面々は他のダンジョンで罠を経験し、克服した者も多いと聞く。


 だが、L.T会の皆にそこまで求めるのは酷と言うものである。

モチベの維持ってむつかしい (^_^;)

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