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0175.母クジラの呪い

 俺は今母クジラの呪いを解く為四苦八苦している所だが、そのおかげで魔力に対しての知識と言うか慣れと言うかがさらに深化していっていた。


 そして俺はピーンと来たのだ。

 この呪いの技術を応用すれば身近な人を守る事も出来るんじゃないだろうか? 


 特に父さん、母さんなど、俺とがっちり関わり合いがあるのに全くと言って普通の人だ。

 言っても嫌がるかもしれないから、こそっと仕掛けておいてやろう。

 あくまで安全のためだ。


 そして我がハーレムの皆や妹たち、そして、眷属たちにも。


 この呪いと言う奴は魔法とは変調の仕方が全然違うので、もし魔法が使えない場合でも最低限身を守る事が期待できそうな優れものになりそうだ。


 いやもっとオリジナリティを増やし、魔力が全くない空間でも発動するように考えてみよう。


 ああ、なんだかこんな事を考えていると楽しいな。

 もしかしたら俺、生産職に向いているのかも? 


 いや、今はこんな雑念を入れている場合じゃない。

 早く母クジラの呪いを解かなければ。

 再び俺は今使えるすべての演算力を呪い解除に回した。


 複雑なのは今も変わりがないが取っ掛かりを見つけたことにより解除速度が上がり、ほどなくして母クジラの呪いを解くことに成功する。


『……我は、呪いに掛かっていたとは言え、何という事を。……』

『反省は後でいい! 急ぎ子供たちを落ち着かせろ。出来るだけ早く回復魔法で治療したい』

『分かった迷惑をかけたな。我はリヴァイアサン、海の支配者なり。我が名を持ちて、この恩には必ず報いよう……聞け! 子供たちよもう大丈夫だ! 落ち着きなさい』


 母クジラは子供たちの説得を始めた。


『お母さん~』


 すでに、元気になっている3頭のクジラモドキ改め子リヴァイアサンが母親に激突していく。

 本当は子供が母親に飛び込んでいく風景なのだが、その大きさにより迫力がとんでもない事になっている。


『お母さーん、恐かったよ~!』

『母さんが、正気に戻ったからもう大丈夫よ。だから他の皆にも落ち着くように言いなさい』

『うん、わかった~。わーい、お母さんが戻ってきたー』


 3頭の子リヴァイアサンは裂け目の底へ戻っていく。


『そう言えは、助けてくれたあなた達の名前を聞いてもいいか?』

『俺はタカ』

『ソレガシはキセラダ』

『キセラ殿は神龍なのか? とうの昔に邪神に滅ぼされたと思っていたが、生き残りが居るとはめでたい事だ』

『イヤ、喜んでいる所すまないガ、ソレガシハ、神龍になれル、超龍魔人ダ』

『そうか、ではやはり……』


 そこまで話して母リヴァイアサンは考え込んでしまった。


『行こうキセラ』

『タカ乗っテ……よし行くゾ』


 俺がキセラに乗ると、キセラはぎゅんと加速して子リヴァイアサンの後を追う。


『わーい、皆、お母さんが来たからもう大丈夫だよ。お母さんも、もう怖くないよ』

『えっ、ほんとう~?』

『うん、本当だよ。皆も僕たちみたいに痛くない様にこれから治してくれるんだって~。ほら、僕たち元気~』


 子リヴァイアサン3頭は元気に泳ぎ回る。

 そうしたら、暴れていた子リヴァイアサンも静かに着底した。


『よし、いい子だ。俺が治してやるぞ』


 そう言いながら、俺は子リヴァイアサン達に治療を始める為に子リヴァイアサンの一体に近づいていった。


『治す為に触るぞ』

『痛くしない?』

『ああ、痛く無くなるさ』

『ならお願い』


 と本人の許可も取れたところで治療を開始する。もう3体も治したのでほぼ自動で治せる。

 だが子リヴァイアサンの体は大きいので時間が掛かる。

 ならと、その間余った思考で先ほど思いついた呪いの術式の改良をしていく。


 ふむ面白い! 


 これは聖の陰陽にも通じるものがあるな。

 陰陽は札に込められた複雑な念を使って異世界にパスをつなぎ、そこから足りない魔力を呼び込む物だ。


 もちろんその魔力を操れる本人の魔力と技量と許容量が必要なのだがな。


 許容量などは生まれつきもあるだろうが、きっと努力して広げたのだろう。

 そして、ダンジョンの構造にも通じる物が有りそうだ。


 今回できそうなこの術式は魔力を全く違う所から、そう異世界とはまた違う、なんと説明していいか分からない高次元? の様な所から魔力を取り込み使用された魔力は還っていく、そんな感じだな。


 これは、俺の魔力制御能力が上がったためにその高次元? がある事に気づいたからやって見ようと思いついた。


 これは、周りの環境に全く左右されず効果を出せると言う事だ。

 うまい事設計してやれば、地球の様な魔力の無い所でも強力な魔法が魔力の無い人にでも使えるのだ。

 これは凄いぞ! 


 使った後の魔力が滞留しないので、魔物の発生原因にもならない。

 いや、だからと言ってきっと問題が無いわけでは無いはずだ。


 魔力炉を作った連中もまさかそれが原因で世界を滅ぼしかけるとは気づけなかったはずなのだから。


 この術式にも俺が今気づけない、もしくはやってみなければ分からない問題点が有るかもしれない。

 身近な人それも限定的に使ってテストしていこう。

 それでもダメな場合が有るかもしれないが、それ位は大丈夫だと決めつけてでもテストしないと進歩はないと考えテストする事に決める。

 まずは俺に掛けて様子見をするのだ。


 術式の設計をやっているとあっという間に時間がたち、子リヴァイアサンの治療は全て終わった。


 しかし、新しい術式の設計はまだまだかかりそうだ。


『わーいありがとう』


 子リヴァイアサン達は治療が終わった者からそういって母リヴァイアサンの所へ泳いでいった。


 ド~ン! 

 ド~ン! 


 と激しくぶつかり合う邂逅では有るが、母子が触れ合う光景だと思って見ればほほえましい。


『ゴラー痛いだろう。お前らいい加減にしろ~!』


 ええ~っ、ほほえましく見ていたら実は母親は痛かったようだ。


『お母さんが悪いんだ~、僕達を置いて行った~』


 ああ、子リヴァイアサンにも恨みがあったのね。


『それは~、悪かった~許して~』


 母リヴァイアサンはその巨大で強靭な身体からは想像できない情けない念話を飛ばすのだった。

焼きそばパンを食べながら最終チェックw

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