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0162.オーランの逆襲後

 授業が終わり、休憩になったので集まった皆に聞いてみた。


「昨日おととい、いったい何があったんだ?」


 まずは、ショウが説明を始める。


「そうだのう、昨日オーランがケガをしたのか? 包帯巻きで登校して来てのう。誰かがオーランにどうしたの? って、聞いてみたんだのう。そしたらオーランが恋がらみでちょっと! と言ったんだのう。そう言えば何故かえらくはっきりと聞こえたんだのう」


 なるほど。


「へー、そんな事があったんだ? 僕知らなかったなー」


 遅刻ギリギリに来る聖はまあ知らないか。

 聖がその場にいれば対処できた可能性もわずかにはあるか。


「それからが何だかよく思い出せないのう」

「あたし、おぼえてるよ。たしか、恋がらみってって言えば瑪瑙(ひじり)さんと木戸君よね。と誰と、ともなく言い始めて。なら木戸君にやられたんじゃない? って段々殺伐としてきちゃったのよ」


「そうね~あかり。私にも何が何やら分からない内に皆タカの悪口を言いだしたわね~」

「へーそんな事がねー。僕分からなかったよ。う~ん!」


 聖は腕を組んで難しい顔でうなった。

 まあ、誰も聖に直接は言わないだろうが、レベル上がって頭良くなってもこういう所は変わらないんだな。

 聖なら洗脳自体は解けなくても、魔力ラインの寸断は出来るはずなのに。


 しかし、オーランのやることは巧妙だ。

 俺にやられたとは一言も言っていない。

 これなら失敗してもオーランの評価はそれほど変わらないだろう。


 精神に作用する魔法は恐ろしいが、普通簡単には掛からない。

 最初に必然性と言うか信じられるながれがいる。

 そんな取っ掛かりが最初に無いと掛かりにくいのだ。


 それは魔力は無くても人の魂には自我を守る防壁があるからだな。

 それを取っ払う為にオーランはまるで俺にやられたかに見える振りをしたのだ。

 俺が子供に大けがをさせる悪者だと思わせれば俺に対する悪意を植え付けやすいのだ。


 はあっ、変な奴に絡まれたもんだ。

 これ標的が俺じゃ無かったら自殺物のいじめに発展するぞ!

 恐ろしい奴!


 俺への攻撃は容赦などなさそうだ。

 これからも注意が必要だな。


 その日、オーランはもう何も動かなかった。

 また、何か作戦を考えてくるのだろうか? 

 家に帰りその話をするとケイが非常に憤慨し。


「やはり、わたくしがタカ様と一緒に学校に行く必要が有りますね。聖さんはもう少し頼りになるかと思っていましたが」


 ふうーと、ケイが溜息を吐くと。

 聖はすごく居心地の悪そうな顔になってしまった。


「ごめん、タカ」

「いや、聖。謝る必要なんてないよ」


 いやあ、何かが襲って来るとかなら聖も、もっと役に立つんだろうけど、人の機微は聖の苦手分野だからそんなに責めないでやってくれ。


「タカ様。L.T会の皆さまに探索ベースの部屋を準備していただけませんか? もちろん各自の部屋に直接つなげるゲート付きで。それだけで私たちの手間がかなり省け、わたくしが昼間には学校へ付いて行けるようになります」


 L.T会も皆レベルが上がったことで第二層での攻略が中心になり、第二層の凶悪な罠にはまらないように導くのに人手が今までより多くかかるようになっているのだ。

 今まではケイ達が転移で送り迎えをしていたのでそれが無くなれば、と言う事らしい。


「わかった、作ろう!」


 眷属の負担はなるべく少なくしたいので俺に反対の意思はない。

 皆の部屋を作るなら、異世界ではなくこちらの世界がいいだろう。


 ベースの有る小山の中にL.T会のメンバー分の部屋を作り、ケイと各自の部屋を転移で回り、了承を取ってから部屋を繋ぐ扉を設置して回った。


 まさか女性の部屋を渡り歩くことになろうとは。

 各人それぞれに趣向は違うがそれでいて女性らしい部屋でその部屋を訪ねるのは緊張し興奮した。


 何処の部屋もいい香りがして綺麗だ。

 汚部屋になっている部屋は一つもない。

 皆しっかりしているんだな。


 そしてこの作業は思いの外時間が掛かった。

 もちろん部屋作りにも時間が取られたのだが。


 その後なぜか部屋を訪ねて了承を取るだけなのに時間が掛かっていて、どうして時間が掛かったのか思い出せないうえ妙に心も体もすっきりしているのだ。

 いやみんな喜んで歓待してくれたはずなんだが、どうにも解せない。


 これをもって俺のハーレムが物理的に完成する運びとなったらしい。


 すべての部屋を作り終わった時、ケイは満足そうな笑顔を浮かべ感慨深く言った。


「これで、タカ様はお好きな時にお好きなハーレムメンバーと愛を育めます」


 なんと今回の計画にはケイのそんな企みが隠されていたのだ。

 まあいいけどもう隠す必要あまりないような気もするんだが。


「サプライズです。タカ様」


 そうか、ケイがそう言うなら仕方ない。


 そうだ、L.T会の皆にも装備が要るよね、まだ注文してなかった。

 人数分注文してこよう。

 そんなにかからず皆、第三層を攻略し始めるだろうからな。

 善は急げだ今から行こう。


「ちょっと待て、兄ちゃん。そんな数の高級防具が急に入るわけないだろう!」


 ハルパの装備屋はまだ開いていたので、注文するとその注文数の多さにおっさんは目を剥いて驚いていた。


「まあ、5着ずつぐらいでいいから仕入れてくれ」

「5着なら今あるが? 今日買っていくか?」

「ああ貰おう」

「毎度ありー! 2週間もすれば10着くらいは入れられると思うぜ。その後はまたその時に聞いてくれ」

「分かった」


 高級装備を5着買ってベースに帰り、れーちゃんに渡しておいた。


「とりあえず、戦闘用の服を5着用意した。随時増やすがまずはこれで我慢してくれ」

「たーちゃん、ありがとう。でも確かこれって高いのですよね? 杏ちゃんに聞きましたよ。無理しなくたっていいのですよ。せっかくですからこれは大切に使いますが」


「無理はしてないよ。俺の異世界の資金については心配は不要だ。俺は運よくあっちでは億万長者になったから。ダンジョンは第二層の罠を見てもらっても分かると思うがとても危険で、先に進むほどもっと危険になっていくんだ。あのキセラですら第二層の罠にかかり死にかけたんだ。特に第三層からはこう言った装備が無いと入っただけでしびれて動けなくなる沼とか入り口にあるからね」

「分かりました。皆にもしっかり言っておきます!」


 少し離れた所に名越先生の姿が見える。


「先生、お疲れ様です」

「やあ、木戸君今週も宿題が多くてすまんね!」


 L.T会で最も年上の31歳だそうだが、ダンジョンで鍛えているせいか、お肌がつやつやしていて、今はとても31歳には見えずティーンで通用する見た目になって来ている。


 普段学校では老け顔メイクをしてごまかしているそうだ。

 先生はその方が周りの男が寄ってこなくていいと言っていた。


 毎朝そんなメイクは大変だろうから元の写真を参考に変装する機能を渡してある腕輪に追加しておこう。

 だが、躰つきは年上のボリューミーさでお色気満点だ。


 そんな先生が惜しげもなく腕に縋り付きその芳醇な躰を惜しげもなく押し付けてくる。

 うーん、これはたまらない。体の一部がギンギンになって来る。


「どうだ、若くっていいだろう。それとも前の方がよかったか?」


 と躰をすりすりさせながら不安そうな顔で聞かれたので、正直に今の方が可愛くて素敵ですと答えたら。


「うう、レベルアップしてよかった! ほめてくれたご褒美♡」


 とすごくうれしそうに語り、俺の体中を色々すりすりと触り始めた。


「うっ、うっ、せっ先生! そっそんな! そっそこはっ! うっあっううっ!」


 ま、まあ……皆ダンジョンで楽しんでくれているようで幸いである。

ちょと冒険しちゃいました!

次話は来週です。

どこまでの表現がOKなのか既存部分の修正なども加えて色々試してみてます!

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