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0146.眷属

 美香や芽衣、妹たち何時ものメンバーとL.T会の皆も来られる人は皆、連れてきながら団体旅行の様な感じでギリシャの観光名所を見て回わった。

 トラブルなく旅は終わりギリシャは楽しかった。


 だって、見知らぬ外国で外聞を捨てたL.T会の皆や美香たちまでが代わる代わる両手に抱き付いてにこやかに見て回るという。

 大人数に囲まれているので俺が彼女達といちゃいちゃしている様子は周りからは見えていない状況だ。


「この前は道案内ありがとう。暑くて死にそうなところでした。なのにお礼を言うどころか無視して逃げる感じになってごめんなさい」


 いま俺の腕に抱き着きながら謝る彼女は、異界に攫われる前に助けた色香溢れる女性だ。

 彼女は田代かなめと名乗った。


「いや苦しかったでしょう。仕方なかったんですよ。俺は気にしてませんから」

「そう? よかった。あれからすぐ目当てのビルは見つかったのよ。本当に助かったわ。あの時は本当にありがとう」


 彼女はにこやかに応える。


 L.T会のほとんどが腕に抱き着くたびに自己紹介の上あやまってくるのだ。

 考えてみればL.T会の皆と日常と言うかデート的と言うか普通に会うには初めてな気がする。


 なんか順番がいろいろちぐはぐだな。

 しかし、ああ……俺って本当にハーレム持ちなんだなぁと認識せざる得ない状態で観光できたのだから。


 腕に当たる胸の感触、いい香り俺は夢見気分だ。

 まったく女性にモテないと思っていた俺にこんな天国が待っているなんて。


 ハーレム最高!


 名越先生が腕に抱き着いている時なんか、先生と生徒の間柄が何とも言えない、背徳感で俺の欲望はマックスになる。

 するとつい、手が先生のその豊満な胸へ伸びそうになった。


「木戸君、ここではだめだよ」


 えっここでなければいいの? 

 その言葉に俺の欲情はピークへ。


「こっちこっち。ここなら誰にも見られない」


 ぞろぞろと大きな公園に入り、どこからも見えなさそうな茂みに入っていく。


「ここならいいかも?」

「大丈夫です周りに人影は有りません。わたくしが見張っていますので遠慮なくどうぞ」


「ケイさんありがとう。木戸君もう触っていいんだよ」

(まさか生徒とこんなインモラルな事になるとは。教師を目指していたころには思いもよらなかったな)


「先生! 先生! 俺っ! 俺!」

「うふっ、木戸君。焦らなくても皆いるんだからいくらでも大丈夫だぞ。頑張ってな」

「あっ!」





 はっ! ええっと。


 いやー! 抑えきれず危なく街中で襲ってしまう所だった。

 抑えきれた俺偉いよね。


 俺がハーレムを満喫している間、聖はなんちゃら会議に出席していたため観光には参加していないが、夜のホテルには帰ってきていっしょに食事に繰り出したりはした。

 オーランも会議中に絡んでくることは少なかったみたいでまあよかった。


 日本に帰ると、ギリシャより寒かった。

 真冬だよ、そう言えばな。

 まあ俺はこの程度の寒さ、たとえ外で素っ裸で寝てもさほど堪えないしきっと凍死もしない。


 伊達に超極寒ダンジョン第四層を裸顔で歩き回れてはいない。

 しかし、ちゃんと上着も着てそれらしくはする。


「う~さぶ」


 堪えはしないが寒い物は寒かった。何か矛盾する気がするが、感覚として生命の危機を感じるほど堪えない、しかし寒くは感じると言った具合だ。


 今年の年末から正月にかけては、母さんの実家に行く予定だ。

 聖も美香も芽衣も親の実家に帰るという。


 ミルスも魔力量が増えたら仕事も増えたとかであまり一緒に居られない。


 以前は時々各地を訪れ、地元の治療師の手に負えない治療などを行っていたらしいんだが、頻度が増え、今まで治せなかったケガなども治せるようになった事もあり、患者数も多くなったんだそうだ。


「忙しいな。忙しいな。タカ毎日会いたいな」


 と、毎朝会う事を約束したが、まあ機嫌も悪くは無かったんでほっとした。


 年末には帰省する者も多く、それに漏れず俺の家族も帰省する。皆とも少しの間会えないな。


 父さんが家族が増えたのでと車を大きい物に買い替えていたので車での里帰りとなった。

 ダンジョンにいるキセラの様子を見に行き、帰省の事を話すとキセラは言った。


「ソレガシ、ずっと鍛えているので問題はなイ、腹が減ればオーバスの街に出るのもよイ。ガ、タカまた強くなっているナ」

「ああ、男爵の真祖を倒したからな」


「ナ、なんだト! 真祖を倒したのカ? 男爵は確かに真祖の中では弱い方だガ、強くなったとはいエ、今のタカの魔力では近寄ることも難しいと思うガ……、流石だタカ。近づいてしまえバ、勇者と賢者も兼ねるタカならば攻略方法もあるのだろうナ」


 どんな風に倒したのか見当をつけてるみたいだな。


「ムっ、アン殿とガウ殿、お二方もすごく強くなっているゾ。邪魔龍より強く見えル」

「アンもそんなに強くなってるニャ? うれしいニャ」

「ポキらはタカ殿の眷属ビャ。タカ殿が強くなれば追随して強くなれるビャ」


 俺達はドラゴンより強いと?

 まあ、戦闘は魔力だけでなく体の大きさや、技術、特性によっても違うから一概には言えないけど。


「タカ、お願いでス。ソレガシを眷属にして欲しイ」


 なんだ? キセラの目がハートになってる気がするぞ。


「おい、キセラ目つきがおかしい気がするぞ?」

「そうカ? ソレガシのタカへの敬愛は変わっておらぬゾ。それどころか遥かに増している位だゾ」


 ああ、そのせいか。


「それって恋とか愛じゃないよね、見た目がずいぶん違う種族だし?」

「ソレガシ、見た目で好きになったりはしなイ。男は強さダ。まあいくら強くとも下衆はダメダ」

「いや俺って十分下衆だと思うんだけど」


「なんダ? タカ、女が多いいのを気にしているのカ? 女多いのはステ-タスだロ。誇ってもいいゾ。超スケベなのは超生命力が有り余っている証拠だゾ。魅力に分類されるゾ。下衆な性格とは関係なイ。下衆とは相手の迷惑を考慮に入れず自分の快楽の為に行動を起こす奴らダ。タカは下衆ではなイ。ソレガシの胸などいくらでも見ればよイ。胸を見られて体調が害されるものなどいなイ」


 と、慰められてしまった。

 いや、気分を害される者はいるような。


 ああ、そう言えばあっちの世界は基本一夫多妻だった。

 貧乏だと言ってたアンの親父さんにも子供のいる妾がいたらしいからな。


「分かったかナ。なのでソレガシはタカの眷属になることを希望すル」


「あのね、いったん眷属になったら簡単には取り消せないんだよ? 前に、ケイが魅了されて眷属化が切れた事があるんだけど、後で分かったんだけど眷属化が切れたケイは存在力に使う魔力が激減していて消える危険性が高かったんだ。眷属化は俺が思ってたより遥かに危険で事故以外の自発的な切り方は今でも分からない。試しにケイに話して切ろうとしたことがあるんだけど切れなかったんだ」


「そんな事は分かっていル。ソレガシもそんな都合よく強くなれるとは考えていなイ。タカならいイ、と思ったからダ」

「それが、どの位の長さになるか。永遠にかもしれないんだぞ」

「少しでも早く強くなりたイ。それ二……」

「それに?」


 キセラはギリリと歯を咬む。


「どうモ、このまま鍛えた場合の限界が見えてきたんダ」

「限界だって?」


 キセラの目に涙が光る。


「そうダ、あれからソレガシは鍛え続ける事デ、強さは2倍強になっタ」

「それはすごいじゃないか。あの蒼天の剣よりも相当強いぞ」


「だが、魔力の上り幅が目に見えて少なくなってきているのダ。どうやらこのままでは体がレベルアップとやらに耐えられないらしイ。気を抜けば少しずつだが体の崩壊が始まル。強くなるにはもう進化しかなイ。ソレガシはどうしてモ、両親の仇。邪魔龍を倒したいのダ。邪魔龍を倒せばもう目的は無イ。残りの命は全てタカにささげよウ。進化すれば死に向かイ、助けてもらえバ、眷属になるのだろウ? 早いか遅いかだけで結果は一緒ダ。頼むタカ。眷属二、ソレガシを眷属に加えてほしイ!」


 キセラは涙ながらに俺に訴える。

次回更新は金曜日になります、よろしくお願いいたします。

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