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0130.剣技訓練

 くっくっくっく、シンディはあふれる笑いをかみころしていた。


「しかし、タカに戦いで勝負をしかけるとは、笑かしてくれるぜあの王子」

「まあ、確かに勇者協会も最近多少は変なしけど、あそこまで言われる程じゃあないなしよ」

「人類最強の俺達より強いタカに向かって! ぶっはははは」


 抑えきれなかったようで、シンディとマリーが笑い転げている。


「俺そこまで強いかな?」

「何言ってやがる。人類でお前にに勝てる奴なんかいない。ばしっと勝って来いよ」


「あのう、俺って実は剣の使い方とか分からなくて。シンディ教えてほしいな」

「分かった、一週間できっちり仕込んでやるぜ」


「む~」

「どうした、マリー?」

「なんでもないなしに」


 俺は王子がなぜあんな態度だったのか気になり考えてみる。


「あれかな、あいつ妹が俺に興味持つもんだから、嫉妬したのかな?」

「いや、話の流れからはそう感じるかも知れないがな。あれはそんなもんじゃないよ」


「そうなましね。あれでも王族なしね。そんな甘い教育はされてないはずなまし。前に会った時はあんなじゃ無かったなましに」

「そうだな、あれは短期間で洗脳されてる感じだな」


 王子が洗脳って、恐ろしいな。


「でも、王族を洗脳やなんて少々では出来ないなまし」

「ふむ、そんな事が出来そうな奴らと言えば。アンチ(ABS)・ブレイヴ・シンジケートの連中かな。奴らの言動にそっくりだ」


 へ~あんな世界でもそんな奴ら居るんだね。


「中枢は人魔だらけだというが、実質は分からん。だが、末端は普通の人で構成されている事が多いよ。バラバラと潜伏していて見つからないんだよなあ」


「まあ、最近勇者協会が少しおかしいのも事実なし」

「そうだな、強さに合わない指示が有ったり、金が無い訳でもないのに微妙に金銭でケチったりのミスが多かったりするな」


「金銭をケチる?」

「ほら、鬼人族の給金が上がらなかったりなし」

「タカへの報酬も安かったな」


「後はだな。フレッドたちの受けた依頼だが、協会の作戦立案部には吸血鬼臭い事が分かっていて、それでも依頼した形跡がある」


「調べたなましが、証拠としては不十分な結果しか得られなかったなし。吸血鬼のお気に入り眷属を滅ぼすと、あちしらでも勝てない真祖などの仕返しの可能性が高いなし。だから、もっと高位で封印が得意なパーティを派遣するべきだったなし。一時的にでも封印できれば問題なく逃げられたなし」


 なるほどね、封印に留め置けば真祖には恨まれない。

 だが真祖って強すぎないか? 

 いったいどうやってこの異世界の国々は成り立っているんだ? 


「そうだな、具体的には二次戦力辺りだな。三次戦力だとちょっときつい。なのにあいつら、もう少しで三次戦力な実力のパーティを派遣しやがった」

「ひどいですねそれは」


 それって屋台骨がきしんでいてやばい状態なんじゃ? 


 ふむ、あれほど厳正に構成員を選んでも人は変わる。

 そう言う生き物だと俺は思う。


 それを止める事は強烈な洗脳でもしないと出来はしないだろう。

 そして、強烈な洗脳をする集団には正義など無いと俺は思う。


 まあ、対処法としては定期的にテストでもするくらいしか思いつかないなあ。

 まあ、テストをする方も人なのでどうしても防げない場合は有るだろう。


 不変な正義など無いので、そもそもテストが難しいかな。

 地球では魔法もないので無理だ。つまり、正義への道は自分の正義を信じて進む以外にはない。

 どこかで歪んだり、元の向きがそもそもおかしかったり色々とあるだろう。


 ま、俺は悪党だから歪み上等だし、自分がよければいいし。

 だから、関係ないけどね。


 俺の邪魔をするなら敵ってことで、簡単でいいだろ。

 敵が分かれば戦うなり、懐柔するなり、理解するなり、無視するなり対処を考えればいいのさ。


「タカ、難しい顔は似合わんぞ」


 そう言って、頬をシンディがつねった。


「痛っ! そうですね、すみません」

「第四層に行ってレベル上げをしながら剣の特訓もしようぜ!」

「そうなましな」

「よし、いこう!」


 俺は第四層の魔物相手に剣をふるう。

 その前に一応剣の握り方や構え方を教えてもらった。


「パワーはしっかりあるんだ。正しく振れば威力倍増だぜ」


 吹雪で視覚に頼れない中、探知だよりに目の前にいるはずのホワイトベアーを切り伏せていく。


「もっと、刃筋を立てて、そう、……そこで、振りを止めないで切り返しをスムーズに。遠心力を上手に使うんだ」


 シンディのアドバイスが聞こえる。もちろん、あちらからはほぼ見えないはずだし、シンディも戦っている。

 それなのに的確なアドバイスだ。


 俺の剣速はシンディのアドバイスによってどんどん早くなっていく。


「そこで、意識をそらさない。その体体勢でも場合によっては反撃はあるぞ。どんな状況でも全体を俯瞰できるようになれ!」

「はいっ!」


 ズバンッ!


 ホワイトベアーを一撃で縦に両断することが出来るほどの威力を出せるまでになった。


「やるな、タカ。超高防御力を誇るここのホワイトベアーを苦も無く両断するとは」

「すごいなましね。初めの頃とは大違いなし」


 そう言えば初めの頃はこいつの腕すら両断できなかったっけ。

 確かに威力が増している。


「その剣もなかなかの業物だな。タカのパワーに負けていない」


 へーこの剣シンディさんから見ても業物なんだ。

 いい拾い物をしたな。


「後は木刀でも使っての実践的なパリィや、手加減を覚えればいいぜ」

「そうなましね。その威力じゃあ、例えばタカが木剣で切り付けてそれを人が鉄の剣で受けても、剣ごと両断してしまうなし」


 それは、大会だと確かにまずいな。


「それは、剣を切り飛ばして剣先を突き付けてやれば、まあ、大方の相手は降参するだろうけどな。だが何が何でも降参しない輩はいるもんだ。そうでなくても敵が大勢で時間がない場合とかこれが出来ると一瞬で無力化して回れる」


 確かにそうだ。

 魔力を使って加速すれば信じられない速度で動けるだろう。

 だが今の俺ではきっと相手は死ぬ。


「相手が人ならすべて殺すという訳にもいかない」


 降参を促す場合もあるな。


「間に合わないとかで殺すしかない場合でもこれが出来ると重宝するぜ。バインドなどの放出系の魔法は使えばバレやすいのでを使えない場合もあるし、敵に耐性が有る場合もある。なにしろ手っ取り早い」


 と言うか、殺したくは無いんですが。


「その大きな魔力で素早く。まあ、うまい事掠らせたりして、気絶を狙って出来るようになれば完璧だ」


 でもそれって、超絶に難しいですよね? 

 だけどいる技術だ。


 俺は時間がかかっても必ず修得してやる!

次回更新は水曜日になります、よろしくお願いいたします。

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