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0123.ダンジョンは凄かったらしい 

「タカ、もう一つの約束だ、鍛える方法を教えな」

「そうなまし、それが楽しみで来たなましから」

「それは、食後と言う事でどうでしょう?」

「ああそうか昼か、なら食べてからにしよう」


 今日のお昼はチャーハンだった。


「いただきまーす」


 皆美味しそうに食べ始める。


 中華出汁とコショウ、ニンニクがバランスよく効いていてパラッパラの焼き具合。

 卵の黄色に細かく切ったニンジンの赤色が生え見た目も味も最高だ。


 今日から両親は用事で数日の間、二人とも居ない様だった。

 知り合いの葬式が少し遠くで有るとのことだ。


 すると、アンとニノだけでこれを作ったんだな。

 ここまで料理の腕を上げているなんて凄いな。


 ケイとガウは、会員のレベル上げから帰ってきていない。


「何だこれは、麦か何かか、虫じゃないよな」

「虫ってまた、いいえ、虫なんかじゃありません。お米って言う植物です。この国の主食です」

「ふむ」


 シンディさんはスプーンで一掬いし恐る恐る口に運んだ。

 マリーさんはそれをじっと見ている。


「おお、うまい! マリーも食って見ろよ」


 それを聞いてマリーさんもぱくりと一口食べた。


「確かにこれは美味しいなし! ごめんなしタカはん。あちしら色々な所で歓待されるんやけれども、変な物も結構食わされることが有るなしな。ちょっと食べ物には神経質になってるなしに」


「アンとニノが作ったんです。アンとニノに言ってください」

「そうだな、せっかく作ってもらったのに、二人ともすまなかった」

「ごめんなしな」


「いいニャ。蒼天の剣の二人に食べていただいて光栄ニャ」

「気にしてないだ。って蒼天の剣ってあの、有名な勇者協会の主力! おっおらも食べていただいて光栄ですだ!」


 おおっ、下がりっぱなしだった、ニノのテンションがあがった。


「えっとその……サインがほしいだ!」


 もじもじとしながらもはっきりと欲しがるニノは結構なミーハーだな。


「ああ、いいとも」


 蒼天の剣の二人も慣れているのかあっさりとOKする。


「ここへお願いできるだか」


 ニノはいつも使っているうちの両親からのもらったエプロンの胸を指さし胸を張る。

 エプロンの生地を引っ張り平らにした所にシンディさんとマリーさんが順にサインをしたのだった。


「おらー、このサイン家宝にするだ! ありがとうございますだ」


 よほどうれしかったのかニノがルンルンとスキップしながらキッチンに戻ってゆく。


 ミルスがちょっとジト目になりそんなニノを横目で見ていた。


 そんなミルスも美しい。

 俺って本当にミルスにいかれてるな。


 そう言えば、ニノがミルスに会った時、驚いて固まってはいたけどそれ以上は無かったからな。

 あの付近の聖女として愛されあがめられているミルスにとってはあまりない経験だろう。


 ミルスどんまい。


 きっとニノは勇者協会のファンなんだよ。

 祭りの中スリを働く位だから信仰心も薄いのだろうしね。


 と言ってやりたい気がした。

 ミルスにはちゃんと後で言った方がいいのだろうか? 


 食後少し休憩を入れてから、ダンジョンへと移動する。


「さっきは気付かなかったなしけどこの扉は魔道具なしね。かなり複雑な魔力を発してるなし」

「ああ、凄いな。俺には全く原理が解らん」


 ダンジョンへの扉を潜る際に二人はつぶやいていた。


「おおっ! ここはダンジョンじゃないか」

「タカはここで鍛えたなましな」

「そうなんですよ、気に入ってもらえましたか」


「ああ、気に入ったぞ。ここは勇者協会のダンジョンより相当魔力の濃度が高い。普通の初心者が何も知らずに攻略すれば、きっとその能力アップに耐えきれず死んでしまいそうなほどだなあ、おい」

「そうなましなあ勇者協会のダンジョンでは最下層でも、あちしらはほとんど強くなれなくなっていたなましから、すごくうれしいなましよ」


「すると、協会はここを欲しがるのでは?」

「まあ、俺達の他には最下層まで行った奴はいないから、協会に内緒でも全然かまわん」


 へ~、すると、この二人が勇者協会最強で間違いないんだねえ。

 しかし、あの勇者協会で使っているダンジョンそんなに弱いのか。


「くっふっふっふ、わくわくするぜえ! タカに頼んで正解だったな。久々に強くなれるぜ」


 ちょっと離れたところで、L.T会の皆が戦っているのが見える。


「次行くぞ、準備は良いか」

「はい」


 それは、まるで軍隊の教練のごとくびしっとした姿だ。

 交代で寝ながらもスライムや、すでに蛇とまで戦う会員たちの姿だった。


 いつ見てもすさまじいな。

 ケイとガウが傍に付き指導をしている。


「はあっはあっ。もう一丁いくぞ!」


 息を荒くしながら首筋に流れゆくあせ。

 それが妙になめまかしく見えるのは俺の目が腐っているからだろうか? 


 だが蒼天の剣が傍にいるからなのか、淫欲は魂の奥に引っ込んだままで素振りさえ見せない。


 しかし、どうしてこうなった?


 ケイ達が言うハーレムって軍隊の事だったの?

 俺と碌に話をする事もなくダンジョンで鍛え続けている彼女達を見ているとそう思えてくる。


「おおっ、気合が入ってるな。勇者協会の新人研修よりも凄いぞ。俺達も負けてられんな」

「あいなまし」

「では、次の層は、こちらです」


 第二層の入り口に向かって移動を開始する。


「おおこいつは、ネオウルフだな、あっちにはダイベアがいるぞ。とても第一層とは思えないな」

「僕たちにお任せあれ」


 聖が飛び出していき美香たちも追随する。


「聖達も強いなし、もう勇者協会で中堅級の実力があるなし」


 現れる魔物達を美香たちが蹴散らしていく。


「ここが第二層の入り口です」


 するとシンディさんはひょいっと石貨を前に投げた。

 石貨に反応してパカン! と罠の口が開く。


「おお! おっかないねえ。入り口に殺傷系の罠を仕掛けるとか。えげつない」

「これは、大分強くならないと気づけない罠なしね。タカはどうやって避けたなし?」

「普通に落ちて穴だらけになりました」

「ほう、再生力の高いタカでないと無理な攻略法だな。するとこの先に進んだ人間はあまりいないな」


 中にある大勢の亡骸を見てニヤリと笑い、言った。


「かっこいい……」


 さっきから、聖のシンディさんを見る目がおかしい気がする。


「そうなましね。これを見れば普通は撤退を選ぶなし」

「では、いきますよ。急急如律令、式神よ我の命に従い、仮初の命を宿せ、身代わり式、地、空、探」


「洗練されたと言うか極められた、凄い魔力操作でなし。魔力増幅と集中が凄いなまし」

「ほう、聖は凄いのだな」

「えへへ、僕たちはこの層で鍛えますので、お先にどうぞ」

「わかった、先にいかせてもらう、タカ先導よろしく」

「はい、こちらです」


 俺達は途中で遭う魔物達を華麗に殲滅しつつ、相当な速度で走り抜けていく。


「しかし、こんなに強いゴブリンがいるなんて知らなかったぜ」

「ハイウルフも、もの凄う強いなましに、入ってくる魔力が半端ないなまし」

「タカ、お前魔力ほぼ0位から、潜ってるんだろ。ふつう生き残れないぞここ」


「ははは」


 ですよねー。

 何度も死ぬ思いしたわ。


 そうこうしている間に第二層の終わり、第三層の入り口が見えて来た。

次回更新は金曜日になります、よろしくお願いいたします。

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