0122.神に連なる者
「おお、すまんすまん。つい話し込んでしまった」
「タカごめんなし」
俺は話のついでにとっさに思いついた疑問を二人にぶつけてみる事にした。
吸血鬼の事なのに吸血鬼の知識には答えが無いんだよね。
「あのう、なんで吸血鬼は家に入れないんですか?」
「タカ、人が建てた家にはな。家に侵入してほしくない。覗かれたくない。という生気から発生する思いにより、探知と転移を妨害する空間湾曲がほぼ必ず外壁に付加されているからだ」
へー、なるほどなあ。
「吸血鬼は総じて探知苦手なましよ」
すると、フレッドが次元転移を覚えていたらどこにでも入り放題だったはずなんだな。
あらためて吸血鬼の能力は異常に強いなと思った。
「対策は俺も考えておきます」
「おおっ、そうか頼む、俺達には簡単ではなさそうだから、うれしいよ。さすが、タカだな」
「しかし、変わった部屋なましな。この前の部屋とは違うなましな」
「ああ、この前のは、地下ベースだったんだ。ここが本来の俺の部屋」
「言ってはなんだが、なんか、狭いな」
「俺は、本来ただの一庶民で学生だから、こんなもんなんです。あそこは魔法を覚えてから作った所だから」
「なるほどねえ」
「それほどの力持ちなのに、大変なしなあ」
「後、眷属の三人以外にも協力者がいるので紹介しますよ」
「ふむ、タカのハーレム要員か。大勢いるのだろうなあ。こんな魔力のない世界でそれほどの魔力と神気を持っているのなら」
えっ、なんでそんな事分かるんだ! 恐るべしシンディさんだ。
「タカはんは、いやらしいなしなあ」
ええ~そして、マリーさんからの蔑みの視線が俺に刺さる。
なんでだ俺何も言ってないのに。
「いいなし、紹介するなし。この世界では仕方ない事なし。その神気に当てられたら、耐性の無い女の子は一殺なし」
イチコロてまた。
マリーさんがなんか怖いぞ。
なんでかな?
「しかし、ここが異世界か。見た目は違うが、様子は似たようなものだな」
「そうなましな。魔力が凄く薄い事以外は大差ないなしな」
「これだと、次元転移できる悪魔たちも魅力を感じないだろうから、わざわざ来たりはしないな」
「偶然来たりする位なましな」
「ふむ、いい所だ。人々からここは平和だと思ってる感じが凄く伝わって来るよ。人間同士の戦争なんて信じられない位にな」
「人々の悪意はそれなりにあるなまし。争いは無くならないなしな」
「ふむ、残念な事だな」
えっと、窓からちょっと外を見ただけなのに、まるで全てが解ってるような。
すごい人たちだな。
「なにを、ボーっとしてるんだ? 紹介してくれるんだろ」
「ああそうだった。こっちです」
俺はベースのリビングに彼女らを案内する。
リビングにはまだ招待していないL.T会員以外がそろっていた。
「お久しぶりです、シンディさんマリーさん」
まずは、ミルスが声を掛けた。
「そうか、君もタカのハーレム員なのか」
「……」
「なんで、知ってはるん? タカどうしてや?」
「あのう、予想されたらしいんだ。美香、俺は何も言ってないし」
「えっそうなん、じゃあうちがばらした言う事なん?」
「そういう事」
「あっちゃー!」
「あははは、面白い子だなあ、まあ、当分世話になるんだ。仲良くしてくれ」
「そないしてくれると、助かるなし」
「そっか、なら言うけど、ここにいるメンバーは実はほんの一部なんだぜ。タカにはまだここに招待されてない神気の拒絶反応とやらでずっと思い詰めていた連中が最近増えてるんだよ。そして、僕は聖よろしく」
なぜか聖がどや顔である。
そんな事でこの二人からマウントは取れないと思うけど。
「なるほど、我々神気もちが幼い頃にあるやつか、こちらの世界には対処法がなさそうだから、さもありなん」
「そうなしなあ、モテモテと思えば神気もちと疑え、と言う格言すらあったなしな。しかし、あちしが思った以上の優男ぶりなしなあ、ある意味凄いなし~」
「えっ、二人とも驚かないんだけど!」
まったく意に介さない二人に聖はショックを受けているようだ。
何を考えているのやら?
「私も神気持ちなんだけど、お兄ちゃんみたいに陰でモテてる?」
「その位の少ない神気なら、そう影響はないはずなし」
「ガーン、少ない言われたし」
「私たちは神気持ちだからお兄さんに惚れたの?」
芽衣もその辺りはさすがに気になるか。
「いくら神気持ちでも、性格悪かったり、好みと全く違えば惚れられませんなし。神気持ちは惚れられる確率が高くなるだけなし」
「そうだな、こいつはダメと思えばいくら神気でも気の中に入り込めないさ。いかにタカの神気が特別でもな」
「えっ、特別って?」
初耳なんだけど。
「なんだ、知らなかったのか? タカは神に直接または間接的に血のつながりがある2親等~3親等位のはずだ。たぶん神の子供の可能性が一番高い。それほど濃い神気を纏っている」
「「「「「ええええ~~~!」」」」」
「まさか、母さんが浮気してたなんて!」
「そんなはずないでしょお兄ちゃん、何年一緒に暮らしているのよ!」
「あっああ、そうだな。気が動転してしまって」
「おほん。まあ、偶然濃くなった可能性もないではない。我々だって、偶然、濃い神気を持って生まれたんだ。超人族の祖先は神の子だったらしいからな。まあ、俺達はタカの半分以下だがな濃さが」
きっとそうに違いな。
杏子だって神気を持っているのだから。
「ミルスは驚いてないねんな?」
「今更ですね、タカの異常性は。もうそれ位では驚きません」
「なるほどやな」
それから、皆は軽く自己紹介を済ました。
「はいっ、シンディさん」
「どうぞ、聖さん」
「質問です。吸血鬼などが行う魅了は気の中に入り込まないんですか?」
「ああ、あれはな、気の外にくっついて影響を及ぼすだけだな。気の中にまでは入られないのさ。一時的な影響が出るだけで本気で好きになるわけでは無い」
「はーなるほどです。いろいろしっくりきますね。勉強になります」
なんか、喋り方がいつもの聖じゃないぞ。
大丈夫か? 聖は。
「皆さん、お食事の用意が整いますだ」
「おや、ドワーフだね君は」
「お初にお目にかかるだ。ニノ言いますだ」
「犯罪奴隷なしね。人魔に落ちかけていたなしねこの子は。タカに感謝するなし、落ちなかったのはタカのお蔭なしよ」
「そうですだか、ご主人様、ありがとうございましただ。おら、人魔には落ちたくはなかっただ」
そうか、人魔に落ちかけていた、だからあの時あんな行動をしたのかな。
「しかし、犯罪奴隷か、タカ、よく引き取ったな」
「えっ引き取るしかないみたいな話でしたけど?」
「そんな事あるか。経済的に引き取れない者もいるだろう。ちゃんと説明されてないみたいだな」
「あのね、タカ、犯罪奴隷として受け入れを拒否すると、監獄へ送られるだけなしよ」
えっ? えええ~!
「まあ、監獄の中はひどいらしいなしから、彼女は助かったとは思うなしけど」
それなら、引き取って正解だったのかな?
なんだかんだ言っても彼女と狩りをしてなかったら、魔力無くて帰ってこられなかった可能性もあるわけだし。
そう考えると恩人と言えなくもないかな?
いやまあ、殺されかけた時点で恩人でも何でもないけどな。
アンの友達だったみたいだし、結果オーライということで。
( ゜Д゜)何言ってんだシンディ!!
次回更新は水曜日になります、よろしくお願いいたします。
「ブックマーク」「感想」もいただけると本当にうれしいです。




