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0116.ワーカホリック

 休みにあまりやる事が無いって、ワーカホリックなのか二人は。


「あちらの世界は、一見平和そうに見えますが、どこかで人対人の戦争が起こってる世界なので、あちらの、技術とか文化とか持ち帰らない方がいいと思います。そうしてもらえますか?」


「ほほー人対人の戦争ねー。こちらでも起こらない訳ではないが、まあ、珍しいかな。分かった。どんなに便利そうでも持ち帰らない事を誓おう。おい、マリー! ポーっとしてないで、聞いていたか?」


「えっ、あいなまし。聞いていましたなしよ。あちしも誓うなし」

「ふう、分かりました。ご招待しましょう」

「なら、ここの後始末が済んだら、スタンビード防衛手伝いと手柄の報酬をもってアンスラルドの聖女の所に行こう。その時よろしく頼むな」

「はい」


 ケイ達三人がこちらへ戻って来るのが見える。


「おお、殲滅終了したらしいな。まあ、今回は助かった。かなりの大群だったので、町への被害も覚悟していたところだ。では、仕事に戻るか。タカ、またな」

「まって、なし」


 そう言って二人は他の戦闘をしていたらしい、少し離れた所にいるメンバーの元へ帰っていった。

 さて、俺達も帰るか。




「シンディさん! あのとんでもなく強い連中はいったい何だったんですか?」

「ああ、あれはな、異界の者たちだ。異界の者たちとは彼らが悪意ある場合を除き、彼らが望まない限り、組織としての接触は禁止されているのは知っているな」


「はい、知っています。探ったり、中傷したり、広めるのも確か禁止ですよね。つまり、シンディさん達の個人的な知り合いってことですか?」

「そうだ、凄いだろ。だから説明は無理だ」

「そうですか。でもあんなに強いと危なくないですか?」


「なんだお前、俺達の探知能力が信じられないってか?」

「いえそんな! 滅相もない」


「まあ、言いたいことも分かるが。奴がまだ弱かったころ俺とマリーで全力探知してある。だから心配するな」

「はい、分かりました」


 くっくっく、あの時のタカがこれほどまでに強くなっているとはな。あっちへ行くのが楽しみだぜ。

 俺達もまだまだ強くなれるはずさ。




「ただいまー」


 もう結構な時間だ、向こうが明るかったのは、時差があったのかもな。


「おかえりーお兄ちゃん。皆もう帰っちゃったよ」


 そうか、今日は色々あったなあ、死にかけたみたいだし。

 ああ、そう言えばお腹が空いたな。


「何か食べようかな」

「タカ様、わたくしが、用意いたします」

「アンもするニャ」

「何が有るか分からないでしょ。私も行くわ」


 ああ疲れた。

 しかし、明日は学校か頑張るしかないよね。


「タカ殿、呪いや、特殊魔法の対策は何か考えておいた方がいいビャ。ポキの知識にも呪いの事や、魔法陣の事があるビャ。どうぞお使いくださいびゃ」

「ありがとう、ガウ。ガウは頼りになるなあ」

「ありがたき幸せですビャ」


 俺は食事が出来るまで呪い対策についていろいろと考えてみたのであった。



 はあっ、月曜日か。

 祭りで盛り上がった後の朝はおっくうだな。


「おはようございます、ご主人様。お食事の用意が整っていますだ」


 えっと誰だ? ああニノか、犯罪奴隷として引き取ったんだったな。

 色々あったのでもうすっかり忘れてたよ。


「ありがとう、起きるよ」

「はい、おら、お着替えを手伝うだ」


 流石にそれは恥ずかしいな。


「おらご主人様には多大な迷惑をかけただ。おらの躰もよかったら使って……」

「いやこの世界で俺はまだ子供だ。そういうサービスはいらない」


 俺はそんなにやりたそうに見えるのだろうか? 

 いや、淫欲が時々顔を出すんだ。きっと色魔に見えているに違いない。

 がっくりと肩が落ちた気がする。


「そっただ事言っても何もとりえのないおらには躰で奉仕するほかやりようが! おらの躰なら欲しがった男は多かっただ。でもまだ誰にも汚されていないだ。ご主人様どうぞ」


 そう言うニノの躰は細かく震え恐怖を感じているのが分かる。

 ニノは恐怖に耐えながらそっと胸を露わにする。


 男が怖いそんな感じだ。


 そう言えば初めて会った時も男に襲われかかっていたっけ。

 確かに男好きをする魅力的な体だがそんな事をさせるわけにはいかない。


「いいや、それは良いから服を直せ。そして朝食を手伝って来てくれ」


 淫欲がギンっと立ち上がって来ていたが何とか抑えるのに成功した。


「はい、分かりましただ。ご主人様」


 食堂に行くと、両親とウズラが朝食を食べていて、俺に気づいたウズラが元気よく挨拶をして椅子から飛び降りた。


「にいたーん、おはよー」


 飛び降りる体に食器が当たり、ガッシャーン、落ちた。


「おはようウズラ。だが食べてるときは大人しくしような」

「うん、わかったー」

「あらあら、坊ちゃま。すぐ片付けますだ」


 そう言ってウズラが落とした食器をニノが片付け始めた。


「ごめんなさーい」


 そう言って、ウズラも一緒に片付け始める。

 うん、ウズラもとてもいい子だな。

 ニノもまるで別人のようだ。


 ふう、彼女の部屋もベースに作らないとな。

 まてよ、蒼天の剣の部屋とかもいるのかな?


 この際だ練習がてらに部屋を作っておくかな。

 あそこ、小山と言っても山だからな、その辺の豪邸なんかより遥かに敷地は大きいし大丈夫だろう。


 いや待てよ! 異界の洞窟の方が山もデカいし持ち主も居なさそうだからいいかもな。

 どちらかで何かあった時、どちらでも生活できる環境があった方がいいよな。


 朝食後ベースに行き部屋を作り始める。


「えっと、もっとこう、こうがいいかな」


 などと試行錯誤して作っている内に、何十室も作ってしまっていた。

 ここはホテルか?


 こんなに作ってどうするんだ? 

 俺ってやつは。


 もういい自棄だ!

 食堂やリビングまでそろえてやるぜ。


「お兄ちゃん、何やってるの遅刻するわよって、何作ってるのよ? 流石にばっかじゃない! こんなに広いのどうするのよ? 掃除とか大変すぎるでしょ」


 そうだよね、調子に乗ってしまった。


「すまん」

「いいわよ、別に。学校行くわよ」

「おらも、お供しますだ」


「いや、ニノ、こちらには奴隷とかいないからな、俺ただの学生だからな。傅かなくていいから、特に外では普通にしてくれ。そうだな、アンとウズラの面倒を見てやってくれ。そのうちアンも学校へ行くようになるから、色々覚えておいてくれ。頼んだぞ」

「分かりましただ」


 学校か、そう言えば失念していたな。

 ニノは大分年上だと思い込んでいたが、実年齢は知らないな。

 年齢によっては働かせるわけにはいかないぞ。


「そう言えば、ニノっていくつなんだ? 学校とか行かなくていいのか?」

「おらは、17になりますだ。もう大人ですだ。学校は行かなくていいだ。大人の奴隷だからおらに遠慮なく躰を使っていいだ」


「いや、この国では22歳、短くても大体は18歳までは、ほとんどの人が学校に行っているし、俺だって16歳だ。そして大人は20歳からだ」


「学校は行かなきゃいけない物だか?」

「いや義務教育は15歳位までだが」


「ならおらはいいだ。ウズラちゃんの面倒をみるだ」

「そ、そうか、よろしくな」

「はいだ」

次回更新は今日で登場人物になります、よろしくお願いいたします。

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