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0114.スタンピード

「蒼天の剣様は現在魔獣や魔物のスタンピードに対処中です。わたくしとガウがマリーさんの代わりに戦う事で来ていただけることになります。ガウとアン、わたくしが現場まで行ってから迎えに来ます。アンはマリーさんを連れてこちらに戻ってください」


 眷属の繫がりが有っても、こういったことはちゃんと会って話した方がいい。


「分かったビャ」

「アンも分かったニャ。待ってるニャ」

「では、行ってきます」


 わたくしは地図から分かる方向に、探知で分かる最長の距離を魔魔法の転移で移動していきます。

 40回くらい転移したでしょうか、マク市とやらの戦闘が見えてまいりました。

 マリーさん達の反応もあります。


 一方向に集中すれば100km先くらいまで大まかな探知ができるはずなので、地図ではもっと近いかと思いましたが、この世界、地球よりかなり大きくないですかねえ?

 重力は変わらない気もしますが、球ではないのかも、まあいいです。


 確かに魔物らの数はとんでもないですね。

 しかも、一体一体が結構な強さですし、蒼天の剣が苦戦されているのもうなづけます。

 わたくしはアンとガウを連れに帰り、シンディさんの元へと向かいます。

 アンは飛べないのでガウが抱えています。


 蒼天の剣皆様のほかにも数十名戦闘に参加されていますが、蒼天の剣以外の皆さまは肩で息をしながら苦しそうに魔法を撃っています。


 蒼天の剣のお二人以外はわたくしよりも弱いですね。

 苦労されているようです。


「おっ来たか。待っていたぜ。おお! 三人とも恐ろしく強くなっているな。バカみたいな成長速度だ」


 ここでわたくし達の力を見せマリーさんには安心して解呪を行ってもらわないと。


「先ずは、わたくしが見える範囲を殲滅してまいりましょう」


 今の私は生気吸収するのにに必ずしも接触を必要としなくなっていますので、その位お手の物です。

 かなり近くでという制限は有りますが。


 わたくしは生気吸収を行い、そのエネルギーを焼失の炎に変え周りにばらまきながら、幽体になって飛び回って帰ってきました。


 これには流石のわたくしもきついと思いましたわ。

 魔力の出入りというのはそれだけで幽体でさえ損耗するとようでしたね。


 オオー! やったぞー!


 戦っている皆さまから歓声が上がり、皆少し安堵の表情になられましたね。

 幽体を張った甲斐があると言う物です。


「これで、少し時間が取れますでしょう?」

「ああ、十分だ。殲滅力が凄いな。ケイはもう主戦力級と言っても差支えが無いな」


 タカ様がご健在ならもっと行けるのですが。


「ありがとうございます。少し休めばまたいけますので」

「これで、多少態勢を立て直せるよ。マリー」

「あいなまし」


 マリーさんが走ってやって来る。


「タカのもとに行って呪いを解いてやってくれ」

「分かったなし。行きまひょうか」

「アンと一緒ニャ」

「アンはんよろしなし」


 アンとマリーさんは転移していきました。

 さあ、戦闘の開始です。


「ガウ、やりますよ」

「はいビャ」


 それを、合図にガウは悪魔砲を散弾のごとく、見え始めた魔物たちに向かって放ち始めた。





「はーこれが異界転移なしな。なんとなく原理は分かるなしが、あちし達には使えそうもありまへんなしに」

「こっちニャ」

「はいはい、行くなし」


 しかし、変わった場所なし。

 窓が無いなしな。

 まるで地下なし。

 扉の先にはベッドで身動きしない、頭を撃ち抜かれたタカが居たなし。


 何故か体から煙がもうもうと出てるなし。なんやろか?


 しかし、これで生きとうとは、びっくりなしな。

 確かに魔力は健在で生きとうのが分かるなし。

 近くによると強烈な呪いの波動が分かるなしに、あちしも気合が入るなし。


 アンはんが心配そうにこちらを見てるなし。


「だいじょうぶえ。あちしにまかしときなし」


 さて解呪といきまひょう。

 こ、これは厄介なしなあ。

 複雑怪奇なし。

 でも、あちしにかかれば解けない呪いなんて余り無いなし。


 あちしは集中して解呪を続けるなし。

 大分時間がかかったなしが、段々と呪いの構造が分かってきたなし。

 そうとう、強い悪魔なしなこれを掛けたのはなし。

 ここなし! ここが肝なし。ここをこうすると、ほれ、ほどけ始めたなし。


 あっ、タカの魔力が解呪へと動き始めたなし。


 あちしにも入って来るなし。


 これは暖かいなしなあ。

 心の芯からポカポカするなし。


 タカの優しさなしか? 

 そして子宮の奥からもジンと熱い物が流れ出してくるのを感じてしまうなし。

 ああ気持ちいなし。


 自然と声が出そうになるなし。

 長い人生生きてきたなしが、こんな感覚知らないなしに。

 何なんやろうか? 


 今は解呪中なしに気をそらしてはダメ、ダメなしにああ。

 しっしかりしなくてはいけないなしに。


 体中から湧き上がる快感に負けずに行う解呪は大変だったなしにが、


 それからはタカの自浄化も始まって、とんとん拍子で解呪でき始めたなし。


 すごいなしなこの状態で自浄化能力が発動するなんてなし。


 タカを見てるとまたジュン! っと熱いものを感じてしまうなし。

 つい嬌声を上げそうになってしまったなし。


 ゆるりとではあるなしが再生も始まり、一安心なし。

 頭の中心にあった直径5㎝ほどの穴がみるみる間に埋まり始め、呪いはもうその痕跡を残していないなし。

 解呪は成功したなしな。


「ふう、終わったなしに」


 タカはすっかり傷も癒え、体から煙が出とる以外は大丈夫なし。


「にいちゃん、よかった! よかったニャー」


 アンはんは泣きそうなしな。


「アンはん、この煙はなんなし?」

「それは、にいちゃんが強くなっているニャ」


 なるほどなし。

 そう言えば実力に見合わない魔物を偶然倒してしまって、強くなりきれず死んでいく者もいるなしに、これほど体に負担を掛ける成長は普通の人には無理なし。

 急激な体の変革に耐えきれず死んでしまうなし。


 魔物の再生能力を持つ彼ゆえなしなあ、こんな短期間で強くなっていくのはなし。

 なんか、キュンと来るなし。

 これはなんやろうか?

 まあいいなし、あっちが気になるなしに帰るとするなし。


「アンはん、タカはもう大丈夫なし。あっちが心配なしに連れて帰ってほしいなし」

「分かったニャ。行くニャ」


 解呪中からタカを見ていると体の奥が温かくなるなし。

 これはなんなしかなあ? 


「じゃあ、行くニャ」


 次元の壁を越え、マク市にもどってきたなし。


「帰るニャ」


 アンはんは転移していったなし。

 周りを探知するなしと近い範囲には魔物の姿が無いなし。


 でもまだ遠くには数えきれないほどの魔物が居たなしね。


「シンディーはん、どないなし?」

「ああ、彼女たちの殲滅能力はすごいぞ! これ程の継続攻撃力を持つなら俺達よりも強いぞ!」


 シンディはんには珍しくひどく興奮してるなしな。


「そうなましか。でもタカの方が強そうだったなしか」

「そうか、タカはすごいな。俺より強い男なんて今まで居なかったからな。ふむ、それが本当なら惚れてしまいそうだ」


 なんやろ、いつものシンディはんの軽口が胸にチクリと刺さるなし。

 あちしはいったいどうなったんなし?

次回更新は明日になります、よろしくお願いいたします。

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