0106.進化
「あっ、あっあ、タカ様!」
妙に艶めかしくケイが呻いた。
「ケイ、大丈夫か?」
「そろそろ、終わりそうです」
ケイは顔を何故か赤くしている。
ケイはそう言うと淡く光り始めた。
ガウも卵のまま光り始める。
どうやら二人とも同時に進化が終わるようだ。
ふうぅっ、っと緩やかに光が消え、二人の姿が見える。
ケイは中学生と言っても大丈夫なくらい育ち背が伸びていて、ガウに至っては幼児くらいだったのが、小学校4,5年位にまで育っている。
そして羽や角、天使の輪、以外はほぼ人と言っていいほどに変化していて、手と足に白黒の毛がまだ若干残っているが、どう見ても女の子だ。
八重歯と言っていいか悩むくらいの牙が口元から覗いてはいたが。
「ご心配おかけいたしましたが、無事進化いたしました」
「ポキも進化したビャ。ポキは冥天使になれたようビャ。ケイは半精霊から蒼精霊に進化出来たようビャ」
えっ、冥天使に、えっと蒼精霊?
良くは分からないが、凄くなったのは分かるな。
って、ケイって精霊だったのか?
おっと! ガウは裸だ。
いかんいかん、じっと見てる場合ではない。
妹に服を借りなくては。
いや、このままでは羽が邪魔になって着られないか。
俺は慌てて変装用腕輪をつくりガウに装備させる。
すると、羽や手足の毛、天使の輪などが見えなくなり、よけいに犯罪臭が強くなってしまった。
まったく治らない淫欲が俺を支配しガウの裸を舐めるように視姦してしまう。
幼い体に見えるのに胸は少し膨らみお尻もなめらかな大きさで色香をほのかに匂わす躰だ。
「しまった! その手が」
「えっ、ケイなんだい?」
「いえ、何でも有りません」
「タカ殿、ありがとうございますビャ。おや、ここが辛そうですビャ。ポキにお任せあれビャ」
ガウは元気になってしまった部分に手を伸ばしてくる。
「いや、それは」
「いますぐ、ポキが楽にするビャ」
シュッシュッシュッ
ガウが絶妙な力加減でこすり上げた。
うっあっあああ!
「ガウわたくしも手伝いますわ。タカ様。わたくしの育った体もご堪能下さい」
ケイもいつの間にか裸になっていて負けじと参戦してくる。
俺に今までとは違う淫猥に育った裸体を見せつけ、顔に胸が押し付けられた。
進化したおかげか霊体とは違う何とも言えない柔らかな感触が俺を襲う。
「うっ!」
えも言えぬ快感が俺の頭を突き抜けて行った。
何度も何度も分からないほどの回数。
そこで俺の意識は飛びなぜかガウが動き始めてからの記憶も消える。
「ガウ、あっ、ああ、いい、いい、服を持ってくるから待ってて」
俺は手で目を覆いながら、慌てて杏子の部屋を訪ねるのだった。
「杏子、ガウに何か着せてやってくれ」
「えっ、どういう事?」
「いやガウが進化したんだが、裸の女の子になっちゃって」
「えっ、何それ?」
「実は、……」
杏子が服を持ってアンの部屋に入っていく。
「もう、お兄ちゃんたら、入ってこないでよね!」
「分かったから、何か着せてくれ」
やっとガウに服を着せたが、アンはまだ起きる様子がない。
「タカ殿、心配はいらないビャ」
「そうです、タカ様。アンは強い子です」
そうは言っても魂が消えかけていたからなあ。
心配だ。
「ところで、二人とも進化したことで問題はないかい?」
「そうですね、わたくしはどうやら体が出来たようです。たぶん食事とか可能です」
「えっ、それは凄いじゃないか。おめでとう」
「そして、元の幽体にも戻れる便利仕様のようです」
ケイはすっと近づき腕に抱き着いたかと思うと、幽体化して体を透き通り後ろから抱き着いてきた。
だが、ごつい装備のお蔭でよく分からない。
「もう、タカ様ったら」
ケイは俺の手を取り胸に当てる。
たわわな胸の先にピンと立ったに柔らかい粒が! おおっ! たしかに、生身の感覚がある。
「けっケイ!」
「あんっ! タカ様、こうして肌で触れ合えて、幸せです。ああ、タカ様のにおいがする」
くんくんと、抱き着いて匂いをかぎ始めた。
流石に少し恥ずかしいんだが。
手に胸を押し付けてくるのは止めてほしい。
確かに大きくなってる。
「タカ殿、ポキも元の姿に戻れるようですビャ」
そう言って、白黒の毛皮姿に戻った。
しかし、サイズは大きくなっているようだな。
そして、今回進化した姿に戻った。
「服は元の状態に戻るみたいビャ」
ああ、俺が蝙蝠になるときと同じだね。
ガウが少し残念そうに見えるのは何だろう?
俺はいつの間にかケイの胸を触るどころかじっくりと揉んでいた。
「あんっ!タカ様もっと~♡」
いっ淫欲が!
「はっ!俺はいったい」
俺は何故か妙にすっきりとしていた。
ついさっきも似たような事があった気が?
「二人とも魔力は大きく増してるビャ。その他詳細は色々試してみてからだビャ」
「分かった。段々と確認していこう。今日は俺が付いているのでもういいよ」
「はい、周りを見回ってきます」
「さて、頑張れ! アン」
どうやら、俺はウトウトしていたようだ。
翌朝目覚めるとアンは起きて体を動かし始めていた。
「おはよう、アン。体の調子はどうだい」
「にいちゃん、おはようニャ。アンすごく調子いいニャ」
そう言って立ち上がるアンを見ると、少し背が高くなり顔も少しだけだが大人びてきていた。
もう、頭を撫でるのが似合わなくなってきたな。
「そうか、それは良かった。だがアン単独暴走、あれはいけない。本当に死ぬ所だったんだぞ」
「心配かけてごめんニャー。アンも強くなりたかったニャ。あの大きい炎の獅子を見つけて我慢できなかったニャ」
「もうこんなことは無いようにな」
「分かったニャ!」
そういえば言っておかねばな。
「あのな、治療の際にアンは俺の眷属になったみたいなんだ」
「それは本当ニャ? にいちゃんとの繫がりを感じるニャ。やったニャ!」
えっ、やったなの? 感想が。
まあ、喜んでくれる分にはいいか。
「アンはニャ、ケイやガウが羨ましかったニャ。これで同じニャ。アンすごく強くなったような気がするニャ」
「あら、アン起きたのね。良かったわ。後でお話が有ります。分かりますね」
ケイとガウがアンの復活を感じたのだろう、帰って来た。
「わっ分かったニャ」
アンは耳が倒れ、打って変わって、がたがた震え始め凄く落ち込んでしまった。
ケイいったいどれだけ恐れられているんだ?
「アンはどうやら神虎に進化したようビャ。おめでとうビャ」
へー神虎ねー。分からんがみんなすごい存在になった様だ。
「ちなみに俺は?」
「すまんビャ。タカ殿は分からないビャ」
そっかー分からないかー、ってなんだよ?
俺は吸血鬼でもないし……。
「タカ殿は、ポキの知識内では想定外の新種と言った感じだビャ。ポキらの種も他には居ない新種ですがギリギリ想定内ビャ」
新種ね~俺はまるで未知のウイルスか何かみたいだな。
進化して確かに魔力量はけた違いになったけど新しい能力とか無いのかね?
もう自棄だとんでもなく強い能力来い。
あっそう言えば自然属性使えるようになったんだっけ。
色々な魔法を使ってみるぞ。
ふっふっふ。
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