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0103.実装備してみる

「呆れたー、いったい何を一生懸命やってたのか知らないけど、学校を忘れるなんて信じられない~」


 俺は魔道具の開発に集中し過ぎて、学校をずる休みしてしまい、妹に責められている。

 まったく学校のこと思い出せなかったよ。


「いやー面目ない。実はこれを作っていたんだよ」


 そう言って、妹に腕輪の色を変え見せる。


「これ何?」


 ですよねー。


「体の色を変えたり、体やその部位を見えなくしたりできる魔道具なんだ」

「へー、それで?」


 うっ、反応が薄い。


「こんなふうに」


 俺は緑色になってみた。


「ま、魔人族!」


 そんなに怖がらなくたっていいのに。

 確かにハムは受け答えは多少変わってるがいい奴なのに。


「アンやウズラがバレずに外に出るのにいいかと」

「あっなるほど。私ったら、気づかないなんて。お兄ちゃんすご~い! 私はまた何のジョークグッズかと思っちゃって、その思考から抜け出せなかったわ」


 ジョークグッズって、そんなの作ってて学校忘れるか。


「おっお兄ちゃん、機嫌直して。ほら、アンちゃんやウズラちゃんにそれ、あげないと。ねっ!」

「そうだな、善は急げだ」


 俺はアンとウズラがいる一階に急いだ。


「アン、ウズラ、今いいか?」


 アンがウズラに日本語を教えている途中のようだ。


「にいちゃん、どうしたんにゃ?」

「おにいたん~」

「二人が外に出やすくなる変装用魔道具が出来たので、試してみないか!」

「ふぉへ~、それは凄いニャ。試してみるニャ」


 アンはとてもびっくりしていた。


「ぼくも、やる~」

「まずはウズラからだ」

「ウズラいいニャー」


 ウズラの変装用魔道具は肌の色と角を隠す機能に限定して、勝手に変更できないようにした腕輪を二つ手首の形に合わせて作る。

 そうすることで簡単には抜けたりしない。

 銀色の腕輪がウズラの腕にはまった状態で出来ていき、完成した。


「ふお~、かっこい~」


 俺は完成した腕輪に魔石を一つずつ融合させ起動する。


「えっ! かっこいい腕輪が消えちゃった~。あっ、ぼくの肌の色が皆と同じになった~」


 肌の色が変わりウズラもそこらの子供と同じに見える。


「ウズラ、角を触ってごらん」

「ああ~、角が無くなってる~」

「それはね、なくなったわけじゃないんだよ。あるんだけど、透明になっていて触れなくなってるんだ」

「すごーい、でも腕輪かっこいいのも消えちゃった~」

「ウズラは見えるのがいいのかい?」

「うん~」


 ふむ、せっかく壊れにくいように透過機構を持たせたんだけどまあいいか。

 腕輪自体も相当頑丈に作ったはずだから簡単に壊れたりはしないだろう。


「じゃあ、見えるようにするね」

「うんっ」


 良い笑顔だ。腕輪の透過機能をオフにすると銀の腕輪が現れ。


「かっこいい~。せいっ! やあっ! とう!」


 ウズラは正拳突きを出したりしながら遊び始めた。

 さすが鬼人、パワーが載っている。


 そこらの大人より強いんじゃね? 

 まあ、喜んでもらえて何よりだ。


「さっ次は、アンだ、待たせたね」

「いいんニャ、アンはお姉ちゃんだからニャ」


 ふんっと、アンが胸を張った。


「よし、いい子だ」


 俺はアンの頭をなでた。


「うにゃー、気持ちいいニャ」

「じゃあ、アン手を出して」

「はいニャ」


 アンにも2対の腕輪を嵌めた。


「アンの腕輪は自分で操作可能だ。色々出来ると思うので試してみてくれ。まずは耳と尻尾を隠して、人の様な耳を出るようにしてある」

「ほんとニャ! 耳も尻尾も感覚はあるのに無いニャ。横に耳みたいなのがついてるニャ」

「鏡を見てごらん」

「わー、ほんとに髪も黒いニャ! 基人種になったみたいニャ」

「よし、これから皆で家の周りを散歩しよう」

「やったニャー!」

「おそとだ~!」


 嬉しそうだ、ストレスが溜まっていたのね、もっと早く考え付けばよかったのに、俺って本当に困ったもんだ。だが、これからは自由に外で遊んでもかまわない。

 作ってよかった。

 そうだ、ミルスのも考えておこう。


 皆で外に出て車道の注意やら、近くの公園やらで遊んで帰ると、美香や聖、芽衣も俺の部屋に来ていた。


「こんばんは、お兄さん」


 芽衣はまだ少し他人行儀かな。


「どこいっとたんや、来てみたらだあれもおらんし」

「タカ、何で今日学校を休んだんだ? みんな心配してたぞ。あかりや樹里に色々聞かれて返答に困ったぞ」


 そう言えば、最近迎えに行かずとも集まるようになってしまったな。

 噂とか大丈夫かな?


 でも、あかりや樹里も俺を気にしてくれているとは嬉しい。


 聖が、うへ~って感じで。


「気持ち悪いなータカはっ! にへらーッとして。って、そこの子供誰? ってアンとウズラ?」


 美香もあわててアンとウズラを見て。


「うそっ! どう見ても普通の人やん」

「そうなんだ。今日は、そう! 擬態できる魔道具を作っていたら学校忘れちゃって」


 聖と美香がひとしきり感心してくれる。


「ほう、凄いなタカは。こんな高度な魔道具を作るなんて」

「ほいで、尻尾や耳はどこいったん」

「角や、尻尾、耳は、透明化して透過させてるんだ」

「ほへー、凄いんやな」


「お兄さんは、あれですね、チートです」


 芽衣、したり顔で言う。

 へっ! そうかな?

 やべっ、調子に乗ってしまいそうだ。


「とうたーん、かあたーん、みてみて~」

「アンも見てニャー」


 ウズラとアンが叫びながら階段をドドドっと降りていく。

 リビングでテレビを見ている父さんも、キッチンで料理している母さんも、それを手伝っているケイも二人を見てびっくりしていて言葉がなかなか出てこない。

 少し間をおいて父さん、母さん、ケイが。


「すごいな、見違えたぞ」

「アンちゃんとウズラちゃんなのよね」

「これは! 魔道具ですか? タカ様凄いです」


「ウズラだよ~」

「アンだニャ」


「もうこれで外に出ても大丈夫だな。今度の休み家族でどっかに行こう。なあ母さん」

「それは良いですねー、お父さん。皆で一緒に行きましょう。あなたたちも一緒にどう?」

「うちらも、ええの?」

「そうよ、美香さん達も、もう家族も同然でしょ、都合が良ければね」

「そうだな、母さんどこ行こうか」

「みんなどこがいい?」


 その日は次の日曜日の旅行先をみんなで楽しく決めたのだった。


 その後、近所ではアンとウズラが近所の悪がきを引き連れて遊んでいる様が散見された。


♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 タカがアンの話に気付かなかったので説明します。

 オーバスでは人種も亜人種も人間なので、人種を基本種として基人種という。

次回更新は金曜日になります、よろしくお願いいたします。

楽しんでいただければ幸いです。

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