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0102.開発開始

 涙を流しながら俺は寝ていたらしく、目が覚めて鏡を見ると涙の後でいっぱいだった。

 外はまだ暗いので、朝方かな。


 しかし、どうなったんだっけ? と思い出してみると。

 そう言えばレベルが上がり過ぎて倒れたんだっけ。


 どうやら部屋に連れ帰ってくれてベッドに寝かせてくれたらしい。

 馬鹿が暴走するので皆には迷惑をかけるなあ。


「そうか、イムスも、メリッサも生き残っている可能性が高いのか。これは、シンディさん達に知らせた方がいいのかなあ」


 ブラドはとんでもなく強かった。

 部下のラングーノフだったかな。


 それも、元勇者協会主力だっけ。

 すっかり魅了されていたな。


 シンディさん達に言えば逆に危ない気がする。

 余りにも真祖との強さに差がありすぎて、これは言ってもきっと無駄だなって感じた。


 あ~あ、とんでもない事を知っちゃったなあ。

 まあ、俺にはどうにもできない。

 今は忘れる事にしよう。


 ダンジョン攻略か。

 もう止めてもいいかな? なんて多少思っていたけど、なんかやる気が出てきたぞ。

 ダンジョンて果たして何層あるのか? 最後に何があるのか? 楽しみになってきたぜ。


「タカ様、お起きになられていたんですね。お体は大丈夫ですか?」

「タカ殿、やる気がみなぎってるな。ポキは嬉しいビャ」


 深夜の見回りから二人が帰ってきたようだ。


「心配かけたな。レベルもグッと上がったようで調子は最高だ! 今からでもダンジョンに行きたいくらいだ」


 ぐー!


「あれ、お腹がなっちゃった」

「タカ様、昨日の夕食が残っていますので、温めて持ってまいります。少々お待ちください」

「ケイ、ありがとう」

「いえ、どうも」


 ケイはニコッと笑い、食事をとりに行ってくれるのだった。

 夜が明けて朝になったのでダイニングに入ると。


「お兄たん、おはよ~」


 ウズラが飛びついてきた。


「ウズラ、いい子にしてたかい?」

「うん、してた~」


 しかし、少し元気がなさそうだ。

 外に出られないのではストレスもたまるのかもしれない。


 日本語の勉強もしているようだが、亜人のいない地球では色々な亜人が多いあちらの世界でも目立っていたウズラの角も肌の色も目立ちすぎる。


 ウズラのためを思えば引き取るべきではなかったのではないか? と言う思いも浮かぶ。 

 ハムのように魔法が使えればいいんだけど。


「ウズラ、魔法って使える?」

「うんん、わかんな~い。魔法は大きくなってからって言われてた~」


 そうか、だが、ウズラの魔力はバスラよりも多いように思うんだが、子供が魔法を使うと問題が有ったりするんだろうか? 

 こういう事は聞いた方が速いな。


 俺はミルスの事務所に転移する。

 あっ、そう言えば最近毎日だな、えへへ。


「おはようタカ。昨日ぶりだね。うふふふ」

「ああ、おはようミルス。今日はどんなだい?」

「今日も祭りの準備で放してくれないよ。そんなに忙しい訳じゃないんだけど。踊りの練習とこの祭りの名目上責任者なもんで、確認が時々入るから留守に出来ないんだよね」


 ミルスも最近はとても砕けた感じになってきていて話しやすい。


「ちょっとウズラの事で聞きたいことが有るんだ」

「なんでも聞いてよ」

「それが……」

「それは、難しい話だね。子供に魔法を教えないのは使いどころを間違うと危ないからで、体に悪い訳じゃない。だけど、光魔法の制御はとても小さい子供に出来たもんじゃないよ」


「そうかー、無理かー」

「そういった魔道具でもあればいいんだけどねえ」

「そうか、それだ! 俺が作ればいいんだ」

「作るって、そんな事が出来るの?」


「ミルスありがとう、また来るよ。じゃあね」

「じゃあねって、ああ、もう行っちゃった。もう少し逢瀬を楽しみたかったな。うふっ。しかし、タカってついこないだまで魔法初心者だったよね。それが、魔道具を作るなんて常軌を逸してる。今までにない魔道具まで作れるなんて、こっちの世界でも一部のエリートだけなんだよ。魔道具開発ってすごいなあ。さすが未来の旦那様っ。うふふ。さあ、私も負けないように頑張らなくっちゃ」



 さて、魔道具の製作だ。

 まずはアンとウズラの変装用腕輪の魔法陣を頭の中で設計する。

 体に当たる光を感知し色を変えたり、透過させたり出来るようにっと。


 うーん、反射光を変えるのはそれほど難しくはないが、透過がむずいな。

 ここをこうして、ああしてと。

 おや? まてよ、考え方を変えて異界に送ってしまえば物体を透過出来たことにならないか?


 まるで異界の様に存在位置をわずかにずらしてしまえば。


 おお便利だ。


 角や尻尾の付け根に触られても大丈夫なようにっと。

 空間情報を反転して、おおっ、こうすれば、やった、疑似物体を作れるぞ。

 耳や透過後に当たる肌を疑似的に作ってと。


 これはいいな。

 ケイのを作ればケイの負担が減るだろう。


 えっと、人肌の色、体温や柔らかさを周りに合わせるかどうかを自分で設定できるかにしてと。 

 魔石の魔力が無くなればオートで自身の魔力を使うようにっと。


 壊れた時には予備にスムーズに移行……着けっぱなしになるからクリーンの機能も付けてっと。

 よし、設計出来たぞ! 

 俺のベルトに転写してテストだ。


「さて起動っと。おおっ肌の色が変わる」


 ハムと同じ緑色にしてみた。


「うわっ、我ながら気持ち悪い」


 ってごめんね、ハム。

 そして、姿を消す事も出来るんだぜ。

 おやっ! ベルトだけ宙に浮いてる。


 ドンマイ、本体も追随しないとね。


 設計変更っと、いつも透過してれば、壊されもしないしな。

 設計変更っと。テストてえすと~で、自分用に腕輪を二つ作ってと。

 おおっばっちりだ。完成だー。


「ただいまー。って、お兄ちゃん学校は?」

「へっ」


 帰って来て俺の部屋へ来た妹の話を聞いて思い出した。

 ああ~、学校忘れてた~。

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