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0099.公的機関がやりそうな事

 寝る前に銃2丁分の弾をマガジンに詰めた状態で4セット構築すると、さすがに疲れて座ったまま寝落ちしていた。


「にいたん、起きて、朝だよ!」


 ウズラに体を揺さぶられ。


「むおっ!」


 と、寝ぼけ眼で、やっと目が覚めるありさまだった。


「あっ、ああ、おはよう、ウズラ。起こしてくれてありがとう」


 眠い目を腕でこすりながら、何とかウズラの方を向き挨拶が出来た。


「おはよう、にいたん」


 今日もウズラはかわいいなあ。よしよし、と頭をなでてやる。


「アンねえたんの所に行ってくるー」


 と走って部屋を出て行った。

 机の横でガウは立ったまま寝ていて、ケイは朝食の準備に行ったみたいだ。


「よし、いい天気だ今日も頑張るぞ」


 窓から外を見ながら気合を入れてみる。

 何とか魔力も回復してきているし大丈夫だろう。


 ふっふっふ、今日こそ試し打ちだ。


 ピコーン! 俺は思いついた。

 銃に魔法陣を仕込めば自在に自然属性の攻撃を放てるんじゃないだろうか?

 銃自体を冷却できるようにしてやればあの極熱の中でも誤作動をしないかもしれないな。

 放課後が楽しみだ。


「にいたん、いってらっしゃーい」


 ウズラが可愛く手を振る。


「いってくるよー」


 張り切って学校へ向かった。


「タカ、ちょっといいか」


 通学路の途中で聖が声をかけてくる。

 珍しいな。

 一体なんだ? 

 良い事には思えないんだけど。


「あのう、……そのう、……」


 いつもずっぱりものを言う聖らしくない。

 そんなに、悪い事なのか。


「自衛隊や、警察が言うには、”銃火器を渡すからには名前や住所などを登録してもらう”と言ってきまして」

「はあっ、今更なにを。……瑪瑙家が代わりに登録じゃまずいのか?」

「あくまで、あの時のお礼だから、瑪瑙家の人間には渡す理由がないって」


 なるほど、考えは読めた。

 国家機関が易々と銃をくれるなんておかしいなと思ってはいたんだよ。

 これをエサに俺を釣り出す算段だったんだな。


「ならいらない。返してくれ」

「すまない、タカ。でも瑪瑙家が独自に手に入れるとなると、もう少し時間がかかるんだ。まさか、僕の申し入れをこんな風に返すなんて思わなかったよ。瑪瑙家で使う刀剣なんかに、登録なんて言った事もないのに。銃を使う降魔師もいるんだよ。少数だけど。なのに、なのに」


 聖は悔し気に顔をゆがませた。


 しかし彼らも優秀だ、瑪瑙家の力をしのぐ俺を安易に調べたり近づいたりすれば、ばれて不興を買う可能性が高い事が分かるのだろう。

 今まで、探知にそんな捜査員などは掛からない。


 しかし、ケイのおかげで映像や電子的調査もヒットしない。

 苦肉の策なんだろうが、バカにしているな。


 特に聖を馬鹿にしているのだろう。

 きっと俺がばらすとはあまり思ってなくて。

 唯一知っているっぽい聖がつい、ばらしてしまうのを期待していて。


 もし、わからなくても聖はそのことを俺に話すほど仲良くなってはいない。

 と目算を立てたうえで言ってみたのだろう。


 少し前の迂闊な聖なら分からなかったが。

 今の聖はかなり慎重になっているし、信頼関係も築けていると思う。


 その辺が分からなかったのが誤算だな。

 まだ奴らは俺の正体に興味津々である事がバレた上に俺の不興もかったのだから。


「タカ様、やり返しますか?」


 おお恐い! 

 ケイに任せれば情報操作で担当者を自殺に追い込むことすら可能かもしれない。


「まあ、今回はいいよ。向こうも俺が怖いからこんな手を打って来たのだろうし。ただし、次は無い!」


 こんなこともケイが居るから言える事なんで、俺がなにか出来るわけでは無い。

 なのでかなり恥ずかしくはある。


 まあ、やりたくはないが。

 俺と戦うなら核でも打ち込めよ! 他に勝ち目はないぞ! と言えるくらいにはなってるかもしれないがな。


 その核でさえケイが居れば当たりそうもない。

 今の魔力で全開出力の焼失魔法を撃ちまくれば、あっという間に町や大隊位殲滅するだろう。

 軍隊でも簡単には俺を殺せないよ。


 まあ、俺を分析すればするほど政府も恐れるわけだな。

 思えば強くなったもんだ。


 しかし、異界にはまだまだ強い敵がごまんといる。


 いかん! 慢心しつつある。

 慢心はダメだ。

 もっと行動を慎重にだ。

 そしてしっかり鍛えていこう。


「せっかく楽しみにしていたのに、タカ」

「今回、弾やマガジンを作れたんだ。ちゃんと、銃を探知して材質の強度からミクロン単位で構造を覚えてる。まず本体の作成にチャレンジしてみるさ。それでだめなら、瑪瑙家にお願いするよ」

「そう言ってくれると僕としてはとても助かるよって! 銃を作るってそんな力をいつの間に?」

「昨日夜に」


「はっはっは、政府も馬鹿な選択をしたもんだ。そんな神のごとき力を持つ者にケンカを売るなんて」

「そんな、神のごとくだなんて、そう言えばガウが神の力とか何とか言ってた気が」

「タカ、ガウが言うならそれはきっと神に連なる力なんだよ。タカの出自がとても気になってきたよ。なんで、そんな気を持っているのかとか」


「そうはいっても、両親はいたって普通なんだがな」

「何か秘密がありそうな気がするな」

「勝手に人の出自を捏造するな」

「はっはっは、でも分からないだろ? 祖先の事とかね」


「そうですね。わたくしも気になりますね。妹様の神気は少ないですが、タカ様の物に非常にそっくりだったりしますから」

「ほら、それは兄妹だから」

「わたくしやガウのタカ様からもらった神気も妹様とほぼ同じですが。アンや勇者たちの神気とは全く別の物ですから」


「そんなことまで見たの?」

「はい、生気も親兄弟でも各自違っていて、気には個性があると思います。お役に立てましたでしょうか?」


 ああそうか、探知で誰か分かるのは意識せずにそのあたりを感じていたからなのかもしれないな。


「ケイは、本当に優秀だねー」

「ありがとうございます」


 しかし、それはいったい何を示しているのだろうか?

 分からない、がそのうち分かる事もあるだろう。

 今はそれでいい気がする。

次回更新は水曜日になります、よろしくお願いいたします。

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