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0092.ウズラも一緒に

 ダンジョンに行ってみたが誰もおらずに皆家にいた。


「買い物がついつい盛り上がってな、今日はまだダンジョン行ってないねん」


 美香は申し訳なさそうに言うが、楽しんで正解だと思う。


「お兄ちゃん、食後には行くわよ! ダンジョン」


 なんか妹も元気になってる気がするし。


「僕は、レベルアップが遅れた分取り戻したいな」


 聖はまあそうかな?


「何言ってんねん、一番楽しそうに買い物してたやん」


 何だ楽しんだんじゃないか。


「そ、そんな事無いもん」

「変わった物やきれいな物がたくさんあってうれしかったな」


 そうだよね、ミルスには異文化だものね。


「タカ様申し訳ありません。わたくしも一緒に買い物に付き合ってしまいました」

「ケイ、楽しかったかい?」

「はい」

「それは、良かった。今やってることは別に仕事でも何でもないんだ。楽しいからやっているんだ。楽しむ事が一番さ」


「そう言っていただけると気が楽になります。ただ、わたくしは幽霊でタカ様の眷属です。なんでも遠慮なくお申し付けください。疲れる事も知りませんので、ずっと、永遠に働くことが可能なのですから」


「それでは、大変だから遊びも入れて。もっと気楽に行こう。気楽にね」

「はい、タカ様」


 意向が伝わった気がしないな。

 まあ、幽霊の感覚は幽霊になってみないと解らない気がするので、好きに過ごしてもらうのがいいか。


 さて、ダンジョンだが取りあえず銃が届くまでは第四層でレベル上げを頑張るしかなく、ダンジョン攻略は少し先に延びた感じだ。

 実銃楽しみだな。


 次の日、ガウと二人で鬼人の村に行くとバスラとウズラが待ち構えていて。

 えっと、何でウズラも待ち構えているんだ?


 ウズラはかなり嬉しそうだ。

 興奮状態と言ってもいいだろう。


「もし、来られるのなら明後日にウズラの鑑定をしたい。と勇者協会からお達しがあったんだ。ウズラを連れて行ってもいいだろうか。しかも、俺の限界速度で走っていきたいのだ。せっかくの魔石も拾えないが」

「いいですよ。付いて行きます。ウズラ肩車してやろうか」

「やったー!」

「すまない、その方が速く着くだろう」


 と言う事でバスラは先頭を走る走る。


 森の中、木を左右によけながらなのに、中々の速度だ。

 今まではそれでも俺達を気遣ってゆっくり走っていたんだなとわかる。


 だが、俺達も負けてはいない、まだ俺もガウも余裕だ。

 時々行く手に現れる魔獣などをガウが悪魔砲でかたずけながら休みなく夕方まで走った。


 バスラ、体力が鬼人の中でもトップクラスだとは聞いていたが凄まじいな。

 どうしてもお昼くらいからお腹空いていたんだが。

 この辺りでは、お昼に食べる事があまりないらしいので、まあいいかと思い付いて行くと。


 急に森が無くなり開けた地に小麦畑が広がっている場所まで駆けてきた。

 人里にやっと着いたか。


 ウズラは最初こそケラケラと喜んでいたが、途中からは疲れて俺の肩の上で頭にかぶさり寝ている。

 揺らさないように気を付けて走ってはいるが、よく寝られるな。


 もう少し走ると小さい村に着いた。


「ふう、さすがの俺も疲れた。後ろを気にしながら走ってはいたが、まさか休憩なしで付いて来られるとは思っていなかったぞ。しかし、無理な走破に付き合わせてすまなかった。俺達はこの村に一泊して馬車にて町に向かう。しかし、君たちは疲れたように見えないんだが」


「俺達はこの位平気ですよ。では俺達は帰ります。ここまで案内ありがとうございました。後は勝手に行きますので」

「そうか、すまない。ありがとう」


 そう言ってバスラ達と別れ、探索ベースへと転移した。


 すると美香が待ち構えていて。


「タカ、お帰りや、例の自転車で入れる穴の元を作ってや」


 早速の注文通りに焼失魔法で穴をあける。


「ありがとな」


 そして、この穴にも改良した物理障壁と偽装の魔法陣を貼り付けておく。


 今度のはカギとなる魔法陣を持っている人なら偽装を見抜き、物理障壁を抜けられるように改良したものだ。


「皆学生証とか持ってるかい。鍵になる魔法陣と探知の魔法陣を貼り付けたいんだけど」

「お兄さん、そこは指輪とかの方がカッコよくないですか?」


 芽衣は、はいっ、と手をあげそうな勢だ。


「指輪だと俺の今の能力じゃ魔法陣を書き込める大きさが無いんだ」

「えーそうなんですか?」

「えー指輪じゃないん?」


 美香、流石にそれは少しうざい。


「そうだな指輪だと忘れづらいから、便利だったのにな」


 聖も指輪がよかったのか?


「残念です。でも、それを持っていればいつでも本を読みに来られるってことですね。うれしいです」


 まあ、芽衣は納得してくれたようでなによりだ。


「そやな、なんならここに住めるんやな」


 美香、マジか! 小山と言ってっも結構な山の中だぞ。


「瑪瑙家の調査が終わっても、僕だけ残る予定だから。それもありだな」


 聖お前もか? まあ二人なら寂しくない?


 そうか2人ともその辺の幽霊なんぞには負けないから怖くはないのか。

 勿論、野生動物が出ても負けはしない。

 あんな町中にある山にはたいしたものはいないと思うけど。


「いや流石に冗談やってんけど。ここやと寂しいやろ」

「ふふん、僕はそのくらい平気だ」


 なるほどね、トイレがあって照明器具に水、湯がでて冷蔵室も作る予定だから、住もうと思えば住めるのか。

 まあ、今の所俺は住むつもりないけどね。


 流石に窓が無いのは気が滅入るだろ。


「うちの学生証や」


 美香が学生証を持っていたのでカギになる魔法陣を貼り付ける。


 外で美香に試用してもらったが、誰かの視線があると作動しない仕組みはなかなかの完成度を示し。


 入り口が見えそうな最も遠い地点からの隠れてみるテストにも合格した。

 もちろんそれがカギを持つ者なら反応しないようにも出来たのだ。


「これで、うちは、暇な時には来て建築できるんやな、早く自分の部屋が作りたいんや」


 と美香もやる気満々である。


 皆もうなずいている。まあ、親に秘密の部屋ってほしいよね確かに。

 秘密基地って大人になっても欲しいらしいし、ここなら騒いでも周りに人はいない。


 しかし、壁を固くするのにはかなりの魔力がいるらしく固いだけでもダメ。

 柔軟性も持たせないと割れるらしいので調整が難しく精巧な魔力操作が必要とくれば、ケイや、アン、ガウでも手こずり、中々出来ないことを美香は気にしているようだった。


「まあ、急ぐ必要も無いからゆっくりとね」

「ありがとうやでタカ」


 さて、ここまで済むと俺に仕事は無いので、またダンジョンに一人行ってレベル上げに精を出すのだった。

次回更新は月曜日になります、よろしくお願いいたします。

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