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0091.魔法陣の作成

「ええー! 魔道具屋、私も行きたかったのにー!」


 家に帰ると妹様が不機嫌だった。


「まーまた行く事も有るだろう。その時に一緒に行こうな」

「お兄さん私も行きたいです」


 芽衣も行きたかったようだ。


「うん、今度時間が合えば一緒に行こう」

「はい、楽しみにしてます」


 芽衣はええ娘やなー。


 妹はさらに気になるのか質問を続ける。


「美香さん、聖さん、どうでした?」

「いやあ、うちにはサッパリわからんかった」

「僕は、解析しようと頑張ってたんだよ」

「へー」


 どうやら妹はいきなり興味を無くしたようだった。


 俺は照明の魔道具を天井が出来ている所に付けて行く。

 使ってある魔石は錠剤よりも細かく切り分けた物で、ダンジョンで集めた魔石よりそうとう小さく含まれる魔力も小さい。


 持っている魔石を同じ位の大きさに切って照明の魔道具に入れても魔道具は稼働し、それどころかなんとさらに明るさが強くなった。


 おおっこれはお得だな。

 かどうかは分からないか? まだ魔石を売った事も買った事も無いから。

 まあ、なんにしても魔道具のエネルギーには困らないな。


 さて、魔法陣だが、空中に出したり物に転写したりできるようだ。

 魔石を中央に置くか自分で魔力を流せば発動するので、試しに物理障壁の魔法陣を入り口の岩に書き、真ん中に大きめの魔石を貼り付けると、作動し強力な壁が出来たが、これでは誰も通れないので改良が必要だな。


 とりあえず入り口がある事が分からないように、偽装する魔法陣を重ね書きしておいた。

 まてよ! ここに入るのにわざわざ防空壕を通る必要ないよな。

 俺はベースのある山道の周りを少し見て回り、道に接していて周りから見えにくそうな斜面を発見した。


 ここから自転車で入れれば皆来易いんじゃないだろうか。


 美香とケイと相談してみよう。

 美香はあれで建築に詳しかったのだ。


 チャチャッと簡単な強度計算行ってくれており


「魔法って思ったよりすごいんやな。大学で強化した土の強度測ってみたんやけどそこらの鋼鉄よりよっぽど強くなるわ。これなら広い部屋が出来るで」


 としきりに感心していた。


 ベース拡張工事では中心になって指示を出してくれるので助かっている。

 俺にはそんな知識は無いからだな。


 明日はまた異世界の森探索か。

 皆はまだ異界探検に行くのかな? 


 明日どうするか聞いてみると、美香、妹、芽衣、ミルスが反応する。


「タカ、うちな、どうもバスラの視線が気持ち悪いよって、あんまり行きたくないんや」

「お兄ちゃん私も飽きちゃった」

「お兄さん、杏が行かないのなら残念ですが諦めます」

「私もダンジョン入り口が何処か分かったのでもういいわ。なぜかあのバスラさんの笑顔が薄気味悪いのもありますし」


 バスラの評価が悪すぎてびっくりする。

 確かに笑顔に無理がある時も見受けられたけどそこまで嫌かな? 


 女性の感性は分からない。

 でもまあある程度異世界の森を楽しんだ皆は予想の通りさほど行きたくはないみたいだった。


「アンは兄ちゃんに付いて行くニャ」

「わたくしは皆さんとダンジョンにでも行ってきます」


 ケイは皆の面倒を見てくれるようだ。


 妹が顔を輝かせながら提案する。


「あのね、ケイちゃん。午前中は買い物にでも行こうよ」

「そうやな、たまには息抜きも必要やな」

「ふん、軟弱な、でも一人は嫌なので僕も一緒に行くぞ」

「私もこの世界のお店に興味があるわ」


 ミルスがとてもうれしそうに乗り。 


「ほな、ダンジョンは午後からやな」

「賛成~」


 そうだな、もう皆レベルアップを重ねたおかげで、身体能力的にもその辺の不良どころか銃を持った暴漢……みんなの視線が刺さっている気が、こ、恐い。


「ならわたくしは、タカ様に憑いて行きます」

「ポキもタカ殿に付いて行くビャ」


 ケイとガウは俺と行きたいようだな。


「アンも買い物に行こうよ」


 と妹がアンを誘う。


「でもニャ」

「アン、行ってくるがいい。ケイも行ってもいいぞ」

「わたくしはタカ様に憑いて行きます」

「……アンは、杏ちゃんと買い物に行くニャ」

「ああ、皆楽しんでくるといいよ。ミルスは耳を隠していってね」

「分かりましたわ」


「じゃあ、俺達は鬼人の村に行くな」

「行ってらっしゃい」


 鬼人の村に転移すると、バスラがすでに待っていた。


「やあ、いらっしゃい。むっ、今日は美香さんや他の皆さんは?」

「バスラさん、おはようございます。どうやら、飽きてしまったようでして。ははは」

「なるほど、そうでしたか。ははは」


 あからさまに顔に出したりしないけど、残念そうな雰囲気は伝わってくる。


「お兄たん~」

「よう、ウズラ。元気にしてたか」

「うん、元気。えへへへ」


 と抱き着いてきたので、やさしく頭を撫でてやる。


「ウズラ! お兄ちゃんたちはもう出るのでその位にして離れろ!」

「うん、バスたん」

「じゃあ、行ってくるね」

「お兄たんまたね」


 ウズラは可愛いよね。


 前回進んだ地点まで転移すると近距離探知で結構な数の魔物が見つかる。


 前はこんなにいなかったよね。

 なんでだろうか?


「さあ行こう」


 バスラには魔物の存在が分からないようだ。


「悪魔砲ビャ」


 前方にいる魔物をガウが数体撃つ。


「なんだ突然!」


 バスラはびっくりしている。


「いや、魔物がいたんですよ」

「魔物だって」


 バスラは、魔物の居たあたりに寄って魔石を拾い集め俺に差し出した。


「これは、タカさんの物だ受け取ってくれ」

「俺は沢山持っているので、拾い集めたバスラさんの物でいいですよ」


 ダンジョンの物より大分魔力薄そうだし。

 魔石は大量に集まってしまったので置くところに困り今は洞窟のフレッドの隠し部屋に詰め込んである。

 その隠し部屋も、もうほぼ満タンになって来ているのだ。


「何だって? 魔石だぞ! 結構な金額になるぞ!」


 ほほーいい事を聞いた。


「これからも、バスラさんが拾えばバスラさんの物です。いいように使ってください」


「本当か? 村は人数が予定より増えすぎて非常に困っていたんだ。ならありがたく頂くとしよう。あなたは、本当にいい人なのだな」


 いやごめん、偽善者でした。

 というかこの世界の金貨なんかもそうなんだけど、現実のお金と言う感じも薄いから、その辺よく分からないのよね。


 困ってみないと本当の価値は分かりづらいのだろうか。

 よく聞いてみると村は国からの支給金でほぼ賄われていて、人数が増えても国は増やしてくれなかったそうだ。


「あれこれ探索しながら歩くか?」

「今日はゆっくり走って行こう。前方の魔物は見つけ次第倒していくから魔石は拾うといいよ」

「ありがとう。村が助かるよ」


 大げさな。そんなに魔石って価値があるのかな。

 これは、手持ちの魔石を売るときが楽しみだぞ。

 その日は魔物や魔獣を倒しながら進み、お昼には。


「タカ様、皆さんのレベル上げに帰ります」


 と、ケイが帰り、その後3人で進めるだけ進んで夕刻を迎え村に帰る。


 バスラに移動中、俺やガウが倒し転移でベースに送っておいた魔獣の遺体を取り寄せ渡すと、食べ物やお金になるとこれもまたすごく喜ばれた。

次回更新は金曜日になります、よろしくお願いいたします。

楽しんでいただければ幸いです。

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