閑話 謎の会議06
ここは、あたくしの父が経営するホテルの大ホール。
被害者の会改めL.T会会員の中でも遠距離や多忙だったりで中々寄り集まるのが難しい一般組の方々が、その忙しい中全員集まってきている。
海外からも来てもらう為、日時の調整は難航したがやっとの開催である。
「直接会うのは久しぶりだな、副会長」
「れーちゃん、みーちゃんって呼んでって、いっつも言ってるのに!」
そう言って、プンプン怒っているのは、久良 峰子、みーちゃんである。
彼女は、木戸家の隣りに住んでいた幼馴染で、小学校の頃に遠くへ引っ越していったのだ。
「わたし、副会長なのに運営をれーちゃんに任せっきりで、ごめんね」
L.T会の創設は二人で奔走し一緒に苦労したのだ。
なお、L.T会と決めたのは先生の趣味だ。
それとケイさんが被害者の会でなければいいと認めてしまった。
あたくしの趣味ではないが、他に提案がなく仕方なく決まったのだ。
対案を思いつけなかったのが殊の外悔しい。
良い名前にこだわって思考の袋小路に入ってしまっている間に決まってしまったのだ。
あたくしとしたことが情けない。
「いや、みーちゃん。校外の会員のまとめを、ほぼ任せているじゃないか、此方こそ副会長にはいつも世話になっているよ」
「だから~、みーちゃんって呼んでよ」
「すまん。みーちゃん」
「はっはっは、ほんと、ぼく達って最近めっきり直接会うことないよね~。お久」
そう言う僕っ子は、村田 香苗。
日本にこんな制度在ったのかと、びっくりする飛び級で東京大学に進学し博士号を取得、工学部の特別助教授として日夜研究に励んでいる。
会の設備やソフトのほとんどは彼女が開発したのだ。
つまり工学系はソフト、ハード何でも来いの天才マルチ発明研究者。
おかげで秘密裏にリモート会議が出来たり、メール出来たりで非常に助かっている。
わが会の頭脳だ。
最近は例の吸血鬼騒ぎで、超常学の方へも食指を伸ばしているらしい。
なんでも表に出せない発見や発明の塊でその辺り勉強しているだけで今までの常識が叩き壊されているらしい。
そして特許などはバラバラに分解して元が何の発明だかわからないようにして出願されているらしい。
まあ博士から聞いたことばかりなのでらしいばかりなのは許してほしい。
「博士ようこそ」
「れーちゃんは、むーちゃんって呼んでよね」
実は彼女は、あたくしが彼に惚れるきっかけとなった、そう、あたくしが叩いた友達です。
二人とも昔からの呼び方をしないと不機嫌になるのは何故だろうか?
「でも、突然どうしたんだい。出来るだけ集まれ、だなんて?」
「そうよ、れーちゃん、理由を聞いてもはぐらかして、とにかく集まれって」
「そうだよ、なんか会の名前まで変えちゃってさ。いったい何が有ったんだい」
「それに関しては、今は詳細が言えないですが、これから会っていただく方と集団面接をしてからになる。まあ、絶対に幸せな気持ちになれるから、楽しみに会ってほしい」
「ふ~ん、なんだろうねえ、むーちゃん」
「怪しい宗教にハマってないよね? れーちゃん」
「このあたくしがそんな怪しげなものに掛かると思うか? 思われているなら心外ですね」
「まあ、思わないけどさー、もしもってあるじゃないか」
「あたくしが敬愛するのは昔から一度も揺らがず、変わらず、たーちゃんです! それでいいかな?」
「えっ!」
「れーちゃん! それって」
「皆さんお集まりですね。皆さんは、木戸貴志様を愛しますか?」
それは、突然頭上に現れ、皆の頭に語り掛けた。
「なっなんだ! お前は?」
「れーちゃん! あの子、空に浮いてる?」
「分かりましたわ、あなた方は合格です。タカ様は凄いですね、これ程の……」
(ああ、ピュアで芯から強い美人ばかりです。面食いですねタカ様。ここに集まっている全員があなたのものですよ)
「麗華さん、覚悟の確認を」
「はい、お任せください。この時の為に、皆で準備をしてまいりました。許可が下りたぞ。さあ、皆、説明を!」
「はい」
「皆さんも、あたくしの様に、言えます。そして、彼に伝えれます。木戸君いえ、貴志君、たーちゃん、あたくしはあなたを愛しています! と!」
校内会員は、手分けをして、皆に伝えている。
「皆さま、覚悟は決まりましたか?」
「むーちゃん、ダンジョンなんて、楽しみだね」
「ああ、未だに信じられない気持ちでいっぱいだが、確かに論理は通っているし。告白できるれーちゃんを見ては信じざるを得ない。分かったよ覚悟を決めたよ」
「覚悟を決めましたら、挙手と返事を。ああ、秘密を洩らせばわたくしが必ず、殺しますので真剣に覚悟をお決めくださいね。ではご返事を」
「はい!」
誰一人迷うことなく手を挙げるのだった。
皆の顔には自信と喜びが浮かび、ケイが殺すなどと不穏な事を言っているにも関わらず不安に悩む者など誰一人いなかった。
謎の会議はひとまず終わりの予定です。ありがとうございました。
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