0088.仲間はずれにはしたくない
「くーっ、悔しい! 次は必ず当ててやる」
聖はとても悔しそうだ。
そして次もやる気十分なようだな。
ゲームの方は2勝1敗で俺達のチームが勝ったが、聖はすぐ独断専行し撃たれて死亡になっていたようだ。
聖らしいと言えばまあそんな感じだな。
まあ聖はほうっておこう。
一人でぶつぶつ言ってるし、勝手に自己完結するだろう。
相談されればのってやってもいいが、今の状態の聖に言ってもたぶんなにも聞かないしうざい態度になるだけだ。
「あかりも樹里もすごかったなあ。とても初心者には見えなかったよ」
終電に間に合い電車の中で話をしている。
「うふふ、ありがとう~」
可愛い感じの顔立ちの樹里も話すと、とても色っぽい。
「あたしら、運動部だからね。体を動かすのは得意なのよ」
そう言えばあかりはテニス部で樹里はバスケット部だっけ。
そりゃ普段あまり運動をしてないサラリーマンじゃ動きについていけないのは仕方ないのかもしれない。
俺の偏見かも知れないが、現役アスリートがサバイバルゲームをやっているなど珍しい気がする。
どちらかと言うとスポーツに縁のないお宅気質ばかりいたような。
いや俺が勝手にそう思ってるだけで実際には知らんけど。
現に俺とサバゲーで遊んでいる連中にアスリートはいない。
俺も別にこれと言って運動なんかしていないが魔物との戦いで動きなれしてきていて、魔力を切っても今までよりかなり動けるようになってるような気がするし。
体が今までより思う通りに動くのはとても気持ちいい。
もっとスポーツすればよかったかな?
「でもタカって運動神経いいねえ。なんで運動部にはいんないの?」
「俺は、そうだな、なんかやりたい部活とかなかったんだよね」
「タカは人助けで忙しいのう」
「ああ、やっぱりそうなんだ」
あかり、やっぱりってなんだ?
そんなに有名なのか?
樹里はニコニコと話を聞いていて電車の揺れに合わせてポヨヨンと揺れている。
ああ、あの谷間に顔をうずめたい……。
おっと遊び終わって気が抜けたのかショウが傍にいるのになぜか淫欲がっ!
おっ治まれ~淫欲~。
「楽しかったよ。ありがとう」
「うふふ、また誘ってね~」
「次は必ず当てる!」
駅から彼女たちはタクシーで帰ると言うのでそこで別れて帰る。
「冬二も来ればよかったのになあ」
「冬二が来ると嫉妬で狂ってゲームにならなかったかものう」
「そうかなあ」
「まあ、俺も楽しかったのう。じゃあ、また明日」
そう言ってショウは帰っていった。
「タカ様の友達は良い方々だったのですねえ。誤解しておりましたわ」
そう言えば友達を選んだ方がいいとかなんとか言ってたっけ。
だから今日ついてきたのかな。
まあ、殺すだの殲滅するだの、のやり取りだけ見ればそう思われても致し方なかったのかもな。
次の日学校で。
「おはよう、タカ。昨日は楽しかったねえ。サバゲーにはまりそうだよ」
「おはよう、あかり。それは良かったサバゲー仲間が増えてうれしいよ」
「うふふ、私も楽しかったからまたやりたいわ~」
「樹里さん、歓迎するのう」
「むー、僕だけはぶられているような気がする」
「それは誤解だのう。そう思うなら冬二も来ればよかったのう」
「いや、あそこにはもう行きたくない」
「お前が”いい年したおっさんばかり集まって戦争ごっこか、何やってるんだ、笑っちゃうね。こんなじじい共に負ける気がしないね”などとイキるからだのう」
「あの時はつい興奮して言ってしまったんだ」
「それはさすがに言いすぎです。やさしいおじさまばかりでしたのに~。ねえ、ショウ」
「うう、反省はしてるんだ。でも、もう顔をだせない。というか、皆名前呼びなの?」
「冬二君も~名前で呼んでっ」
「樹里さん」
おお、冬二も舞い上がってる。
「あたしも名前でいいよ。冬二君」
「あかりさん」
「冬二嬉しそうだな。僕も聖でいいんだよ」
「今までも聖って呼んでたじゃん」
「ああそうか、はっははは」
「そうだね、はっはっは」
こいつら、何言ってんだか。でも冬二の機嫌も治ったことだし良しとするか。
「昨日はせっかく誘てもろてんのに参加できへんで、ごめんね」
「ふふん♪ 美香。代わりに僕が参加しておいたよ。サバゲー面白かったなあ」
「ぐぬぬ」
あまり活躍できなくて落ち込んでいたくせに美香をあおれるとか、聖、性格強いな。
「でも、聖さん。ごっこなんでしょ? 異世界の冒険の方がよっぽど面白いと思うけど」
「いや、芽衣。魔力を切って始めるとなかなかの緊張感が味わえて実戦さながらだったよ。あれこそ、僕に足りない戦略を補完できるいい遊びだ。タカ、又あったら必ず行くからな。絶対声を掛けるんだぞ」
「おう、分かった。聖」
「そんなものかしら?」
「うちも、出来るだけ参加したいからよろしゅうやで」
美香は参加できなくて残念だったな。
まあ、サバゲーってなかなか一般には理解がされにくいよね。
「ねえ、お兄ちゃん。ダンジョンいこうよ」
「そうだな、行くか。そろそろ第五層にも行けそうだし」
と意気揚々とダンジョンに転移した。
皆はまだまだ第二層で眠くなり動けなくなるので、ケイに任せて、聖が第三層でレベルアップするまで付き合ってから、第四層の突破を目指して探索を始めた。
新しく覚えたブラドレイはさほど威力は無いが第四層の魔物には十分で、魔力消費量も少なく遠距離を狙えるから凄く重宝するな。
連発性もよいのでどんどん撃っていく。
物理障壁で皆をくるんでいるため吹雪も全く気にならなくなった。
抜けてくる魔物はアンやガウの餌食になる。
さてどうやら第五層の入り口だ。
また、初見殺しが仕掛けてあるのだろうか?
まあ、第四層が極寒だったので予想はある程度ついていたが。
「陽炎で景色がゆがんで見えるな」
今回は何故か先が見えるサービスの良い入り口で、見える光景は陽炎に歪む荒涼とした大地。
そう第五層は灼熱地獄だった。
「さて、第五層の入り口だ。アン、第五層内に向けて水魔法を放ってくれ」
「分かったニャ、水よ行けニャ」
ジュワー
「おおっ、水が空中で蒸発する。これは気温が100度を大幅に超えているのか」
素の人間では絶対入ってはいけない領域だった。
「アン、ガウ、俺が先に入ってみる。何かあったらこの紐で引き戻してくれ」
体に結び付けた紐をアンに預け、今までの事も有るので恐る恐る足を踏み出してみたが、装備が良い働きをするみたいで、大丈夫だった。
一歩二歩と踏み出してみるが何も起こらない。
きっとこの気温が初見殺しなのだろう。
やったぞ、なんだかダンジョンをクリアできたみたいな達成感を俺は感じていた。
「大丈夫みたいだ。二人ともゆっくり入って来てもいいぞ。うん、二人とも大丈夫か」
「「「大丈夫」ニャ」ビャ」
「ふう」
落ち着いて回りを見るとあちこちから溶岩が溢れている山岳地帯の様な景色だ。
「にいちゃんここは地獄かニャ?」
確かに今までの景色に比べると全く生き物の見えない殺風景な感じがする。
「ああ地獄のようだ」
キシャー!
遠くから魔物の鳴く声が響いて来て敵の到来を告げていた。
次回更新は金曜日になります、よろしくお願いいたします。
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