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0086.サバゲーへの誘い

「昼食だって?」

「はい、弁当を用意したので一緒に食べましょう」

「それはありがたい。日帰りの案内なので食事は無いものだと思ってました」


 俺達は、異世界で森の中を散策しながら進んでいる。


 バスラは昼食なんか無いと思っていたらしく凄くにこにこしている。

 今朝ケイとアンが早起きして作ってくれたものだ。


 俺は手だけを部屋に転移し弁当を取り出した。

 そう転移の新たな使い方を俺は見出していたのだ。

 手だけ転移とか凄く便利。


「いつも皆さんの料理はおいしいです」


 ミルスは待ってましたとばかりに食べ始める。


「おお確かにこれはうまい! 美香さん料理も得意なのですね」


 バスラも一口食べて感想を漏らしたが。


「えっええ、まあ」


 美香は目をそらしながら相槌を打った。

 確かにこの中で最年長に見える(最年長はガウ約300歳、次がケイで約80歳)美香だと思うのはしょうがないが、確認をして言うべきだと思う。


「バスラさんは未婚なんですか?」


 妹が鋭い突っ込みを入れると。


「実は新婚でね、二人奥さんが村で待っているんだ」

「でどんな奥さんなんですか?」

「なかなか気立てのいい、家事の得意な二人でね。交代しながら家事をやっているよ」

「へーそうなんですか」


 でも弁当は作ってもらえないんですね、と妹の表情は語っていた。

 恐ろしく厳しい妹であるが、自分が料理できない事を棚に上げているぞ。

 だがバスラさんは気づいてないみたいなので問題はないか。


 いや一夫多妻のこちらでは俺はモテるぞ、俺についてこいアピールだったんだろうけどな。

 空振りだな。


「この森でお肉を焼いて食べると美味しそうです」

「いや、料理はできない。匂いで魔獣や獣が集まって来るから」


 と非常食に持っていたらしいパンの様な物と干し肉の様な物を見せた。


「冒険飯が作れないなんて、チート予定が!」


 それを聞いて芽衣はがっかりしたようだ。

 そうだな、日本では森の中で調理したとしても身の危険を感じることなど熊やイノシシが接近している時ぐらいだろう。


 逆に火を使って調理していると寄ってきにくいまでありそうだ。

 だがここは異世界、日本の常識など通じはしない。


 でも、強い障壁を張れるようになれば問題ないのかもしれない。


 その後も山菜や薬草などを教えてもらいながら日が暮れてくるまで歩き今日の移動を終えて転移で帰ることにした。


「じゃあ、また来週あたりにも案内をお願いします」

「ああ分かった、待っているよ」


 バスラはにこりと美香に向かって微笑んだ。

 部屋に帰ると妹が。


「美香さん残念でしたね~」

「杏ちゃん、残念なことはあらへん。うちはタカ一筋や。でも女なら気のない男でも気持ち悪くはない男からなら、好意を向けられれば。なんとなく、うれしいぐらいはあるやろ。バスラはちょっと下心が透けて見えすぎててきもいけどな」


「まあ、分からんでもないな。僕もきもい奴はダメだ」

「そう言われれば、それもあるかもね。でもお兄ちゃんがいるから、私はさほど気にならないかな?」


「よく分からないニャ」

「タカ様を裏切ることは許せません」

「せやけど料理は練習せなあかんなあ」

「そうね~。もっと上手になるので見ていてくださいお兄さん」

「お料理ですか」


 ミルスが私はどうすべきかと悩んだ顔になっていたのが印象的だった。

 夕食後ダンジョンに行ったのはいつもの事だな。


 次の日、学校に行く途中ショウが珍しく通学路の途中で待っていた。


「おはよう、タカ」

「おはよう、待ってるなんて珍しいな? どうしたんだ?」


「今晩緊急で、サバゲーやることに決まったんだがのう。タカ、フェイスブック確認してないのう。だから直接伝える事にしたんだのう」


 ああ、そう言えば忘れていた。スマホで確認すると、何度もお知らせが届いている。


「すまない、忙しかったもので。もちろん参加するよ、もしかしたら初心者を一人連れて行くかも」

「初心者は歓迎だのう。一人と言わず沢山でも連れてくるのう。今回はハンドガンによるフラッグ戦だから初心者には最適かものう」


「なるほど、場所はいつもの隣りの市にある屋内会場だな」

「野戦でないのも初心者向きだのう」

「久しぶりだから腕が鳴るぜ」

「行方不明事件のせいで今まで自粛せざるえなかったからのう」


 うう、楽しみだ。

 もちろん吸血鬼? の能力は封印する。

 使うときっと無双してしまうだろうし、それだときっと面白くない。

 美香にも連絡しなきゃな。


 だが帰ってきた答えは”ごめん、バイト入れちゃいましたので参加できません。また誘ってね”とのことだった。


 まあお金のかかることでもあるし、最近ダンジョンに良く行くので偶のバイトも大切だよね。

 夕食の食材を持ってきたりして気を使っていたみたいだし。


 お昼休みになると最近、聖が机を寄せてきて、聖の友達になったと言う佐藤さんと鈴木さんも一緒に座り弁当を食べる事が多くなった。


「ささ、佐藤さん鈴木さんこちらへどうぞ」

「あ、ありがとう」


 冬二が張り切って椅子を用意したり相手をするので、俺達があまり話すことは無いが、華やいでうれしくもある。


 佐藤さんは、明るくてクラスの女子のまとめ役っぽい位置にいる美人さんである。


 鈴木さんも負けず劣らず可愛いし、何と言うか仕草が大人っぽいんだよな。

 雰囲気がさ、こう、見た目のボンキュボンに合わせてさ。

 ここが教室じゃ無かったら欲情まったなしだな。


 まあ、静かにしていれば聖もかなりの美人なので、他の男子からは羨ましそうな視線がよく刺さるが、気にしないようにしている。


「サバゲーってなに? 僕は流行りに疎いからよく分からないな」


 聖が話についていけなくて切り出した。

 しまった女性も増えたのに自分たちの話ばかりしてしまっていた。

 佐藤さんも鈴木さんも嫌な顔一つせずニコニコしながら聞いていたのでついやってしまったようだ。


「いや別に流行ってるわけじゃないんだけど、正式にはサバイバルゲームと言って、エアガンを使った戦闘シミュレーションの様な遊びかな」

「僕は嫌いだな一度参加したけどひどい目に遭ったんだぞ、痛いし」


「そうだのう、冬二は大体開始直後に撃たれていたのう。あれじゃあ面白くはなかったかものう」

「なんでみんな僕ばっか狙うんだ。おかしいだろ」

「お前が開始前に偉そうに敵を煽ったからだのう。その上敵陣にすぐ特攻したからだのう」


「ははは、なんか面白そうなゲームね。あたし一度やって見たいと思ってたんだ」

「そうね~一度体験するのもいいかも~」


 佐藤さんと、鈴木さんはのってきた。


「いや結構痛い目にも合うし止めた方がいいって」


 冬二はトラウマにでもなっているのか、かなり否定的だ。


「ふむ、戦闘シミュレーションか! やって見る価値は有りそうだ。僕も参加していいかな?」

「道具はレンタルもあるから、参加はウェルカムだのう」


「佐藤さんも、鈴木さんも一緒にやろうよ、参加費用は僕が持つから」

「そうね~、やって見ようかしら~」

「いいね、あたしも参加するよ」


 鈴木さんも佐藤さんもやる気のようだ。


「ぼ、僕は行かないぞ絶対だ……、(でも羨ましい、でも怖い)」


 女性陣が参加する事が決まっても参加を断るとは、冬二のトラウマは思ったより大きいようだった。

次回更新は月曜日になります、よろしくお願いいたします。

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[一言] この人達は!?!? 被害者の会の人達か!?!?
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