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僕の業。彼女の業。

作者: 徒華

僕は嵩也。

オカルトに興味がある中2だ。

そして今日タイムリープをするのだ!

決行は今日の24時

身体ごと移動するのは心配とかかけるけどタイムリープで意識だけ移動すれば疲れて寝てたって言えるし!

タイムリープしたい理由は好奇心だけではない。

4年前の10月23日に突如消えた幼なじみの香夜を探したいのだ。

オカルトは信憑性低いものも多いから失敗しても心へのダメージは少ないし、成功したら香夜にあえるかもしれない!

ー23時45分ー

タイムリープの仕方は沢山あるらしい。

だが標高何百メートルより上だとか断食だとかとても現実的ではないものばかりだ。

だが僕は見つけてしまった。

五円玉を使うものらしい。

「えーと·····やり方は·····」

『1.五円玉に長さ20cm程の紐を通す。

2.部屋を薄暗くする。

3.自分の顔がかすかに見える位置に鏡を置

く。

4.午前0時に鏡の前で五円玉をクルクル回

す。(右に回すと未来、左に回すと過去)

5.目は閉じず力まずリラックス。

6.20分経ったら回すのをやめ就寝する。』

よし準備はできた。

あとは24時に五円玉を左に回し眠るだけだ。


時計が24時を告げると同時に4年前を思い出しながら五円玉を左に回す。

そして20分後回すのをやめて僕は寝た。

『4年前へ』

それだけが僕の頭を支配していた。



目覚める。

見慣れた部屋。

「やっぱり無理か」

そう思いながら身体を起こすと隣にある机は今の机より低く、その上には雑に置かれたランドセルがあった。

「··········?」

「··········?!」

「成功してる·····」

間違いない。

ここは4年前つまり僕が小学校4年生の時の世界だ。

時計を見ると9時過ぎ。

つまりこの時代の僕は学校へ行っている。

日付は10月23日。

彼女がいなくなる日。

僕は意識だけの状態だから言い方は悪いが彼女をつけることができる。

僕は学校へ向かった。

懐かしい授業風景に顔が自然と綻ぶ。


終礼が終わり僕は彼女を追いかけた。

そうだ彼女はあの日いつもと違う道を通った。

見慣れない道を歩く少女を追いかける。

角を曲がった瞬間·····

『彼女が消えた』

「え?!どうして!追いかけたのに!」

『どうしようあと30分程で現実に戻ってしまうのに!』

パニックになっていると後ろから

「あれ?たかくん?こんなところで何しているの?」

聞きなれた声。

恐る恐る振り返るとそこには笑顔の香夜。

大人びていることから僕と同じぐらいなのだろう。

「香夜?どうして·····」

「ねぇたかくんは過去を変えようとしているの?」

被せて聞いてくる。

「え?香夜を、あの日の香夜を助けて·····」

「そう·····。私を」

コイツは本当に香夜なのだろうか?

「お前、本当に香夜か?だとしたらなんで僕のことが見える?あの日どうしていなくなった?」

「私は香夜だよ。柊 香夜。私はねこの世界に閉じ込められたの。私は一生10月23日から動けないの。」

僕にはわからない。これが本当に香夜なのか。

固まっている僕をよそに彼女は話を進める。

「私はあの日誘拐犯に連れ去られた。そして監禁されているの。たかくんと別の方向へ行ったのはその日おばあちゃんの家へ行くためだった。あそこが私のおばあちゃんの家。あなたなら覚えているでしょう?そして私は過去の自分を助けるためにタイムリープして助けたのだけど過去を変えてしまったから戻れなくなってしまったの。」

指さす先には僕もよく知った彼女の祖父母の家。

そうか、そういえばこの辺りだったな·····。

現実世界では香夜がいなくなってから行ってないから忘れていた。

過去の自分を助けるためにタイムリープしたなら納得もいく。

確かにコイツは本物の香夜のようだ。

なら·····僕は

「僕は君を助けたい。どうやったら君は現実世界に戻れる?」

「·····1つだけあるの。たかくんにも協力してもらわないといけないけど·····」

「そんなのいくらでも協力する!!だって君と一緒にいたいから!」

なんか告白めいてしまった。

まぁ僕は本当に彼女に恋をしているからどっちにとられてもいいが。

「ふふ。告白みたいだね!ありがとう。」

僕は顔が紅くなるのがわかった。

「それで?やり方は?」

「手を繋いで強く願って?私が()現実に戻れますようにって」

「わかった。」

1分前。

僕は彼女の手を強く握り強く願う。

『香夜が現実に戻れますように!!』

··········0。



起きる。

ふぅー成功したようだ。

ボクは学校へ向かう。

中学校に。

プリントが配られる。

名前を書く。

『柊ー』

おっと間違えた。

『葉月嵩也』


ありがとう。たかくん?

私と入れ替わってくれて。

君は怒ってるかな?

それとも大好きな私を救えて幸せかな?

あとはまかせてね。


私の業は彼を騙し、過去を変えたこと。

彼の業は私を信じ、現実に帰る選択肢を見誤ったこと。

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