表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/102

第18話 マヌカン

 むっかしー、むっかしー、うらしまはー

 助けた亀に連れられてー

 竜宮城に来てみればー


「なんの歌よ、それ」


 思わず歌っちゃったら、トータ姫が怪訝そうに言った。


 昔話の歌よ。こんな物語があったの、と浦島太郎の話をしたが、姫は、よくわからない話ねと言って興味を示そうとしなかった。


「さぁ、行くわよ」と姫に言われたが、さて、深海にどうやって潜っていけるかしら。

 ふと思い立って姫の甲羅にまたがってみたら、なにやってんのよ、重いじゃないのと真顔で言われた。


「あんた泳げないの?」


 泳げないわけじゃないけども、海底深くまでって、魔法でも使わない限り無理っしょ……。


「まぁ、わたくしも魔法で泳げるのですけどねぇ」


 トータス族は泳げないらしい。姫は魔力で泳ぐことができると言った。まるで私が魔法で空を飛べるのと同じようなものかしらね。そうか、魔法……


 なにか使える魔法があるかしら、と、小一時間ほどあでもない、こーでもないと試していたが、良い方法が見つからなかった。

 だいたい、魔法の説明書ってのがないよね……。


 説明書?


 ああ、ケットちゃん呼んでみよう!

 でも、忙しそうだからな……。


 と思った途端に現れた。


「なんか用かニャ?」


 あらま、今日はマヌカン並みの速さね。


「マヌカンってなんニャ?」


「ハウスマヌカン。ブティックの店員さんのことよ」


 そういや、空前絶後のプログレッシブ演歌なんていうキャッチコピーの歌もあったわね。破壊力抜群だわ。……まぁ、いずれにせよ死語よね。


「ブティックってなんニャ?」


 ああ、もう。余計なこと言っちゃった。面倒くさい。


「素敵なお店のことよ」


「それは嬉しいニャ」


 トータ姫がちょっとちょっと、なに独りごと言ってるのよ、といぶかしがった。

 どうやらトータ姫には、ケットバシーは見えないらしい。


「海に潜るための呪文試してただけよ」


 姫はふーんと言った。


「わかったニャ。嬉しいから海に潜る呪文あげるニャ」


 ケットバシーはそう言うと、尻尾を立ててくるっと回った。


「さあ、言うにゃ」


「ん? なんて?」


「マヌカンー!」


 えええ。海に潜る魔法がマヌカン? ちょ、ちょっと。


「嬉しいニャー、忙しいニャー、次行くニャー」


 そう言って消えてしまった。相変わらずの多忙ぶりのようだ。


 仕方ない。


「マヌカン!」


 私と姫は竜宮城、もとい、トータ姫の城に向けて進んでいった。


お読みいただき、ありがとうございました!


ブックマークなどなど、まことにありがとうございます。

更新の励みとなっております!


引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ