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第13話 トータ姫の願い

第3章「トータ族」開始いたします。

 お腹が空いたというので、まずは食事。

 あっ、でもぶどうのジュースは厳禁よ。


「わたくしたちはね、んっぐ、普段毎日毎日食事にありつけるわけではないので、ごくん、1箇月やそこいら食べなくても、ガブリ、飢え死になどしたりしないのです、もぐもぐ」


 目の前にあった山のような食事が、こんな小さな体のどこに入るのかというほど、あっという間に消えていく。でも、食べるか喋るかどっちかにした方がいいと思うのよね、姫さまともあろう人が……。


 メイシャも目を丸くしながら見ていた。


「ふぅ」


 ようやく落ち着いたのか、トータ姫の手が止まった。お腹のところがパンパンになっている。

かわいい!

 トータ姫が突然ハッと思いついたように顔が変わった。


「わたくしのお願いって言うのですはね……」


 謁見の間の控室で言ってたことを、覚えている。


「襲われたお城を取り戻してほしい、ってことかしら?」


「そうそう、それよそれ。わかってるじゃない。今どうなっているか心配で心配で。あと、だれが襲ってきたのかを突き止めて欲しいのだけども……んー」


「どうしました!?」


「眠い!」


 と言って寝てしまった。急にたくさん食べたので眠くなっちゃったのね。詳しい話は明日にしましょう。


「メイシャ、どこかに寝かせてあげてほしいのだけど」


 メイシャは、恐る恐るというように亀を抱き上げ、二階へ連れて行った。わたしも後からついていく。座布団とバスタオルを持ってきて、トータ姫用の布団をこしらえ、そこで寝かせることにした。


「あの……喋る亀って初めて見たのですけど……というか、なんなんです、あれは……というか、襲われたお城とか……んー、なにから聞いていいかよくわからないのですけども」


 目を白黒させながらメイシャが小声で聞いてきた。


「きっと大丈夫!」


 わたしはそれだけ言った。あれがトータス・ゴッデスなのだとも言えないし、どこで出会ったとも言えないわよね。


 世界って本当に広いわ、色んな知らないことがあるのねぇ。


 さらに私が言うと、メイシャはうんうんと大げさに頷き、それ以上なにも口を開かなかった。


「今日もレッスンはじめましょうか。そろそろステージに立ってもいい頃かもしれませんよ」


 私がそう言うと、メイシャはパッと明るい顔になり、今までのことがなにもなかったかのように、わぁと喜んだ。


お読みいただき、ありがとうございました!


ブックマークなどなど、まことにありがとうございます。

更新の励みとなっております!


引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m

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