大丈夫かな@
ご覧頂きありがとうございます。
今年から拙いですが小説を書いています。
よろしくお願い致します。
池袋駅で優香と別れてから、彼女からメールの返信がないままである。
これまで、だいたいは、すぐに返してくれた。
別れ際の食事で、ほとんど彼は寝ていた様なものである。
相当失礼なことをしてしまったと自覚しており、メールでも謝ったのだが。
アパートからも、何度も携帯でセンター問い合わせをしてみるが、新しいメッセージはありませんの表示を見る度、気持ちが萎え、不安になる。
彼は気持ちの切り替えはおろか、不安のまま過ごすのができない質だ。
時計を見ると23時。
友人、柳は起きてる可能性がある。
早速、電話をかけてみた。
強迫神経症の彼にとって、不安を抱え、つらい思いで生きてるのは自分だけで、他人の気持ちや、迷惑かどうかを、想像できない所がある。
「はーい」
よかった。起きていた。
「ごめんね。夜遅く」
そう思うなら、電話しない方が良いのだが、自分のことしか考えられない。
「どうしたの?」
「今日、初デートだったんだけど、寝ないで行ったから、優香と食事のとき、うつらうつらしちゃってさ」
「何で寝ないで行ったの?」
「計画では今頃、優香と一緒にアパートにいる予定だったから、寝ずに部屋の掃除してたんだよ」
「何やってんの」
「優香からメール来なくなっちゃったよ。俺が眠そうにしたから嫌われちゃったかな?大丈夫かな?」
「そのうちメールくんじゃないの?デートはどうだったの?」
「キスできたよ。会話中に眠ったのは相当マイナスだったよ。大丈夫かな?」
「キスしたの?すごいじゃん」
「寝ないで掃除しながら、シコっちゃったよ」
「何やってんの。でもキスまでできて、成長したじゃん」
「やれると思ったのに。もう無理かな。連絡来るかな?大丈夫かな?」
「言ってること最悪だな。いつも俺に電話してくるときは、教授に唾を吐いてしまった気がするとか、窃盗してないのに店員に疑われてる気がする、大丈夫かな?って内容なのに。今そういう不安はないの?」
「言われてみれば、そういった不安、無いことは無いけど。今はメール来ない不安で頭いっぱいだよ。キスした時、良い匂いしたんだけど、唾かけて欲しかったな。目の前で脱糞して欲しいよ」
「何言ってんの?排便行為は女性でも自然現象なんだからさ。ヤルこととは別物じゃん。俺の唾あげようか?」
「絶対嫌だよ。大丈夫かな?」
「悠太のメルアド、daijoubukana@にしたら?」
「笑う余裕ないよ」
柳に話を聞いてもらっても不安は消えるばかりか増した様に思える。
「そろそろシコるから、電話切るよ」
柳がそう言い通話を終える。
折り畳み座椅子の背もたれを倒し、悠太も一人で行為をしたが、終えると、不安が再び彼を襲い、そのまま寝入った。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。