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「うっううん、別に良いケド…」
「ホント? 嬉しい! ありがとう! それじゃあこれからよろしくね!」
女の子は輝かんばかりの笑顔を浮かべると、校舎に向かって走って行った。
後に残されたわたしがポカーンとしていると…。
「あの変わり方はおかしいね」
「わあ!? あっアオイ!」
校舎の影から、アオイが出てきた。
「あのコ、何かあったのかな? 最近おとなしくなってたことは良かったと思ってたんだけど」
「…多分、コレのせいね」
わたしは自分のプレゼントの方の中身を取り出した。
「ああ、やっぱり…」
わたしのプレゼントは、六角水晶のペンダント。
本来ならクリスタルなので透明なハズだけど、今は真っ黒になっている。
「何、それ?」
アオイが水晶を見て、首を傾げた。
「アオイにプレゼントしようとした物。本当は透明なクリスタルだったんだけどね」
深く息を吐くと、わたしはペンダントを袋に入れた。
「…この水晶、実は特殊な物でね」
わたしはアオイに説明した。
この水晶には『気』が込められる。
わたしは水晶に、アオイを思う気持ちを『気』にして込めた。
そうすれば、このペンダントを身につけたアオイが万が一何か不幸が起こっても、この水晶が守ってくれるハズ…だった。
「定期的に『気』を入れなきゃいけないけど、ほとんど一緒に毎日いるし、良いプレゼントだと思ったんだけどね」
「でもそれは彼女の手に渡り、黒く染まってしまった。その意味は?」