4
それからというもの、悶々とした毎日を過ごす。
アオイとは学校が終わった後、家に帰ってからケータイで話すことしかできなくなった。
そのことが不満でもあるけど…問題は別にあった。
女の子がわたしから奪ったものについて。
あのコが言った通り、捨ててくれたなら問題はない。
だけど持ち続けていたらと思うと、気が気じゃなくなる。
何度かあのコに話しかけようとしても、無視される。
マズイ…!
あのプレゼントはあくまでも、渡すのがアオイだから購入したのだ。
アオイが持つのなら、害はないから。
でも他の人が持った場合、どうなるかが全然分からない。
それが不安を強くする。
だけどある日の朝、アオイに話しかけていた女の子がわたしを見るなり、目線をそらしながらも、
「おっおはよう…」
と、声をかけてくれた。
その後も、短いながらも声をかけてくれる。
これならいけるかな? と思ってわたしから声をかけようとしても、…それは不可能だった。
けれど彼女はだんだんアオイに近付くことを控えていった。
ファンクラブの会長だった彼女が控えれば、取り巻きの女の子達も控える。
だからアオイとわたしが一緒にいられる時間が、増えていった。
それはそれで良いんだけど…。
女の子の変化は、良いことなのだろうか?
それとも何かの前触れ?