幕間1
場所は王都です。
今回のアイオロス篇は王都を舞台にしております。
「しくじったな・・・・しかし、顔も素性もばれてはいない。余計な邪魔立てが入ったが、それも計画には支障がない程度だろう。」
黒ずくめの男が、建物の端で独り言をつぶやいていた。
大通りのすぐわきをいくつもの小道がつないでいく。
ここは、そう言った小道のひとつ。
さらに、建物の間を小さな小道がつないでいた。
男はその角にもたれるようにして、独り言をつぶやいている。
通りを歩く人々は、自らの営みに従事して、男の独り言など聞いていなかった。
それからも男のつぶやきは止まることを知らずに続いていた。
時折、その奇異な行動に顔を向ける人もいたが、帽子を目深にかぶった黒ずくめの人物に、誰もかかわろうとはしなかった。
そして、時間が駆け足のように駆け抜けていく中、男はゆっくりと独り言に満足したように頷くと、最後に一言つぶやいた。
「すべてはお前の手にかかっている。お前の運命も、そして弟もな。ふふふ。文字通りお前の手にな。」
そして男は歩き出して、もう一つの小道の中に消えていった。
その後すぐ、男がいた建物のわきの小道から、小さな人影が、起き上がると、男とは反対側の小道に消えていった。
実は作者はアイオロスも結構気に入ってます。
まあ、気に入ってない登場人物はいないのですが・・・・。
本編で語られるアイオロスはヘリオス君5歳の時ですでに59歳ですので、若い時の話です。
ただ、この世界の22歳はおっさんなのですが・・・。