迎撃準備
◇ 迎撃の準備 ◇
夕方になると、セラとその仲間に呼ばれて、近くにある飲食店にいった。
蜂蜜酒を飲みながら、夕方の新鮮野菜?を四人で抱ばる。
剣士と僧侶らしい。ファンタジーだ。
「お前が召喚された異世界人か?弱っちい感じだね」
「弱いのには変わりないけど……」
「こんな奴と一緒に行くのか?後は一人でやってもらうのがいいんじゃないか」
残酷だが正しい判断だと思う。
「ここで見捨てられても恨みはしないさ」
今まで、陶器の様に無表情だったセラが、僕の話に割り込んでくる。
「では、あなた方はそうしてください。私はこの方と共に帝都へ参ります」
セラがなぜか擁護してくれた。
ここでおいていけばいいのに……。
毒舌だが、根はやさしい娘なんだ。
「しかし、我々も遊びでやっているわけでは無い」
「……」
セラの無表情には、拒否を許さないそんな強さがあった。
「まあいい、勝手についてくればいい。それよりも、間もなくこの町の軍が動き出すようだ。強化剤が各部隊に配られているらしい。本国も戦力を整えるのに、数日足止めを依頼してきた。こちらの手伝いをしてほしい。異世界人の情報は、鳩にでも伝えてもらえ」
「了解しました」
セラは陶器の様な態度を変えない。
何時もは、軽口と毒舌しか儚いのに。
「そういう訳だ、邪魔伊達はするなよ」
戦士を名乗る男が睨みつけてくる。
「具体的な話はあとでアジトでする」
随分高圧的な人だな。
「じゃあ僕はここで、ご馳走様」
そう言って、席を外す。
何気に、会計は彼らに任せるという鬼畜の所業を自然と行った。
だって、お金ないし。
三人はアジトへ向かったらしい。
僕は、早めに寝て明日また社へ向かうつもりだ。
ベットは良い、またよく寝れそうだ。
――翌朝
巨大な爆発音で目を覚ます。
北門周辺で、煙が上がっている。
多くの宿泊客が目を覚ましたのか、木の窓が一斉に開く。
また、爆発音が聞こえる。
兵の駐屯地で何かが起きたようだ。
あいつらの仕業かな?
そんなのんきな事を考えながら、眠気眼をさすりながらぼんやり見ている。
随分派手にやるな。
また、爆発音がなる。
悲鳴が聞こえるようになってきた。
やりすぎだろいくらなんでも。
しかし、どうも様子がおかしい。
北門から爆発音が、広がっていく。
東や西でも煙が上がる。
【転移門】
北門へ飛ぶ。
「なっ!」
兵士が大勢血を流して倒れていた。
すでに絶命しているようだ。
動かない。
内乱か?
黒い影が飛んでくる。
それを避ける。飛んできたものを確認すると、血まみれの町人の様だ。
あいつらが、町人に手をだすとは考えにくい。
誰がこんな事をやっているんだ。
かなり危険な臭いがする。
昨日のチンピラの様にはいかないだろう。
「圧倒的に金が足りない!」
兵士が転がっている。
死体荒しとは神の所業ではないな。
「しかし、僕は悪神だ!この物品は、僕が簒奪する!」
鎧や剣、駐屯地にあるあるとあらゆるものに触れ、その所有権を主張する。
そして、それをマナに還元して、SPポイントを稼ぐ。
【レプリカ】《10000》
【打撃系】《500》取得
【ナックル】《500》
【シューズ】《500》
【棍】《500》解放。
【シューズ】《500》取得。
【打撃系・スキル添付】《500》
【シューズ・速度増加】《500》解放
【打撃系・スキル添付】《500》
【シューズ・速度増加】レベル1からMAX《27500》取得。
残りSP《5000》
死体から、物品を簒奪する悪魔の所業であろう。
兵舎に入ってみたが人が出払っているようだ。
武器・防具・食料などを次次を簒奪する。
武器とブーツの作成に価値のある品として、マナにどんどん還元していく。
刀身が80センチ、両刃、属性は土レベル5、攻撃力15増加、耐久度5増加、攻撃速度25%増加、クリティカル率15%増加、鉄。
ブーツ、革、俊敏力25増加、耐久度5増加。
さあ、準備は整った。