093 ダリルさんとの話し合い②
疲れた・・・脳内でキャラが暴走して話を広げてくるんです。
設定とか整合性が合うか確認するのが一苦労ですが・・・もし何か整合性を欠く事実を見つけてもなま暖かい目で指摘する程度でお願いします。
第93話 ダリルさんとの話し合い②
『俺の存在が問題だ』そうダリルさんに告げられたが、何が問題なのかさっぱり判らんぞ!
まあ、国王派からすれば狙ってたサウスウッドの娘と仮にでも婚約してるんだし、目障りなのは確かだろうが・・・
「僕が邪魔って事?」
そう聞いてみたが・・・実態は全然違った物だった・・・
「逆です・・・皆さんはここ20年で成功した開拓事業がどれだけあるか承知していますか?」
突然の問いかけでもあり俺達にそんな知識はなく、ゴバックさんに自然と視線が集まったが・・・
「ば、馬鹿!俺がそんなこと判るかよ!こっちを見るな!!」
俺達の行動を見ていたダリルさんがため息をつきつつ・・・
「ここ20年で言うと、ウッド村と東の領主町と王都の間にもう1つ集落が出来ただけなんですよ・・・判りますか?20年で2件・・・しかも1件は村ではなく集落です。まあ、その集落にしても規模が小さいので自給が出来ていると言うだけで・・・村の規模で言うと成功例はウッド村のみ・・・」
「そのウッド村にしても村の規模まで拡張するのに約5年、自給体制が出来るまでさらに5年で10年以上掛かった計画なんですがね・・・」
「さっぱり話が見えてこないんですが・・・何が言いたいのですか?」
「アレン君・・・君のアイデアで始まった大魚亭周辺と海の開発・・・何年かかってるか判りますか?」
「んっと・・・大魚亭が3年目?海が2年目だっけ?」
「そんなもんじゃねえ?」
ケント方に確認するようにように顔を向けると素で答えてきた・・・が・・・
「つまりは実質2年で大魚亭の周辺はアノにぎわいで、海についても今年か来年ぐらいには自給できる集落が出来るって事が異常なんですよ!」
「いや・・・異常とか言われても・・・」
「言葉が悪いなら言い直しても良いですが・・・ウッド村もそうですが・・・サウスウッド領が今好景気なのもアレン君のアイデアに寄るところが大きく、特にこちらから麦を運んでウッド村から米を持ってきていたのが、より高値で取引される商品を運べるようになったのが大きいのです。」
「今度お店で出す予定のお茶類もそうですが・・・肉や毛皮、魚に貝類・・・昆布でしたっけ?海草類や魚節とか言うのもかなり人気商品ですから・・・」
まあ、そんな感じで1時間以上もいかに今が良い状況で・・・それを利用するのは当然で、少しぐらいの無理ならここで踏ん張って実行に移すべきだって話をされたんだけど・・・俺に関係があるのか?
確かに・・・俺は色々意見も言ったし年の割に苦労もしてるけど・・・拠点整備とか村の寄り合いでの決定だし、繁盛してる大魚亭だって親父が暴走したせいじゃなかったか?
イケスのアイデアを出したり炭焼きの料理を作ったり・・・最近じゃ陶芸とかにも手を出したけど・・・俺の意見なんてそんなに凄いもんじゃないと思うんだが・・・
つうか・・・ここ20年ほどで開発・開拓の成功例がほとんどウチの村だけって・・・この国、やばいんじゃないか?
そんなことを思いながら色々聞いたら・・・王様の焦りもそれが原因というか・・・北の方はほとんど独立した状態で、東と西も結構まずいらしい・・・東は鉱石などの鉱山業が発達してきて、西は林業らしいが・・・中央部の穀倉地帯を押さえてるからまだ独立まではさせてないけど・・・馬鹿貴族どもによる関係の悪化もあって状況悪化の真っ最中って言うのが現状らしいんだよね・・・
でもさ・・・そんな状況で食糧の自給率を引き上げたりしたらまずくない?だって、求心力を失いつつある中まだかろうじて国として纏まってるのって食料を押さえてるからでしょ?
成る程・・・それで一気に開発をする訳か・・・幸いというか、大魚亭の開発を見て食糧自給率まで考えていない国王派がこっちの移住者を使った開発に協力的らしいし、勝負に出たって感じなんだろうか?
しばらくそんな感じで話していたけど・・・人間生きていれば腹は減る訳で・・・昼の時間になり領主館で昼飯を御馳走になったけど・・・まさか名目上の婚約者が出てくるとは思わなかったよ!
普通に食堂に通されて・・・なぜかそこにちょこんと女の子とウチのミーアより小さい幼児が居て・・・『アレ?』って思ってたら、領主の娘達で・・・上の子がエミリア・サウスウッド・・・領主の長女で俺の婚約者、下の子がリルベール・サウスウッド領主の次女でギリの妹予定らしい・・・
なぜ一緒に飯を喰うのか判らないので理由を聞こうとダリルさんを見ていたら・・・
「ようこそサウスウッド家へ!あいにくと当主は不在ですが・・・皆さんが当領地の開発のために来て頂いていることは父からも聞いておりますし、本日当館においで下さっていると聞き又時間も時間でしたのでせめてお食事でもと思いご用意させて頂きました。
急なこと故、大したおもてなしも出来ませんが・・・作法など気になさらずごゆるりとおくつろぎ頂ければ幸いです。」
「あ!申し遅れましたが・・・私は当家長女のエミリア・サウスウッド・・・横にいるのが次女でリルベール・サウスウッドと申します。さあ皆様、料理が冷めないうちにどうぞ・・・」
(むう・・・ずいぶんキチンとしてる子だな・・・本当にアノ領主の子か?)
まあ、コウ丁寧に挨拶されては仕方がないし・・・すでに準備された昼食も気になったので、俺達はそれぞれ軽く挨拶と自己紹介をして席に着いたのだが・・・
失敗だったね!作法とか気にするなとか言われたけど・・・気になる物は気になるし・・・
(ゴバックさんは平気そうだったけど・・・)
量がね・・・絶望的に足りん!コース料理のように料理が次々と運ばれてきたんだが、盛りつけや細かい飾りは本当にきれいなんだけど・・・ハッキリ言うと、普段一口で喰う分量をひと皿で出されてもな・・・いくら綺麗で美味い飯でも・・・俺とケントは特に育ち盛りの身体が量を求めてる。
ま、出された飯に文句を付けるほど非常識な人はメンバーにいなかったので・・・全員おとなしく飯を喰ったが・・・
(後でおやつでも多めに喰うか・・・)
そう言えば・・・娘の話は聞いていたけど・・・奥さんはどうしたんだ?疑問には思ったがその場で聞かないで良かった・・・
昼食の後、再び応接室で話を続けていた時に初めて知ったのだが・・・
「え!亡くなったんですか?」
「えぇ・・・リルベール様をお産みになった後で・・・元々あまり丈夫な方ではなかったのですが・・・サピオ様もエミリア様も大変悲しまれて・・・当時のお嘆きようは見ていて辛かったです。」
(成る程・・・結構苦労してるんだな・・・だからあんなにしっかりしてるのか?)
「何だか申し訳ないことを聞いてしまいましたか・・・」
「いえ・・・もっと早くお教えするべき事でしたが・・・てっきりもうご存じかと・・・」
確かに・・・一応親戚だし、自分の住んでる地域の領主のお家事情だから知っていてもおかしくはないが・・・ここに来て領主関連の情報を嫌い、全然聞いていなかったことがまずいことになったな・・・まあ、最悪の状況で聞かなかっただけラッキーと思っておくか・・・
とりあえず残っていた話し合いで、せっかく経験のある人材を早期に雇用すること・・・基本設計は一応用意してあったが、思いがけず広い土地に建てることを決めたため・・・手直ししてから後日渡すことを確認してその日の話し合いは終わった。
「アレン・・・この後は宿に帰るだけか?」
領主館を退出して、門を出たところでケントから聞かれたが・・・
「そうだな・・・ゴバックさん、この後って特に何もなかったですよね?」
「ん?まあ、宿に帰って夕飯を食うぐらいしか無いな・・・」
「じゃあ・・・僕とケントはちょっと町を見て回ってから帰ることにします。良いですよね?」
「ま、飯に遅れないようにすれば特にかまわんぞ!どうやら狙われても居ないようだし・・・」
繁華街を通りがかったところで送りの馬車から降りて商店をぶらぶら見ようと思ったが、領主の馬車から降りた俺達は結構目立ったみたいだ・・・
「ケント・・・どこかで適当に何か少し喰わないか?」
「賛成、賛成!飯が足りなくてよ・・・夕飯まで持たないと思ってたんだよね~」
そんなことを話しながらそこそこにぎわってる店を冷やかしつつ食い物を探していたら・・・
『ドン』・・・ちんぴら風の兄ちゃんにぶつかって、路地裏に連れ込まれました。
まあ、領主館に行くんだし・・・俺もケントも武装をしておらずそこそこ良い服を着ていたので・・・
「ぶつかって挨拶無しとはどういう事だ!誠意を見せろ誠意を!」
馬鹿に絡まれてカツ上げされ掛かってるんわけですが・・・
どこからともなく4~5人のチンピラ風の男が集まってきちゃったな~
「なあ、ケント・・・今日って厄日か?」
「知るか!厄日だって言うならアレンの方だろ・・・俺は巻き込まれただけだ!」
「コレ、どうする?」
「何をごちゃごちゃと・・・さっさと出す物を出せよ!」
俺とケントがのんびり会話してるもんだから焦ったのか、チンピラ風の男が割って入ってきたが・・・
「ん~面倒だし・・・殺さない程度にやっちゃうか?」
「そうだな・・・死ななきゃ良いよね?」
俺達の会話を聞いたらしいチンピラ風の男達が手に手に短剣やナイフを出してきた。
とりあえず・・・明日の更新分は書けてます。
定時更新をお待ち下さい・・・




