090 意外な出会い③
なんとか更新・・・
第90話 意外な出会い③
「さてと・・・今日ここに来た本題というか・・・目的なんですが・・・」
「何でしょう?有る程度なら何とかなると思いますが・・・」
さすが商人・・・俺が本題にはいると目つきが変わりニコニコしてるのは変わらないが目だけは真剣になってる・・・
「いや・・・そんなに大した事じゃないんですが・・・少しお茶とか飲み物やお菓子を譲って頂こうかと・・・」
「ほう・・・お茶にお菓子ですか・・・」
「あ!個人的に食べる分ですので高級品などではなく、普通の品で・・・種類が多いと嬉しいです。」
「なるほど、そう言うことでしたら・・・お~い誰か!」
店の奥に向かって店員を呼び・・・出てきた店員を見て・・・
「アレンさんにウチで扱ってるお茶とお菓子を説明して、商談の練習をさせていただけ!・・・アレンさん、こいつはウチの息子でロイドと言います。以後お見知りおきを・・・」
「ロイド・ザットリーです。宜しくお願いいたしますアレン様・・・」
(ん~何で俺は訓練に参加することになっていて・・・断るとまずそうな雰囲気なんだ?)
まあ、良いんだけど・・・たぶんザットリーさん(親父の方)は・・・息子の訓練・取引の様子や流れを見て俺の実力か人物の把握・将来的に息子が継ぐか担当になるウッド村でのコネ作り・・・いくつかを纏めて同時進行させる手で来たって事だろう・・・さすが御用商人・・・抜け目ないよな~
「コレはご丁寧にどうも・・・私はウッド村狩猟団のアレン・ウッドです。こちらこそ宜しくお願いいたします。」
俺はちょっとばかり丁寧な挨拶をして、その場の雰囲気を探ってみたが・・・反応したのは親父さんの方だけ・・・息子のロイドさん?(年は兄さんと同じぐらい?俺よりちょっと上っぽい)は、まったく反応が返ってこないな・・・
「本日は当商会でお茶やお菓子のお取引を希望されてるとのことですが・・・どのような物をお求めでしょう?」
「まあ・・・個人的に飲んだり食べたりするもので、量はあまり必要ないが沢山の種類が有れば嬉しいって感じかな?」
正直なところ・・・こんな訓練につきあうのは面倒だが、店主が息子の訓練を手伝ってくれって言うんだし・・・割引とかおまけが期待できそうだし・・・交渉相手としては店主よりも楽な相手だろうからな~こっちにもメリットがない訳じゃない・・・
「ご予算はお決まりですか?」
「まあ、個人で買う物だし・・・あまり高額な物は必要ないけど・・・美味しい物なら少量でも良ければ買う気はあるよ!」
「かしこまりました。今ご用意いたしますので少々お待ち頂けますよう・・・」
俺がうなずいて承諾すると、それを見たロイドさんは店の奥に消えザットリーさんと俺が商談用の小部屋に残された訳だが・・・
「少しケントの様子を見に行きたいのですが・・・席を外してもかまいませんか?」
「あ!コレは失礼を・・・ぬいぐるみの商談をしてそのまま次の商談になってしまいましたからね・・・どうぞ!・・・こちらの用意が調いましたらお呼びしますので・・・」
「ありがとうございます。」
俺がザットリーさんと商談をしていた小部屋から店頭に戻ると・・・
「ずいぶん遅かったな~良い物って何だったんだ?」
「ん?お土産用の高級ぬいぐるみ・・・」
「へぇ?ぬいぐるみ?」
「あぁ・・・領主の娘に贈るのに良いだろうって・・・」
「うっくっくぅ・・・な、成る程ね!そう言うことだったのか・・・うっくっく・・・」
「笑うな!・・・確かに凄く良い品だったぞ・・・」
「んで・・・贈るの?」
「ん~その話はここじゃ・・・宿に帰ってから詳しく話す。」
「んじゃあ、もう用事は終わりか?何か買うのに来たって思ったけど・・・」
「いや、今用意して貰ってるから準備が出来たら呼びに来るはず・・・」
「そっか~んじゃあ、俺はちょっと他の店も覗いてくる!」
「了解!そんなに時間は掛からないと思うけど・・・何軒か覗いたら一端こっちに来てくれ!」
「あいよ~んじゃあ、行ってくる!」
ケントが店から出て行ったのを見ていると、ちょうど準備が出来たのであろうか・・・俺を呼ぶ声で振り向いた。
「お待たせいたしましたアレン様、こちらが当店で取り扱っているお茶とお菓子になります。」
俺を呼びに来たロイズさんが、商談用の小部屋・・・そのテーブルに小さな木のカップと木の小皿を沢山並べた状態でそう言った。
どうやら小さなカップにはお茶が・・・小皿にはひとつまみほどのお菓子が乗っており試食用らしい・・・
(へ~試食なんてさせてくれるんだ・・・)
「結構種類がありますね~試して見ても良いですか?」
「はい、そのためにご用意しましたので・・・一応ウチは卸ですので購入単位は通常1kgが基本になりますが、父からアレン様には100g単位でおわけして良いと言われてますので、どれを選んでもあまり高額にはならないと思いますよ」
(おぉ!そりゃ~ラッキーだ!)
俺は用意されていたお茶やお菓子を充分味わって試食していく・・・
「コレは良いかも・・・すっきりとした感じで・・・」
「コレは・・・ちょっと赤っぽい色なので躊躇ったけど、香りが素晴らしい・・・」
「こっちのお菓子は・・・口溶けが良いですね~」
とりあえずドンドン試していき、お茶を5種・お菓子を3種選び出すと・・・
「今日はとりあえずコレを・・・こっちのお茶とこのお菓子は1kgでおいくらですか?あと・・・こっとのお茶とお菓子は100gでおいくらでしょう?」
俺が1kg単位で買おうとしたお茶はミント系なのだろうか・・・さわやかな清涼感が鼻から抜けていく感じがして、夏に飲んだら美味しいんじゃないかと思い店で出すことも視野に入れて購入を決めたが、お菓子の方はスポンジ生地にさまざまな木の実を混ぜてあるケーキというかカステラというか・・・まあ、お茶に合いそうなので選んだ・・・残りのお茶も飲み慣れた感じのする物や香りが良かった物を選んだし、普通のクッキーも選んだ・・・
ロイドさんと何度かやりとりをして、俺は結局・・・銀貨10枚分のお茶やお菓子を購入することになったが・・・どう考えても割引分が大きい・・・普通に小売りで買ったら銀貨15枚は確実に飛んでいくだろう量だ!
「ずいぶん割引して貰ったようですが・・・」
「まあ、ウチは基本卸ですので・・・それほど高額にはしていませんし・・・今回は顔つなぎの意味も込めて値引きさせて頂きました。」
「そうですか・・・コレは今後ここ以外では買えませんね~領主町で買い物をする時は今後もこちらを利用させて頂きます。」
「それはそれは・・・ありがとうございます。お店の方がオープンした時も是非に・・・」
あぁ~やっぱりか・・・ずいぶん安くなって原価割れしてるんじゃ?って疑ったけど・・・すでに領主が出すお店の情報も掴んでたので、その計画に俺がかかわってるか・・・一応領主の親戚だし、娘の婚約者だから売り込みをしていたのね・・・
「はい、御領主様にもこちらのお店で扱ってるお茶やお菓子の品質の高さと値段の安さはキチンとお伝えしておきますね~」
「宜しくお願いいたします。」
商談用の小部屋を出て店の前に戻ったが・・・ケントはまだ戻っておらず、少し待ったが戻ってこないので探しに行こうか迷っていると・・・
「お~い、アレンこっちこっち・・・」
ケントが俺を呼んでる声が聞こえ、きょろきょろと辺りを見回すと・・・通りを渡った角でケントが呼んでいるのが見えた。
「どうしたんだ?何か良い物でもあったのか?」
急いで通りを渡り、ケントの側に付いた俺がそう聞くと・・・
「いや・・・そこの雑貨屋に面白そうな物があるんだよ!こっちこっち・・・」
俺はケントに手を引かれ少し離れたその店にはいると・・・
「ん~コレは雑貨屋と言うよりおもちゃ屋?」
俺がその店で見たのは『竹とんぼ』や『ベーゴマ』、『凧』に『フラフープ』・・・日本の物だったおもちゃや色々なおもちゃが所狭しと並べられた小さな店だった・・・
「なんだかこう、ワクワクしないか?」
「ん~まあ、確かに面白いと思うけど・・・おもちゃだしな・・・」
「そう言うなって!こういった物から何か使い道が考えつく物があるかもしれないだろ?」
(成る程・・・発想の転換か・・・暇つぶし用にも使えるし・・・)
ケントからの提案で俺も思うところがあり、一緒になっておもちゃの品定めを始めた。
「ふむ・・・凧ね・・・大凧に乗って空からとか聞いた記憶はあるけど、実際には無理だろうし・・・」
「こんな仕掛けじゃ大型化も無理だし、意味がないよな~」
俺は凧を手に取った後、ゼンマイでくるくる動く獣らしき動物に乗った小さな人形を見ていたが・・・『ピン』っと来るものがない・・・
しかし、精密な機械はまだ理解できるけど・・・竹とんぼとか普通のおもちゃも村で見た記憶がないな・・・露店でも売ってなかったし・・・
そんなことを考えながらおもちゃをあさっていると・・・
現状・・・ストックゼロ><全然書けません
終の見えない状況に別ネタをせこせこ書いたり・・・逃げの状態です。
あ~明日は本気で人物紹介になるかも・・・




