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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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008 出発・・・初めての狩り!

第8話 出発・・・初めての狩り!


出発の日俺と親父は母さんに弁当を作ってもらい、村の北にある門の前に集合した。まあ、どこの村でも同じ感じらしいがこの村の南北にはそれぞれ丈夫な門があり、村は3mほどの城壁と結構深い2mほどの堀に囲まれている。

うちの家は元々開拓団の宿舎というか本部だったこともあり同じように城壁に囲まれ昔は村の穀物倉庫だった建物なんかが今でも残っていて緊急時には村民の避難場所にもなっているので見慣れてると言えば見慣れた光景だな・・・堀はないけどね~

初めての狩りでワクワクした気分で集合を待っているとだんだん人が集まってきた・・・


「アレン、おはよう!」「おはよう」

猟師のゴバックさんとゴバックさんの息子ケントも集合場所に現れた・・・


「おはようございますゴバックさん、ケント君」

ケント君は誕生日前だから9歳だけどもうすぐ10歳で俺と同じ年・・・俺より背は低いががっしりした体格で小さめの皮鎧と安全ヘルメット、短弓を身につけ腰の所に短剣をつり下げている。

ゴバックさんが大人の集団の方に挨拶に向かったので俺とケントは気軽な口調に変え話し始める。


「久しぶりケント・・・短弓なんだ、良いな~」


「ん?これか・・・まあ、猟師の息子だからな・・・」


「俺は訓練で使ってみたけど全然当たらなくてな~クロスボウは一応的に当たるからこっちにしなさいって父さんに言われてな~」

「正直、武器としてなら連射の効く短弓の方が良かったんだけど・・・」


「まあ、弓は当たってなんぼだからな~それより結構様になった格好じゃないか!」


俺の格好はフル装備!陣笠(面倒なので今後は記憶にある似たような名前で全部言おう!)に胴鎧、ツナギ(肩・腕・手・足に軽いけど堅い棒のような物を仕込んで結構防御力が高そう)野戦用ブーツ(革製で足首の上の方までしっかりガード)に腰に付けた短刀・背中にクロスボウを背負っている。


「ところでアレンの荷物は村長が持ってるのか?」


背中にリュックサックを背負ったケントが聞いてくるが俺は・・・


「へっへっへ・・・これこれ」

俺は新しい想念法の念具である腕輪を見せて自慢げに言った。


「想念法が使えるようになったから自分の荷物は自分の空間に入れてあるんだ~」


「おお!!やっぱ「闇と時空」の自在空間はいいよな~」

「俺は風系と土系だから想念具を使っても小物ぐらいしか入らないからな~一応予備の矢を収納してあるけど・・・荷物が少ないとすぐに動けるし便利だよな~」


「まあ、自分の荷物ぐらいなら威階が上がれば入れられるようになるからそれまでは我慢だな」

「それにケントは風系と土系の想念法が使えるけど、俺や親父はこれだけだからな~他の系統はやっぱり半減だし厳しいかもな~」


「まあ、そう言うなって!個人で探索者や狩りをするならともかく集団での狩りだとみんなで補い合ってやるもんだし、そんなときに「闇と時空」に特化した人は凄く頼りにされるんだぞ!」


「まあ、そうだな・・・」


『お~い、みんな集まってくれ~』


「あ!集合みたいだ、行こう」「おう」


俺とケントは大人達が集まっている方に走って集合した。



『それじゃあ今回の編成だけど、大人が20人に子供が4人の総勢24人で目的地は北の荒野と街道沿いの森に仕掛けてある罠の確認がメインで、行きと帰りで4日間の予定だ!子供はそれぞれ親が面倒を見るのが基本だが、気が付いたことがあったらドンドン指導するように・・・とりあえずこんな所だな~』


『んじゃあ、馬と馬車にそれぞれ乗り込んで出発するとするか~』


大人の6人が馬に乗り残りのメンバーが馬車に乗り込むが、違和感が凄い・・・

馬車は馬6頭で牽引する多頭引き?なのだが、普通に見れば子供混じりで荷物抜きでも18人乗るのはとても無理って感じの外観だ・・・

まあ、乗ってみれば判るがこの馬車も「闇と時空」の想念法を利用して馬車内部の空間が拡張され荷物いっぱいの20人ほどが乗っても余裕がある作りになっている。


今のところ俺にはどうやっているのかまで判らないが、親父に聞いた話だと開拓団結成の時に領主のサピオさんの家で余っていたのを貰ってきたらしい、年代物で今ではもう少し広い物があるそうだけど基本的に自在空間には生物を入れられないので結構技術的に難しい貴重品らしい・・・


俺も馬車に乗り込んで自分の場所を確保しようと思ったら御者の石にいた親父に隣に座るように呼ばれた。


『んじゃあ、出発だ!』『アレンも横でたづなの使い方をよく見て覚えておきなさい』


「はい、判りました」


門番をしている自警団の人に挨拶して狩り場へと向かった。

門を出てもしばらくは見慣れた畑と田んぼが続いている・・・

一応木の柵や塀で囲われているけれど、村の中に比べると頼りない感じだな~1時間ほど過ぎて景色が街道と荒野に変わりさらに4時間ほど街道を進むと昼の休憩になった。


俺は親父が隊長なのでゴバックさんとケントと3人ほかの子は親と2人で組んで、休憩所の近くの森に薪用の木を集めに入った・・・


「こんなに遠くまで初めて来たけど・・・ちゃんと休憩する場所って準備されてるんですね~」


『ああ、アレンもケントも初めてだから知らんだろうが・・・街道(村と町や王都を結ぶ道)には大抵、馬車で5~6時間ぐらいの場所に休憩や野営の拠点となる比較的安全な場所が用意されてるんだ』

『栄えてる町と町の間にある街道の拠点だとそこから発展して村になっていたり、新しい町が出来ることだって有ったらしい・・・』

『まあ、俺たちの村は御領主様の町まで1週間、王都までだと2週間近く移動に時間がかかるからな~』


『まあ、定期便の獣車だと半分ぐらいになるが・・・それでもやっぱり遠いな~』


「それだけ離れていれば兄さんがほとんど帰ってこられないのも判るな~」


「まあ、ココは辺境だからな・・・お!そこの木は良い薪になるぞ、拾っておいてくれ・・・」


「はい、自在空間にはまだ余裕があるから入れておくね~」


『そういやアレンは、自在空間が使えたんだったな~じゃあ悪いけど休息か野営の拠点まで入れておいてくれ、だが無理はするなよ!』


こうして薪を集めた後拠点に戻ったが・・・やっぱり、休息拠点て便利だよな~


石作りで1mぐらいの高さの壁が一辺40mぐらいにぐるりと囲んでその上に2mぐらいの丸太で塀が乗っていて、見張り台の付いた石壁の小屋に井戸と簡単な調理が出来るかまどがあって20人ぐらいなら雑魚寝できそうな部屋がある。まあ、風呂やトイレまではないが屋根のあるところで寝られるのはありがたいよな~


昼の弁当と暖かいスープを食べお茶を飲んで休憩した後、休息拠点を後にして今晩の野営予定である次の拠点を目指した。


何事もなく夕方には次の休息拠点に到着し野営のため昼より多く薪や焚き付けに使えそうな木を集めたが、野営用の拠点は最初の休息拠点より少しだけ設備が整っていた。


まずは、20頭ほどの馬をつないでおけそうな馬小屋と3台ぐらいなら馬車が入れられる馬車小屋?・・・相変わらず風呂はないけど床の土に穴が掘ってあり移動可能な小さな小屋って言うか囲いと屋根があるトイレ、井戸は1つだけど倍の4個有るかまど・・・少し広くなって30人ぐらいが雑魚寝できそうな部屋・・・


昼と同じようにゴバックさんとケントの3人で組んで薪拾いに行ったときに聞いてみると、街道にある拠点は町や村・休憩用拠点・野営用拠点・休憩用拠点・野営用拠点・休憩用拠点って感じで次の町や村まで続いているって話だった・・・


保存用の堅いパンをスープに浸して簡単に夕食をすませると経験を積ませるためって事で親と子供が組んで見張りに立った・・・


見張りをするときには一点を見つめるんじゃなく視線を流して見るとか、異常を感じたら間違いを恐れず報告するとか見張り番の心得の親父から教わり、夜から朝の見張り番を大人の組と交代して雑魚寝部屋に戻ると俺も親父も自分の空間から毛布を取り出してぐっすりと寝た・・・


朝になって目を覚まし、身支度を調えて夕食とかわりばえのない朝食を取り荒野に仕掛けた罠を留守番組6人を残して見て回ったが、落とし穴の罠とロープを使った罠に「ホーンラビット」と呼ばれる大型のウサギが30羽ほどかかっていただけで、魔と呼ばれる存在や大型の肉食獣はかかっていなかった。


俺やケントと他の2人の子供は、経験を積むため罠にかかっていたホーンラビットを弓やクロスボウを使ってとどめを刺す練習をしたり、血抜きや皮のはぎ取りなど解体法を教えて貰った。


結構抵抗があるかと思ったが・・・アレンの経験として、子供の時から村で鶏をしめたり解体を手伝っていたので多少抵抗を感じただけでごく普通に覚えることが出来た。(ちょっと安心)


夕方前に昨日と同じ野営拠点に戻ったら親父達、大人組につれられて拠点の裏手にある川に釣りと風呂に行った!


無いと思ってた風呂だが・・・川のすぐそばに石組みの浴槽があり湯船を掃除した後に水を入れたき火で熱した石を入れるか、想念法の火の系統を使って沸かすと使えるらしい・・・


川での釣りはまずまずの成果で、人擦れしていないせいかマスやイワナのような魚が入れ食いで・・・交代で風呂に入った後、今日捕ったホーンラビットの肉と釣った魚をみんなで串焼きにして美味しく食べたが、どこから取り出したのか親父達は少しお酒を飲んでいた。


まあ、酔っぱらうほど飲んでいた訳じゃないし見張り番もちゃんとやっていたみたいだから馴れてるんだろうな~


釣りが結構楽しかったので、村に帰って時間があったら釣りに行くことをケントと約束して俺たち子供組は早々に雑魚寝部屋に戻って毛布にくるまり眠りについた。


アレン君・・・初めてとか言ってますが・・・実は・・・

まあ、話が進めば判りますので今後とも宜しくお願いいたします。

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