081 前途多難な冬③
金・土・日の3話更新・・・失敗しまして・・・
今後はしばらく毎日更新だけでも何とかしようと考え中です。
第81話 前途多難の冬③
俺達の企画書を念入りに見た後・・・サピオさんから資金提供の話が出て・・・ココまでは予想していたが、領主町と王都での新店舗開店を企画を含め全部丸投げされるとは思っていなかったよ!
「うぐ・・・やはり資金提供で軟化したのがバレバレだったのか?」
大魚亭で朝食を取って、親父に企画書を出しながら領主の資金提供と・・・その条件としての新店舗のプロデュース依頼の話をすることになり、自分は関係ないと思ったのか・・・
「でかした!コレで資金的にも余裕が出来るし・・・良くやったアレン!!」
なんて喜んでる親父に・・・イヤだとか言えない雰囲気だったんだよね・・・
とりあえず交渉して・・・王都の方は俺が行かなくても良いようにしないと・・・つうか、チェーン店というかグループでやってくなら有る程度規格を決めて同一のサービスを提供できるように考えれば・・・何とかなりそうだしな・・・
まあ、その後色々考えたり・・・企画会議に佐藤シェフを引きずり込んだり・・・領主に俺の考えを話して何とか認めさせたりと、メチャメチャ忙しかったのだが・・・有る程度企画が固まったので寄り合いで発表することになった。
「え~っと・・・皆さんもうご存じのことだと思いますが・・・春から行う予定の大魚亭周辺及び海の集落の開発に、当地領主様・・・サウスウッド家から資金提供を受ける条件として、サウスウッド家が行う王都と領主町での新店舗開店を全て引き受けることになり・・・今日はその企画原案を発表いたします。」
「なお・・・開店の資金及び人材面では領主様が全て用意されており、人材は新年から大魚亭で研修を受けて貰っています。」
「一応・・・今回の企画では、王都の店も領主町の店も同じサービスを提供する姉妹店と言うことになっていますので・・・領主町に作る店の分だけ発表しますのでお間違いの内容お願いいたします。」
「では・・・発表します。」
①領主町に用意された店舗を改装して軽食及び喫茶を提供する店を開店させる。
②店舗名は『領主の隠れ家』とし現在研修中の店員と新規雇用の店員で開店する。
③新店舗での決まりは、店員に制服を支給しその姿での給仕をして貰うこと・・・全店舗で同一のサービスとメニューで営業すること・・・
④店舗で販売予定の商品は、軽食として『ハンバーガー』『サンドイッチ』『ホットドッグ』の3種をメインにバリエーションを持たせ、『ケーキ』『クッキー』『パイ』の3種のお菓子をさまざまなバリエーションで季節感を演出して提供します。
また、喫茶メニューは『ハーブティー』『果汁のジュース』『タンポポコーヒー』『笹茶』『麦茶』『昆布茶』で、ハーブティーと果汁のジュースは色々な種類を提供する予定です。
⑤具体的な配置や構成は実際に領主様が用意した店舗を確認後になりますが・・・30~50人程度入れるお店でカウンターを5~10人座れるお店とし・・・1名様から4~6人のお客様まで対応可能な店を目指しますのでご協力をお願いします。
「では・・・ご質問・ご提案が有れば発言をお願いします。」
何とか纏めた企画だったが・・・やっと発表することが出来、少しだけ肩の荷が下りた気がしたが・・・
「その・・・支給する制服って、どんな感じなんだ?」
「販売予定のメニューって確認できるのか?」
「領主様はいつまでに開店を求めてるんだ?」
次々と質問が飛び出し・・・
「制服については服屋さんに注文済みですので、試作が完成次第発表になります・・・デザインのみで良ければこちらをご覧下さい」
「販売予定のメニューは大魚亭で佐藤シェフが考えていますので・・・気になる方は大魚亭でどうぞ・・・」
「領主様は開店期日を具体的には仰っていませんが、春をご希望ですので・・・遅くとも6月前にはオープン予定です。」
(何とか答えていくが・・・やっぱこうした仕事は精神が疲れるな~)
その後も質疑応答が続いたが・・・何とか纏めて第一関門クリアーって感じだろうか?
数日後、兄さんの帰還に便乗というか領主町まで同行して・・・獣車で領主町に用意された店舗の候補地を視察することになった。
「すげ~~~!メッチャ早いぞ~~!!」
隣に乗ったケントが興奮しまくって騒いでるが、乗り慣れてるのか兄さんは本を読んでいる・・・俺もちょっと興奮気味で浮かれてるが・・・ケントのようには騒げない・・・
(恥ずかしいからね・・・コレが人の振り見て我が振り直せってやつかな?)
ものすごい勢いで景色が飛んでいくが・・・意外なことに中は結構静かだし、揺れも少ない・・・やっぱり高いお金を取るだけのことはあるんだな~などと感心してしまった。
何度か休憩拠点や宿泊拠点でトイレ休憩した後、夕方になってウチの村から普通なら5日目の宿泊拠点で泊まり翌日の昼には領主町に着くそうだ・・・
順調にトイレ休憩を挟み昼にはウチの村から通常2日目の宿泊拠点で昼食になったが・・・単に弁当を食べるのみで調理してる人はおらず、一応火をたいてはいるがお茶と暖房用しか見かけられなかった。まあ・・・昼食は大抵って言うか弁当や保存食が基本らしいから、村の狩猟団の移動とはかなり勝手が違う・・・
今回旅に同行している狩猟団のメンバーは、俺・ケント・ゴバックさん・デッカーさん・ハリスさんの5人だ・・・ケントがどうやって紛れ込んだか知らないが、ゴバックさんは当然としても残りの2人もかなり腕がいい人なので何かあっても安心できるだろう・・・
「ん~薪が少し足りないな・・・裏に行って取ってきますね!」
「アレン一人に行かせるのもな・・・ハリス、一緒に行ってくれ!」
「了解!」
宿泊拠点の裏に行き、薪小屋から薪をいくらか取り出して拠点の中に戻り火にくべる・・・俺達がいつものようにコーヒーを入れ飲んでいると、香りに誘われ何人かが分けて欲しいと言ってきた。
(たぶん大魚亭のお客だった人だな・・・)
沢山あった訳ではないが、何杯もがぶ飲みするモノでもないので・・・『残ってる分で良ければ・・・』っと一言断ってから持参して貰った木のカップに少しぬるくなったコーヒーを注いであげた。
「気に入ったなら・・・たぶんサウスウッドの領主町と王都で、春にオープンするお店で買えるようになると思いますよ!」
忘れずに店や商品を宣伝する俺を見て、『アレンは交渉も上手いし・・・商人向きだったのか?』とか『だが・・・イケスとかパークゴルフに今度から始める店の企画も手がけてるし・・・』などの声が聞こえ、まさか悠々自適ののんびり生活が目標デスとも言う訳にもいかず・・・気恥ずかしい時間だった。
食事の後は予定道理に旅の行程が消化され・・・翌日の昼には領主町に到着したが・・・
「でかいな・・・」
「凄いな・・・」
俺もケントも想像以上の大きさだった・・・堀も塀も門も、ウチの村の2倍は大きいだろう・・・門のそばには結構行列が出来ていて、たぶん検問だろうが・・・俺達が乗った獣車はそのまま行列を抜き門の内にある検問に進んでいった。
「並ばないの?」
「アレン・・・この獣車が高いのは知ってるな?」
「あ!ゴバックさん・・・獣車が高いのは知ってるけど・・・」
「覚えておけ!世の中ではお金が信用になる場合があるんだ・・・獣車はただ早いから高いんじゃない!信用も高いんだ・・・だから今回のように少人数でも安全な旅が出来るんだ!」
「へぇ~そんな理由が有ったんだ・・・早いからたけえ訳じゃないのな・・・」
「お!ケントか・・・お前も覚えておけよ!」
「「了解!」」
検問での俺達のチェックは・・・あっという間に終わった!
自領の領民であり狩猟団メンバーでもある俺達は・・・言ってみれば警備をしてる自警団と兄弟組織だし・・・今回村から出るため、初めて貰った身分証明カード、首から提げていたカードを見せ確認用に念を流すとそこに浮かんできた文字を見た自警団が・・・
「お!アレン・ウッド、ウッド村狩猟団所属って・・・ダロイスさんの息子か!」
「え!ダロイスさんの息子?ウイリアム君じゃなく・・・次男坊か?」
「おぉ~次男坊も大きくなったんだな~」
などと・・・親父と俺の関係を1発で見抜いて、世間話を始めるぐらいだ・・・まあ、すぐに・・・
「何をやってる!まだまだ待ってる人も多いんだ!さっさと仕事をやりやがれ!!!」
「おう!アストン・・・久しぶり!」
「げ!ゴバックの旦那!・・・騒がしいと思ってきてみれば・・・あんた達かよ!」
まだ検査前だったゴバックさんが前に出て小隊長らしい人に話しかけると、検問をしていた自警団員も緊張してるようだ・・・
(さすがゴバックさん・・・領主町でも有名なんだ・・・)
「おう!どっかの馬鹿が・・・村に帰らず、領主町に永住するとか言って帰ってこないおかげで・・・いまだにこの老骨にむち打って引退も出来ず働いてるよ!」
(あ!・・・何か違うようだ・・・)
「いや・・・その話は・・・悪かったと思うけど・・・俺の気持ちは変わらないぜ!」
「まあ良い・・・さっさと仕事をしろ!ほれ・・・」
ゴバックさんが首から提げた身分証明カードに念を流し文字を浮かばせると・・・
「確認しなくたってあんたのは忘れやしないよ・・・ゴバックの旦那・・・」
「うるせぇい!自分の言ったことだ・・・手を抜かず確認しろや!」
何だか事情がありそうな会話だったが・・・俺達は無事に門を通って領主町に到着した。
とりあえず当面は毎日更新、20:00を更新時間として頑張って書いていきますね~




