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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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078 冬の訪れと研究の日々

第78話 冬の訪れと研究の日々


翌日の早朝・・・昨日の技術談義が深夜まで続いたのでかなり眠かったが、早起きをしたので眠そうなミーアや家族と一緒に兄さんとヘンリーさんを村の門で見送ってウチの村の収穫祭は終わった。


収穫祭の後片づけを2日掛かりで終わらせ、村の自警団で研修をする10人を除いた残りの移住者達と狩猟団のメンバー半数で大魚亭に向かい、まずはそれぞれの紹介と引き合わせの後で仕事の割り振りや研修内容・・・来年からの体制などを話し合っていたら・・・あっという間に雪が降って、12月になっていた。


調査を依頼した兄さんからの返事もフォード工房からの試作品も届いていなかったが、たぶん年末か新年ぐらいに兄さんが帰ってきたら判るだろう・・・海の集落には10人ほどの元漁師系技能保持移住者と6名の狩猟団メンバーが交代制で派遣され、海産物を狩猟団メンバーが交代する時に大魚亭に輸送してくる事に決まったし、村には建築の親方・・・アステルさんが他の職人仲間30人とその家族を連れて引っ越ししてきた。


まあ内諾というかすでに来る事は決まってたけど・・・連れてきた人が多かったのでどうしようかと思ってた村の首脳陣に・・・


「あん?住むところがないって!そんなの最初から判ってるよ!!しばらくは宿屋だが・・・すぐに家を建てるから場所を教えてくれれば問題ないって!」


などと言って・・・本当に2週間も掛からず全員の家を建てたらしい・・・後から聞いた話だと・・・


「水道も下水もきっちり有ったし、材料を持ってきて加工するだけなんだから当たり前だ!村の中だから警戒も必要ないし・・・建てた後の内装は冬の間に出来るから、春からの作業には問題がないぞ!」


こんな発言をして、その腕の良さと迅速な作業が村で評判になったそうだ・・・


俺の方は・・・大魚亭工房班に送ってあった白い石による焼き物が一応成功して、純白とはいかないまでも白い焼き物が出来たが・・・耐久性というか堅さに問題があり窯出しをしても、実用に耐えるモノがほとんど無い状態でさらなる研究が必要なようだ・・・

まあ、一応・・・大魚亭の工房班は焼き物系の技術者だし、そのうち何とかしてくれるだろう・・・リッタルさんも・・・


「とりあえず色は何とかなってるのですから・・・後は配合をどうするかだけです!これから数回、実験的な試作を行えばそれも判るでしょう」


って言ってたし、オルドアさん達にも協力して貰ったので耐熱石の生産がドンドン軌道に乗ってるから・・・村を出る前に商工会に申し込んだガラス生産の技術開示が上手く行けば、ガラス生産用の窯というか炉の方もすぐに作れるだろう・・・

(リッタルさん・・・頑張りすぎて倒れなければいいけど・・・)


相変わらず大魚亭には結構お客が来てるけど・・・ほとんど沖田さん達作業班のリーダーに任せておいて良いし、懸念していた分村長も元自警団組の夫婦2組にそれぞれ任せるらしいから一歩下がって相談役になった俺が動く事も少なくなり・・・この冬は色々な研究に時間が取れそうで何をしようか迷ってる。


そう言えばビックリしたのが、親父もチャリを買っていた事だ!こっちに来て乗り回してるのを見た時には・・・思わず自分の空間に入れてあったチャリを出して確認しちゃったぐらいだし・・・


「ん~色々知りたい事や研究したい候補も多すぎるな・・・やっぱ王都に行って学院にはいるか・・・資料を集めないと・・・フォード工房も見学してみたいし・・・」

「責任も軽くなったし・・・今がチャンスか?」


「何がチャンスだって?」


自室って言うか共同で使ってる丸太小屋の住人・・・ケントが突然後ろから声をかけてきて驚いたが、どうやら独り言を聞かれたらしい・・・


「いや・・・一度王都に行くか・・・学院に入ろうかな~って」


「王都ね~、んで・・・行って何をするんだ?」


「色々調べたい事も増えたし、見た事のない場所って行ってみたくならない?」

「まあ~そりゃ~見に行ってみたいってのは判るけどよ~アレンが行くと絶対に狙われぞ!」


「やっぱ、そう思う?実は俺もそんな気がしてるんだけど・・・」


「まあ、アレからは何もないが・・・王都って言えば貴族だって沢山居るだろうし・・・馬鹿も多いだろうからな~」


「ん~そうだよな~」


「ま!やっと人手が増えたところだし・・・後2~3年待って、俺達が成人して状況が落ち着いてからでも良いんじゃないか?」


意外とと言うか、常識的なケントの提案に(今回は無理そうだな・・・)俺はうなずく事しかできなかった・・・





それから新年までの1ヶ月ほどは特に何事も起こらなかった、まあ・・・アステルさん達が大魚亭を見に来たり・・・オルドアさんを誘ったのがアステルさんだったと判明し再会をお互いに祝う姿を見たりしたけど・・・俺は暇だったからね・・・

しかし・・・アステルさん達もオルドアさん達も、この辺に魔が出ない事を本気で驚いてるし喜んでるから王都ってやっぱり危険なのかね?ま~前に話したように何年か待てば沈静化するだろうし・・・又その時に考えればいいか!


今はそんな事より研究だ!俺は暇になったのを良いことに、ここのところずっと研究三昧だ・・・収穫祭で見た剣・・・アレに使ってあった制御式・・・どこかで見たような気がして調べてたら、俺の持ってる結界の研究に似たような制御式が書いてあるんだよね~

まあ、ざっと見ただけの剣の方の式・・・細部は忘れちゃったけど似てるって思うのは大本の部分というか中心部だ・・・

アレから色々考えたが、たぶんココが結界の大本というか空間制御に係わる部分なんだろう・・・まあ、大した知識を持ってない俺にはこれ以上調べるのは無理っぽいんだけどね~

一応兄さんに手紙で教えておこうかと思ったけど、どうせ地下時か来るだろうし・・・その時で良いか!

そのほかにも色々研究というか考えてることがあるんだけど・・・一番最初にしたのは拳銃というか短筒?の改造かな~元々が急いで作ったから火縄銃っぽいライフル?である銃の姿に似た寸詰まり感あふれる外観だったのだがそこにリボルバー式のシリンダーというかレンコンのようなモノが付いてるから・・・俺としてはものすごく違和感があるし、何とか知識にある拳銃の姿っぽくならないか構造を考えたり部品の設計をしたり、実際には撃てないけど土を固めた陶器もどきで部品を付くって組み立てとか動作を確認してたんだよね・・・

途中で思いついて水中銃もどきも作ってみたけど・・・かなり凶悪な気がする・・・短くした矢を発射するんだけど、弾と違って矢の存在感が大きく的に当ててたのを見た親父に取り上げられちゃったんだよね・・・子供が使うのは危ないからって・・・

(親父のヤツ自分で使うのに取り上げた訳じゃないよな?ま、使ってるのを見つけたら開発資金用に目一杯むしってやる!!)


ふう~一息つきたいところだし・・・そろそろ食堂に行ってコーヒーでも飲もうかな・・・

肉体的には全然疲れていないが、資料や本を読んだり気になったところをメモしたりアイデアを書き込んでいたためか精神的疲労感が強い・・・俺はこの疲労感を緩和してくれる癒しを求めて大魚亭の食堂に向かった。


「こう来たか・・・」


「何だい?何が来たんだい?」


精神的な癒しを求めて向かった大魚亭で俺を待っていたのは、精神的な疲労源というか迷惑きわまりない危険生物・・・領主だ!


収穫祭にも来なかったし・・・しばらく町でおとなしくしてるんじゃ・・・なんて期待してたけど、甘かったようだ・・・


「いえ・・・別に・・・」

俺は内心の葛藤を封じて対応したが、全然考えてないのか全てを計算してるのか・・・相変わらずな領主が目の前にいる。


「ア、アレン・・・」


領主の後ろには、俺に向かって『すまない!』っとばかりの顔つきでうなだれた感じと疲労感をにじませる兄さんに親父達・・・

俺は目で、『判ってる・・・天災だ、諦めよう』っと思いを込めて兄さんを見たら、ホットしたような感じがして少しだけ明るい表情が出てきた。

「ようこそ大魚亭へ!御領主様のおいでを従業員一同で歓迎対します。当施設は夏も良いですが、冬の穴釣りも非常に好評で・・・釣り上げた魚をそのばで天ぷらに料理するのが人気です。パークゴルフやプールなど一部の施設は冬季閉鎖中ですが夏とは違う魅力がございますので滞在をお楽しみ下さい。」


「ん~それそれ・・・楽しみだよね~」


「私は少し兄と打ち合わせがございますので・・・コレにて失礼させて・・・」


「今度はね~娘を連れてきたんだ~仲良くしてあげてね!」

(何ですと!娘って・・・形式的には俺の婚約者?)


「はあぁ・・・失礼します。」

「じゃあ、兄さんちょっと・・・父さんも来て!」


俺は足早にその場から離れ・・・厨房に向かった。ん?視界の端にきれいな衣装をまとった女の子がちらりと写る・・・

(ひょっとしてアレが・・・イヤ今は状況確認を優先しなきゃ!)

厨房に入り食事の仕込み中だった佐藤さんに一言断った後、奥の作業台に簡易椅子を出して状況の確認に取りかかった・・・


「アレン、すまない・・・」


「いや・・・兄さん、気にしなくて良いから・・・それでどんな状況なの?」


「それはわしの方から説明しよう・・・」


そう言って父さんが話し始め、状況がだんだん明らかになってきた・・・


事の始まりは王都で秋から行われていた税収の会議だったらしい、税収の会議は領主が一同に王都に集まり公共事業の決定や王国内での開発・法令などさまざまな議題を貴族会議で検討し、その利権が渦巻く凄まじいモノらしいけど・・・


ウチの領主は、その大事な会議を昨年すっぽかして・・・事情聴取を受けてたらしいのだが・・・

(何してるんだよ!ウチの領主・・・間違いなく収穫祭に来てたからだろう・・・)

まあ、会議自体は代理出席も認められてるし・・・緊急時には事後報告のみで・・・出席しなければ自領に不利な議題が出されても抵抗できないってデメリットがあるらしいけど・・・

一応領主町の他に複数の村を治めてる貴族らしいからその動向は探られていたらしい・・・

んで、ウチの村の開発や新規事業の視察って名目でこっちに来てた領主様・・・俺が襲われたこととか昔のことをねちねちと当事者達って言うか国王の腰巾着に嫌みを言ったらしいんだよね・・・

それで逆に俺に興味が集まったらしく・・・ご親切にも(当然嫌みだ)俺達に警告というか注意を促しに来たらしい・・・

(ノー!死亡フラグは断固拒否する!!)


どうにか3話更新・・・現状話のストックがゼロです。


ひょっとすると・・・有る程度書きためる間お休みをいただくかも・・・


最初の方の話しも手直ししたいし・・・


あ!一応書き方を変えてみた話が今回です。

表現法をコロコロ変えるのは良くはないと思いますが、実験作品と言うことでお許しを・・・こっちの方が読み易いでしょうか?


とりあえず頑張って書いて、間に合えば明日も更新します。

更新できない場合はお詫びを入れておきますので・・・次話がかけるようにお祈り下さい・・・でわでわ!

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