007 お買い物
第7話 お買い物
村の中心部にある市場と商店街?(まあ、村だけに店も少なく宿屋兼食堂・武器防具屋・道具屋・雑貨屋・食料品販売店・鍛冶屋・服屋・自警団本部って感じだけど・・・辺境なのに店は多い方じゃないかな?)
実は最悪、行商人しか居なかったらどうしようとか思ったときもあったが、そう考えた瞬間に村のお店構成を思い出したのでホッとしたんだけどね~商店街に着いた親父と俺はまずは武器防具店に入っていった。
『お~い、ダラット!居るか~』
「おう!どうした~」「お!村長か・・・何か用かい?」
『ああ、実は今度の狩りにうちのアレンも参加させるから「初級防護スーツ」を買おうと思ってな~』
「へ~アレン君ももうそんな年か~どれどれ・・・」
『ほれ、アレン見立ててもらえ』
「はい、お願いします。」
「それじゃあ、よっと・・・んで・・・こっちは・・・ふむふむ」
ダラットさんは俺の身体のあちこちを計測しだし、メモを取りながら仕事を進めていく・・・
「ん~今度の狩りって事は3日後だっけ?じゃあ急ぎだよな・・・」
「ちょっと待っててくれな・・・」
そう言って店の奥にダラットさんが消えると、少ししてツナギのような服を持って現れた。
「アレン君、ちょっとこれを着てみてくれ」
そう言われた俺は素直に持ってきてもらったツナギのような服(初級防護スーツ)を試着してみたが・・・
「ん~大体合ってるな・・・どうする村長?うちで手直しするなら2日は欲しいけど・・・自分の家でやるならこれで良いと思うが・・・」
『ああ、大丈夫だうちでやるからこのまま貰っていくよ!』
「ホイ、まいどあり~お代は銀貨2枚だけど今払うのか?それともつけておく?」
『今払っておくよ』
そう言って代金を払うとたたんで貰ったツナギを、ひょいっと開いた自分の空間に納めて次の店に向かった・・・
(やっぱ空間系の想念法って便利だよな~)
『お~いって、居たなホークス!』
「村長か・・・買い物かい?」
次に入った道具屋で店主のホークスさんと親父がさっそく話し出してる。
『ああ、今度の狩りにうちのアレンを連れて行くことになってるだろ・・・それで想念補助具の腕輪が有るか確認に来たんだ』
「ああ、そうだったな~アレン君は村長と同じで「闇と時空」特化だよな?」
『ん~計ってないからどこまでか判らんがそうなるな~』
「そうなると・・・今うちの店にある在庫は・・・」
そう言いながら手元の台帳を調べ始めるホークスさん・・・
「え~っと1威~4威までは在庫無しで、5威以上だと8威までなら在庫があるな・・・」
『むう~微妙だな~』
「まあな~前もって予約してくれれば用意できたけど・・・」
「いざとなったら、ほかのヤツから念石をはずして細工し直せば狩りにはギリギリ間に合うと思うぞ・・・」
『いや・・・でも念を込める時間がないだろ?』
「いや、狩りの出発までに完成したら狩り場に着くまで念を込めて狩り場に着いたところで村長の空間から荷物を出して、アレン君の空間にしまえばギリギリで間に合うだろ?」
『お!その手があったか・・・』
「まあ、先走っても仕方がないからとりあえず念量を測定してから又来てくれよ」
『ああ、そうだな・・・アレンの能力が少し高めだったら在庫で問題ないんだし・・・』
『んじゃあ、教会に行って後でよらせて貰うよ!』
「あいよ~、又後でな~村長、アレン君」
道具屋のホークスさんに見送られて店を出た俺と親父は今度は教会へ向かって歩き出した・・・
『お~い、エロ司祭居るか~』(ゴチン)
「わしの名前はエロイスだと何度言ったらお前は理解するんだバカ小僧が!」
『痛てえな~何も叩くことはないだろ、これでもおりゃ~村長なんだからよ~』
(何だ?教会のエロイス司祭様と親父って・・・どんな関係なんだ?)
「なんじゃ、アレンも一緒か・・・そんなびっくりしなくても、お前の親父ダロイス・ウッドとは腐れ縁でな~何の因果か知らんがわしゃ~お前さんの親父の名付け親なんじゃ・・・」
「村が落ち着いたとき教会の司祭が居ないので頼むから来て欲しいなどとしおらしく言ってくるから、少しは大人になった村長で人の親にもなってすっかり落ち着いてるだろうなんて考えて応じてしまった当時のわしが恨めしいのう・・・」
「大体お前は昔から・・・」
『すまん!悪かった!エロイス司祭様、昔の話は勘弁して下さい』
『き、今日来たのは、アレンの念量を計測して調べて欲しくてデスね・・・』
「ふむ・・・まあ子供の前で恥をかかせるのも悪いし、もう二度とふざけた呼び方をしないなら勘弁してやろう」
『はい!今後はきちんと呼ばせていただきます』
「うむ、判ればよろしい・・・で、念量の計測じゃったな・・・」
「ならばこっちじゃ・・・」
突然の成り行きで少しボ~っとしていた俺は、エロイス司祭様に促され教会の奥に入っていった・・・
「ちょっと準備するからそこの椅子に座って待っていなさい」
「「はい!」」
少しするとエロイス司祭様が計測器なのか何か道具を抱えて戻ってきた・・・
「それじゃあ、始めるとするかの・・・」
「アレン君、おまえさんは想念法で使う念の力は感じているかな?」
「はい、判ります」
「ん、よろしい・・・では、その力を自分の体内で動かしたり、体外に出したり、外にある力を集めたりは出来るかな?」
「たぶん出来ると思いますが・・・まだやったことがないので判らないです」
「ふむ・・・では、今からやって見せてくれ・・・」
エロイス司祭様は懐からサングラス?を取り出し掛けると俺に力を使うように言った・・・
(ん~念でも見れるようにする道具かな~まあいいや・・・)
「では、こんな感じでしょうか・・・」
俺は司祭様に先ほど言われたように、まず身体の中で動かし・・・次に外に出し、最後に外にある力を集めて見せた・・・
(本当に見えるのかな?それとも別の何かなのかな?)
「ふむ・・・充分じゃ!最後にこの計測器に自分の念の半分を込めてもらえるかの?」
「はい、判りました」
ちょうど取っ手のような感じで金属っぽい部分が目の前にあったのでそこを掴むとエロイス司祭様がうなずいたので、俺は念の力を全体量の半分ほど込めてみた・・・すると計測器に付いていた透明な小石が結構な量、黒っぽく染まった。
「ふむ、第6威ってところじゃな・・・」
「アレンも父親似にて念量はそこそこ強めだの~普通アレンぐらいの年じゃったら第4威ぐらいだからの~まあ、この辺は特化型の強みと言ったところか・・・」
「精進する事じゃて・・・」
『第6威か~これで補助具の方も在庫で間に合うし、ミーアを迎えに行って帰りに買っていくか~』
『エロイス司祭様ありがとうございました。』
「まあ、これも司祭のつとめじゃからな・・・ミーアちゃんを迎えに行くならもうそろそろ時間じゃし、早く行ってやらねば昼になってしまうぞ、そこの扉から出て行けばすぐじゃから早く行ってあげなさい」
「「はい、お世話になりました」」
俺と親父は司祭様に言われたドアから出てミーアを迎えに行くと道具屋さんに戻って俺用の補助具を買って家に帰った。
昼食の後ミーアを寝かしつけ母さんに「初級防護スーツ」の手直しを頼むと俺と親父は狩りのルールと武器の取り扱いの訓練に取りかかったが訓練の結果、俺にはクロスボウの方が向いているようで弓系武器はクロスボウに決定した。(べ、別に短弓を使ったら1発も的に当たらなかったのが悔しかった訳じゃなぞ!、だけどクロスボウは連射できないから短弓の方が良かったんだけどな~)
まあ、今回は急ぎだし・・・いずれおりを見て親父に短弓に切り替えた訓練をしてくれるように頼んでみよう・・・
そんなこんなで・・・俺の狩りデビューの準備は終わりルールの教育もあったが、拍子抜けするほど簡単だった・・・
だって・・・
①狩りの遠征隊に騒がず無駄口を叩かずついて行く
②移動中や野営中は言われたことだけやって勝手な行動を取らない
③許可が有るまで武器は収納しっておく
④何かするときやしたいときは遠征隊の大人に許可を貰う
⑤大人の話をきちんと聞く
こんな感じだったからね~まあ、普通の子供なら難しい物も有ると言えばあるけど、いくら肉体に精神が引きずられても前世の記憶がよみがえった俺は、精神的には有る意味親父より大人だからな・・・
こうして狩りへ出発する日となった




