068 熟成期間
厳しい・・・厳しいです。
正直申告・・・現在話のストックゼロです。
第68話 熟成期間
やっぱり料理スキルって有るんじゃないか?俺にそんな疑問を抱かせたのは母さんの料理だ・・・
仕事が一段落し、家に帰ってミーアと一緒に夕食を食べたのだが・・・出てきたメニューはご飯にスープグランドベアの煮込みにサラダ・・・そして、ホーンラビットの照り焼きだった・・・
『か、母さん・・・この味付けって・・・』
「気が付いた?それ、大魚亭で佐藤さんに教えて貰ったの!美味しいでしょ?」
『う、うん・・・美味しいけど・・・』
何で聞いただけで出来るんですか?・・・やっぱり母さんて、料理チートじゃないの?
「おいしい」
「初めて作ったけど・・・成功みたいね!」
って・・・初めてなんですか?何だか大魚亭のモノや俺が作ったのより美味しいんですが・・・
基本は確かに佐藤さんと俺で考えた・・・だが配合が微妙なのだ・・・使ってる材料というか原料が元の世界と違い・・・インチキミリンや蜂蜜を使ってるので、ちょっと比率を間違うととたんにまずくなる・・・
まあ、失敗しても喰えなくなるほどじゃないが・・・
『結局、兄さん今日は帰ってこなかったな~』
母さんの作った夕食を食べながらつい洩らしてしまった・・・途端に母さんもミーアも無口になり・・・
「まあ、大丈夫でしょ!まだ第二陣も着いてないし・・・ちょっと遅れてるだけよ・・・」
『うん・・・』
食事の後もちょっと暗い感じの雰囲気が残って静かだったのだが・・・
「おぉ~~う!今帰ったぞ~~」
酔っぱらった親父がご機嫌で帰宅し・・・突然燻製を作るとか言いだし始め・・・ふらふらしながらどたばたと準備を始めたと思ったら途中で寝てしまい・・・親父をベッドに運んで後片づけを母さんとしているうちにミーアもソファーで寝てしまい・・・母さんと2人で苦笑しつつ寝る事にした。
翌日も当番があったので広場を回っていると・・・
「第二陣が来たぞ~~~!」
第二陣の到着を知らせる声が門の方から聞こえたので急いで向かった・・・
「なんだこりゃ!?」
ケントが隣で驚いてるが・・・俺も驚いた!
俺達の目の前にいる第二陣の人達・・・全員がつかれた顔で徒歩の人も多く門に入ってすぐ座り込んでる人もいる・・・
『兄さん!』
俺は人混みの中にいた兄さんを見つけそばによって事情を聞いてみた・・・
「あぁ~アレン・・・やっと着いたよ・・・」
『何があったの?みんな疲れてるけど・・・』
害獣などに襲われたのか?でもそんな雰囲気じゃないよな・・・疲れてるだけって感じだし・・・それに、なぜ兄さんは徒歩なんだ?
「いや~途中までは結構順調だったんだけど・・・歩くしかなくなってな・・・」
話し始めた兄さんの話を要約すると・・・
兄さんが王都を出てから3日ぐらいは小さな故障があっても順調に進んでいたらしい・・・4日目以降から故障が大きくなり兄さん達は遅れるのを承知で騙し騙し領主町に着いた後、町の鍛冶屋で部品を修理したり補充をして遅れてた本隊に追いつこうと頑張って追いついたのだが・・・領主町で移動手段がなかった人達を仲間に加えていた本隊に合流したところで問題が発生した。
今回、兄さん達が実験中の自動馬車?は・・・実験という事もあって荷物などを載せずに普通の馬車と2台で行動していたのだが、臨時の商隊から徒歩移動の人を乗せて欲しいと要請され断る事が出来ず・・・荷台部分に4人ほど乗せ移動していたら、村から3日の宿泊拠点で自動馬車が完全に壊れ商隊の移動速度は落ちるし、兄さん達は交代でだったが徒歩移動になり丸1日の遅れが結局残ったらしい・・・
『そりゃ~大変だったね・・・とりあえず家に帰って休んでおく?』
「いや、露店の設置や商品を並べないと・・・収穫祭は始まってるし・・・」
『ん~了解!んじゃあ~くじ引きに行こう!』
「ヘンリーさん!露店の場所を決めてきますね~」
「あ~頼んだ!」
兄さんが少し離れた場所にいたヘンリーさんに断ってから移動しくじを引きに行った・・・
会場設営の本部で先ほど到着した露天商達と思われる10人ほど並んだ行列に加わり、くじの順番を待っている時兄さんに聞いてみると・・・
『兄さん、兄さんの所・・・フォード工房は今年もチャリが主力商品?』
「ん?あぁ~そうだよ・・・あ!そう言えばお前用に改造した商品を1台渡すんだったな・・・後で組んでおくから夕方以降ならたぶん大丈夫だぞ!」
『そんなつもりで言った訳じゃないんだけど・・・まあ良いか!後で取りに行くね~』
そんな感じで話をしてると兄さんの順番が来たが・・・兄さんと俺の顔を見た係の団員が、「アレン君、仕事をさぼるのは感心しないな~」などと笑いながら言ってきたので・・・
『もう・・・判りましたよ!じゃあ、兄さん僕は会場の見回りに戻るよ!又ね~』
「おう!頑張れよ~」
挨拶を交わしケントの所に戻って会場の見回りを再開した・・・疲れてる人が多いのか、普段なら何軒か場所の事で小さなもめ事があるのだが・・・
『みんな素直だな・・・』
「そうだな~疲れてるからそれどころじゃないんだろ?まあ~楽だし良いじゃん!」
行商人も露店商も場所を決めて商品を出したり準備が忙しいのと、たぶん早く休憩したいからか・・・小競り合いは起こらなかった。
「お!竿を買った露店だ!」
『あ!今年も来たみたいだね~ちょっと覗く?』
「ちょっとだけなら良いか・・・うん良いな・・・」
ここ2年連続で買い物してる釣り具系の露店を見つけたので挨拶と商品の確認に寄った・・・
『おっちゃん!久しぶり!』
「お!坊主達か・・・だいぶその格好が板に付いてきたな~」
「まあね!なんだかんだ言っても馴れちゃったし・・・」
『今年は何か良い物持ってきてる?』
「おう!ウチの商品はどれも最高だぞ!!」
俺達がそんな会話をしながら商品を見ていると、奥にある木箱をごそごそしていたおっちゃんが戻ってきて・・・
「コレコレ!去年お前らに言われた事を仕入れ先で話したら、結構乗り気でな・・・こんなのを作ってくれたぞ!」
おっちゃんが俺達の前に次々出して見せ始めたのはさまざまな大きさの竿とリールだった・・・
「何でもこっちの方じゃ、でかい魚が釣れる湖があるんだろ?コレはその大魚用だ!」
並べていた竿の中から一番大きな竿とリールを持って説明を始めるおっちゃん・・・大きさは竿が5mぐらいだろうか?リールも去年俺達が買って普段使ってるモノより大きく、おっちゃんの説明だと多少重くはなるが山のような魚が掛かっても絶対に壊れないと保証してた。
(山のようなって・・・鯨でも釣れってか?)
「結構良いんじゃないか?」
『まあ・・・丈夫だから使い道は多いかな・・・』
俺達の反応を見ていたおっちゃんが、「どうだい良い感じだろ?買うなら多少おまけはするぞ!」っと一気に勝負に出てきた・・・
『ん~値段次第かな・・・それって値段は?』
「ん~~~そうだな・・・竿・糸巻き・タイガースパイダーの糸が300m分のセットで・・・1セット銀貨15枚!」
「『銀貨15枚!』」
「の所・・・銀貨10枚だ!!」
「『おおぉぉ!!』」
(イカンイカン・・・相手のペースに乗せられてるぞ!)
『ん~銀貨10枚か・・・』
確かに、タイガースパイダーの糸だけでも売値で銀貨6枚・・・お買い得な気がする・・・だが・・・去年買ったリール竿は銀貨1枚・・・糸も25%ぐらいなら値引きできるし・・・元値は特大の竿とリールがセットで銀貨2~3枚、タイガースパイダーの糸が半値程度か?
『ちょっと高いかな~そう言えば・・・特大の針は別売りなの?』
「お!そうだったな・・・」
(あぁ~こりゃ商売の手だったな・・・つうかケント!そんなに欲しそうに見るな!!)
「んじゃあ、改めて・・・この針を4本付けて銀貨10枚だ!どうだ?」
おっちゃんは針と言うよりフックじゃない?って言うぐらいでかい針を持ってきて再度交渉してきた・・・
第69話を頑張って書いてますが・・・
間に合わない場合・・・今回のような逃げか・・・更新の遅れが出るかも・・・
一応方向性は有る程度固まったので・・・頑張ります!




