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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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066 純白の焼き物を求めて・・・

本日ラスト!3話目です・・・

第66話 純白の焼き物を求めて・・・


とりあえず完成した焼き物のお披露目で白い器を求められたが・・・リッタルさんを始め他の職人も、現状では手探り状態だったためすぐに完成!って訳には行かなかった・・・


何度か土や粘土を探し山を探索したり、混ぜる時の配合を変えて試しに焼いてみたが・・・


『この緑っぽいのは結構きれいだけど・・・』


「こっちの青っぽいのも・・・」


完成した焼き物を外に出し先ほどから見ているが・・・良い感じの色もあるが強度的にダメだったり・・・キチンと焼けずに割れてしまったり・・・結構難しいようだ・・・


「白い器ですか・・・」

「ここは原点に返って白い石とかを探してみては?」


『そう言えば・・・この辺で最初に見つけた土とかで焼いたのは土っぽい色だったな・・・』


「そう言えば・・・トイレの便器って言うかアレって白いのがあったりしますよね?」


俺はその話で記憶をたどると・・・村で使ってる便器に白いモノがあったような・・・あからさまに石です!って自己主張してるような御影石っぽいモノもあったし、黒っぽいのもあったな・・・

(今度親父か母さんにでも聞いてみるか・・・)


近場にある素材はだいたい試したので・・・

『当面、白い器は忘れて・・・色つきの器の方を使い物になるように改良していて下さい・・・別の素材を見つけたら又実験しますので・・・』


「「「はい!」」」


まあ、ただでさえ数が少なく大魚亭で使う分もまだ完成していないのに・・・ここで実験ばかりするわけには行かないからな・・・


俺は工房班に別れを告げ、何とか使えそうな色つきの焼き物を自分の空間に納めると、大魚亭で試して貰うべく持ち帰った。


大魚亭に戻り、調理室に居た佐藤さんに窯から持ってきた使えそうな器を渡すと丸太のコテージに戻りコーヒーを入れた・・・

最近やっと取れるようになった自由な時間・・・俺は本を読み実験をする事に使う事が多いが・・・こうしてのんびりするのも良い感じだ・・・秋の声が聞こえ始めたとは言え、日中はまだ暑いので開け放った窓からは涼しい風がほほをなでつけ・・・いつもより少しだけゆったりした時間が流れ出す・・・


俺が住んでる丸太のコテージは、ここに来た当初建てた物を改造というか改築して4m×4m程の部屋が2部屋と10m×6m程のリビング・ダイニングに簡単なキッチンとトイレに、暖房用の暖炉が組み込まれた建物で玄関の脇にロフトへの階段がある建物だ・・・これは、海に建てた拠点の原型になった物で・・・結構便利に使えるが唯一風呂がないのが不満と言えば不満だろうか?


最初は2軒建てただけで、元自警団夫婦の家にしようかと考えた時期もあったが・・・大魚亭周辺が急速に拡大され繁盛しだし、狩猟団の拠点としての利用がほぼ不可能になったため増改築と新たな建築が行われほぼ同じ建物が現在では20軒ほど建ってる・・・正式な入植とか開墾が始まりだせばウチの村のように各家庭に上下水道や風呂なんかが付くんだろけど・・・やっぱ、商店とかは2階建てにするのかな?


そんな事を考えていたが、仕事を離れた時間に考える事でもないような気がしたので自分の空間から読みかけになっていた「結界の作り方とその考察」のレポートを取りだし読み進めていく・・・


本当かどうか判らないが・・・一応このレポートを書いた人の仮説では、この世界での結界の基本は俺の特化特性「闇と空間」の想念法が考え方の基本のようだ・・・まあ、結界というと空間ってイメージもあるし正しいのだろうが・・・何かこのレポート、考え方が少し違う気がするんだよな・・・レポートの中では結界として各属性の結界が紹介されてるのだが・・・

『火の壁の結界って・・・ファイヤーウォールとか障壁の事だろうし・・・水や土だって障壁系の変形のような気がするんだが・・・』

(ま、俺もキチンと習った訳じゃないしな・・・)


まあ、元の特性が闇と空間というのが一番使いやすそうだし・・・第一俺の属性なんだからいずれキチンと覚えないと・・・中級か上級か判らないがたぶん想念法の本に載ってるだろうし・・・

(収穫祭の時にでもついでに探すか・・・)


すっかりぬるくなったコーヒーを捨て新しく入れ直すと、最近砂糖の替わりにちょこちょこ使ってる蜂蜜を少量入れ苦みをごまかし・・・他に買った本やレポートを再び検証しだした。





数日後、大魚亭に現れた親父達と話し合ったが・・・今年は大魚亭に人手が取られて、さらに海の拠点を作って害獣駆除が進んでおらず・・・このままじゃ被害が馬鹿にならないらしいので、各拠点などに最少人数を振り分け残り全員で集中的に狩りをする事が決定し、俺もやっと狩りに戻れる事になった!


って事で・・・早速、領主町方面に狩りに出た訳なんだが・・・そう言えば領主っていつの間に帰ったんだ?親方も最近見てないし・・・てっきり海にいるとばかり思っていたけど・・・


「あ?領主!・・・知るか!」って親父が言ってたし・・・ゴバックさんにも「とっくに帰ったぞ!そんなくだらん事より今は狩りに集中しろ!」って怒られたし・・・

(まあ、居ないなら居ないで苦労が減るから良いか・・・)


「良し!んじゃあ、次の罠を確認に行くぞ!」


「「「了解!」」」


親父の声にみんなが反応し次の罠を確認に行く・・・人員不足が深刻で最近は近場の罠しか確認できなかったから罠に掛かったまま死んでる害獣とか、落ちたホーンラビット等を狙ってウィンドウルフが掛かってたり死骸に野生のスライムがたかっていたり・・・結構手間が掛かるが、コレをきちんとやらないと収穫が心配だし大切な役目だからな・・・

(実際、村の農家からも苦情が来てるらしいからな・・・)



---ぐがぁあああ~---



「くそ!グランドベアに喰われてる・・・」


俺が罠の穴をのぞき込むと、罠に掛かったレッドディアを狙ったグランドベアが穴の中でレッドディアをむさぼり喰った後が見える。


『あ~もったいない!結構良さそうなヤツなのにぼろぼろになってる・・・』


「ちょっと大魚亭や海の拠点に人を割きすぎたな・・・」

「今後注意しないとな・・・」

「もう少し割り振りを考えた方が良さそうだな・・・」


親父をはじめとした狩猟団メンバーが、それぞれ自戒を込めた感じで問題点や注意事項を話し合いつつグランドベアを始末していく・・・


『でもまあ・・・狩猟としてはまずいんだけど・・・人を襲う害獣駆除としてはそこそこ機能してるし・・・』


「当たり前だ!誰が計画を考えたと思ってる?キチンと最低限の役割は果たすように考えたんだ!」


どうやら親父の逆鱗に触れてしまったようで・・・ちょっときつめに睨まれつつ即座に反論された・・・

(こりゃ~何か旨いつまみでも出して・・・今夜アタリご機嫌を・・・)


その後も慎重に罠の点検と整備などを行い休憩拠点に戻ったのだが・・・

『やっぱ、設備に不足感というか・・・使いづらさを感じちゃうよな~贅沢になれると貧乏が厳しいのと同じだな』


「そりゃ~こっちは昔のまんま手を付けてないからな~変わったのはトイレだけだし・・・」


ここの休憩拠点は以前トイレを作っていたが・・・大魚亭に向かう人が増え有る程度人が利用するようになったので、かなり前に穴を掘ってのボットン式から・・・石壁で囲った地下室にスライムを放したスライム式トイレに作り替えられている。


『しかし・・・ケント・・・今日は大丈夫だけど・・・明日は拠点に泊まれるかな?』


「ん~一応俺達って優先順位が高いけど・・・厳しいかもな~」


『やっぱお客さんてイメージがこびりついちゃってるし・・・』


俺達がこんな会話で明日以降の事を考えているのは、当然ながら大繁盛してる大魚亭の事が有るからだ・・・

領主町からウチの村までは普通の馬車で約1週間・・・定期便の獣車や馬に乗って飛ばしまくって2日~3日ぐらい掛かるのだが・・・目下大繁盛中の大魚亭に来るお客さんも当然同じか移動を通ってくる事になるわけで・・・タイミングによっては宿泊拠点で出会ってしまう可能性があるのだ・・・

以前なら行商人さんとか、せいぜい10人ぐらいの小集団だったから問題にもされていなかったが、大魚亭が営業し始めてから徐々に増えて・・・現在では一回20人~100人ぐらいの規模で移動しているので大規模な集団に出会うと・・・ま、優先権を主張しても良いのだが、それをやると評判が悪くなるし・・・野営にも馴れてるからな・・・


まあ、そんな事もあって今回俺達はしんちょうにわなを確かめたり整備もあるので、休憩拠点での宿泊前提で狩猟団の日程を計画しているのだが(旅人は基本的に宿泊拠点でしか泊まらない)・・・


今日到着した休憩拠点でも、行商人のザットリーさんとその仲間が泊まるようだし・・・ま、所詮は基本的って事なんだろう・・・


「お~い!アレン、飯の支度をしてくれ~」


『了解!』


ケントと話しながら宿泊の準備をしていたが、ゴバックさんから夕食の準備に回るように声を掛けられたので準備を始める。

(最近、なんか俺が飯係に定着してる気がするんだが・・・)


狩りでの猟果も芳しくないし・・・今日は移動と整備ばかりで多少疲れていたので簡単にみそ漬けの肉と野菜で焼き肉もどきを作り、持ち込んだ柔らかいパンと適当なスープで夕食にしたが・・・味の濃いみそ漬けがつまみに良かったらしく、大人のメンバーは酒を出してザットリーさん達と飲み出したようだ・・・


いつの間にかご機嫌に戻った親父も、大きな声でザットリーさん達と話しながら酒をぐびぐび飲んでるし・・・

『ま!いいか・・・』朝食用の仕込みをしながらそんな光景を見た俺は、食事の係になったせいなのか最近免除される事が多い見張りに立つ事もなく、さっさと自分の寝床に戻って寝る事にした。

(どうせ明日も朝が早いからね・・・)


うぐ・・・明日の更新分が・・・


頑張って書くデス!ストックは残り1話・・・間に合うのか?

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