表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世界での生活  作者: 投稿初心者
57/108

056 悪夢の再来③

本日2話目です。

第56話 悪夢の再来③


ケントの参加で予定を変更した俺が試そうと思ってる道具は残り2個だ・・・


昼飯と休憩を済ませて、軽くミーティングをした後・・・俺は新しい道具を試すためケントとカヌーに乗って海に出た・・・


俺がおもむろに自分の空間から取り出したのは・・・赤く色を塗って防水加工し空気を入れてふくらませた球というか袋に竹の棒と同じく赤い切れの旗をつけロープを付けたものだ・・・


「なあ、アレン・・・それって何?」


『ん~っと・・・このロープが付いてる所、ここに罠かごを付けて・・・この石をおもりに餌を入れて仕掛けておこうと思って・・・旗が付いてるからわかりやすいだろ?』


「へぇ~~罠のかごをここで使う工夫か・・・」


『ま、そうだな!今回試すのは、こいつと・・・あとこれ!』

俺は糸を5cmぐらいで結びつけ目の粗い網になった20m×5m程のモノを自分の空間から取り出してケントに見せつつ説明をした・・・





ん~失敗か・・・俺とケントは、罠かごを設置して回った後・・・俺が持ってた網をゆっくり広げながら海に入れて、海岸に戻ったところでみんなに力を借りて引いたのだが・・・

俺が目指していた地引き網?っぽい漁は見事に失敗して俺達が海に捨てた昆布とか海草類ぐらいしか中に入っていなかった・・・


『ん~~もう少し工夫しないとダメか・・・』


「なあ?コレって結局何がしたかったんだ?」


『ん?これか・・・コレはな~』

ケントに向かって説明していたのだが・・・周りにいた人にも聞こえたようで・・・


「なあ・・・この網目をもっと細かくしたら・・・」とか・・・「いや・・・袋状にして・・・」とか結構役立ちそうなアイデアが議論された・・・領主が言ってた「もっと沢山の網で迷路にして・・・」って話を聞いた時はむかついたけど!

何で俺がコレしか網を持ってないと思ってるんだ?時間がなかったのも確かだけど・・・結局金がかかってこれ以上製作する余裕がないからだぞ!

くそ!領主の意見を採用して研究費とか言って金を出させてやろうかな・・・(あ!その場合苦労するのは俺だ・・・パス!パス!)


まあ、実際・・・結構金がかかってるのは本当だ!


予算の都合上タイガースパイダーではなくシルクスパイダーの糸を利用したのだが・・・50m巻きで実に48個・・・失敗も込みで60個を使った努力の結晶だったんだが・・・

大量仕入れって事で50m1巻き銅貨10枚で仕入れをしたのだが・・・それでも銀貨6枚が吹っ飛んだのに・・・成果ゼロだからな・・・ちょっと痛いぞ・・・

まあ・・・腐るわけでもないし・・・もっと改良して再チャレンジだな!それに・・・先ほど思い出したのだが・・・たこつぼ漁って有ったよな?・・・確かアレって野焼きした壺でも何とかなりそうだし・・・今度機会があったら試す価値があるかも・・・


大金を使ったのに失敗した俺が、思い出したようにニヤついてしまったのでケントに君気味悪がられたけど・・・その後はケントと素潜りをしてアワビやウニ・サザエ・ホタテ?を沢山取り・・・2匹だけだが大型のタコも捕獲した!

コレで・・・たこ焼きとか作ったらビックリするかな~あ!たこ焼きプレート作らなきゃ無理か・・・塩もみして切るか・・・湯がいて切って刺身・・・ん~でもここって西洋系の感性みたいだから・・・いやがるかな?昔聞いた話の記憶だと・・・西洋系でタコを食材に使う乗ってギリシャだったかイタリアだったかの1~2国で他は悪魔だとか何とか言って食べないんだよな・・・

烏賊だと結構食べるらしいのに・・・ってイカか・・・イカも取れたらさきいかとか、親父が喜びそうなんだけど・・・


漁が終わった後、俺がこんな調子で妄想モードに突入していたせいなのか・・・その日の夕食は保存用の堅いパンに肉入りスープ、貝のバター焼きって感じでたいしたことが無く・・・心持ちみんなの視線が痛い気がしたけど・・・みんなだって料理ぐらい覚えておけよ!ってか作れるだろ!!


それに・・・特にそこ!恨めしげな目で俺を見るな!俺がこの前みりんぽいモノを作りたいから酒(日本酒か焼酎)を少し分けてくれと言ったら凄い目でにらみつけて来て・・・拒否したくせに・・・都合の良い時だけ俺を頼るな親父!

こっちはそのおかげで、市販の蜂蜜酒をベースに昆布を入れたり色々試したけど・・・いまいちな出来にしかなってないんだぞ!まあ、佐藤さんはそれでも感激してたけど・・・

(でもやっぱり・・・ざるそばに蜂蜜酒のみりんは・・・合わない気がする・・・佐藤さんが作ったのはまあまあ喰えたけど・・・)


まあ・・・ちょっと険悪な空気を感じつつも、今日の疲れからすぐさま寝ようと思ったら・・・


「アレン・・・ちょっと良いか・・・」


親父が話しかけてきたけど・・・何だよ・・・何でそんな真剣な目なの?


『う、うん・・・』


「アレン!明日は父さんも潜って食材集めに協力するから、ご飯を作ってくれ!」


へぇ?・・・ご飯?・・・ちょっと混乱して頭が動かなかったが・・・どうやら親父の脳内では・・・俺が今日、懸命に素潜りしたり食材集めをしてるのに、自分は釣りをしたり遊んでいて(親父の考えね)俺が・・・罰というかすねて昼食や夕食を作らなかった・・・

そんな感じに思われてるっぽい・・・親父達も料理はある程度出来るが・・・肉類系が中心で魚介類だとどうしても俺の方が美味い!

で・・・意を決して、自分も潜って手伝うから機嫌を直して飯を作ってくれ・・・って事らしい・・・


『ご飯ぐらい・・・言ってくれれば作るけど・・・』


「本当だな?本当の本当だな?」


『う、うん・・・別にご飯ぐらい良いけど?』


「おし!みんな~明日の飯はアレンが作るぞ!!」


「「「おおぉお!!」」」


って・・・なぜそこで大歓声?

落ち着いたようなので、寝ようとテントに向かったら・・・

「頼むぞ、アレン!」とか・・・「明日は旨い飯にしてくれ!」とか・・・なぜか声援?がみんなから掛けられるんですが・・・


考えると不幸になりそうで頭が痛くなってきたから・・・俺は毛布にくるまって速攻で幸せな睡眠の世界に逃げた!





翌日も「お前はどこの爺だ!」ってぐらいの日の出と共に起き出し、昨日集めたわかめっぽい海草と貝類を適当に刻んでみそ汁とご飯を炊いて・・・佐藤さんが持たせてくれたキュウリの漬け物を用意した後、塩マス?を焼いていき朝食の準備を終えた・・・


起きてきた順に喰いだしたんだが・・・何かみんなの食欲がいつもより良いな・・・足りなくなりそうだったので、急遽パエリアもどきシーフードたっぷりを作っておいておいたらすぐに人が群がってあっという間に無くなった・・・

(どんだけ飢えてるんだウチの団員!あ!護衛の人も結構喰ってる・・・)


視界の隅に、美味そうに俺が作った料理を平らげる領主が見えたので目をそらしたが・・・ウィンクされたのは気のせいだよな?


ま、当然みんな朝から喰いすぎて・・・いつもより長い食休みの後海岸に行って昆布を集めたり、テントの方に戻って干したりしてるんだが・・・


「どうしたんだ、アレン?」


海の中をじぃ~~~っと見ている俺を見てケントがそばに来た・・・


『ん~いや・・・あそこでさ・・・なんか魚が群れてないか?』


「どれどれ・・・ん~あぁ~あそこな!いるいる!」

「居るけど・・・ちょっと遠いし、獲物としては小さくないか?」


『ん~・・・』

先ほどから俺が見ている魚群・・・どうも形が鰺っぽいんだけど・・・もし鰺なら・・・ちょいとさばいて干せば・・・


『よし!アレを釣ろう!』


「え!あんなの釣るの?」

『騙されたと思って・・・それにみんなにも声を掛けてくれ!沢山欲しいんだ!』


俺はケントに頼んだ後一端テントに戻って、テント設営時に使った竹の壁補強材(割った竹を格子状というか斜めの互い違いで折りたたみ可能なモノ)を広げてタープを張り乾し場を作って海岸に戻ると・・・


「お!これか?」とか「2匹同時だ!」とかすでに結構釣れてるようだ・・・

急いで準備して釣れた魚を受け取ると、開きにさばいて海水で洗った後乾し場と海岸を往復して次々干していった・・・


「いや~なんか凄い状態だな・・・」


俺が作業した後を見たケントが言ったのだが・・・改めてテントの方を見ると・・・竹で組まれただんだんの昆布の乾し場で風と陽を受け干される大量の昆布・・・タープの下で広げられ、新たに干される鰺・・・確かに凄い光景だ・・・

その後も手伝って貰って鰺の開きを量産した俺だったが・・・

昼飯用にまだ乾いた訳じゃない生乾き?の鰺を炭火で焙っておにぎりと一緒に出したら・・・むさぼるようにみんなが食べてくれましたよ!みそ汁もどうかとおもったので麦茶を添えたのが良かったのかな?


しかし・・・この調子で集めて、全部持ち帰る事が出来るんだろうか?結構量があるんだが・・・疑問に思い親父に聞いてみたら・・・


「一応、出てくる時に5日経ったら大型のクーラーボックスをありったけ積んで、湖の対岸に大型船を着けておけ!って言ってあるから・・・たぶん、湖まで運べば何とかなるだろうし・・・最悪でもテントなんかを一時的にこっちにおいていけば大丈夫!」って話を聞かされ安堵した・・・


その後は順調に食材を集めて大魚亭に戻ったわけだが・・・

戻った俺達を待っていたのは村民を多く含む、大量の人、人、人・・・あぁ~忘れてたけど・・・施設が完成してるんだから当然、再オープンしてたんだよな・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ