048 加速していく変化①
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第48話 加速していく変化①
俺達が村に帰ると、待っていたのは緊急の寄り合いだった・・・
「あぁ~みんな集まったかな~」
「んじゃあ、急で悪いが寄り合いを始めるぞ!」
親父の発言で始まった寄り合いは進んでいく・・・
「って感じで大魚亭の収支は大幅な黒字だ!」
「「「おおお!!」」」
「でだ!報告はこれぐらいで・・・後は、去年も話題になったが・・・拡張工事について話し合いたいと思う」
拡張工事ね~確かに大魚亭も現状手狭だし・・・忙しすぎて管理人の家もまだだし、従業員というか俺達が寝泊まりするのに支障があるって本末転倒だよね?俺がそんな事を考えてる間にも話し合いは進み・・・
「・・・で、大魚亭の規模を倍ぐらいに建て増ししても充分採算が合いそうだし、別館というか従業員用の建物を増築して現在の施設をフル活用するのも良さそうだし・・・」
へぇ~色々考えてるんだな~だけど早く従業員を見つけて教育しなきゃ全部俺達に負担が掛かるんだけどな~
「・・・と言うわけで、以前から募集していた従業員が雪解けに建築の職人と一緒に20名、王都からやってくる!」
え!従業員見つかったのか!
「ちなみに・・・従業員は全員移住者だ!」
お!移住者か~どんな人が来るんだろうな~でもコレで俺達の負担も軽くなりそうだ・・・
「おい、アレン!他人事のような顔で居るが従業員の教育はお前に任せるからな!」
『え!?と、父さん・・・僕が教育なんてするの?』
「お前以外に誰がやるって言うんだ!お前は大魚亭の責任者だぞ!」
「「「そうだよな~」」」
「「「アレンなら・・・」」」
いや・・・みなさん・・・そんなに信用しなくても・・・俺はまだ11歳ですよ?身体は結構大きいけど・・・
「大魚亭の拡張工事の間班分けして、従業員教育・建築支援・害獣駆除を行うが、従業員関係は責任者のアレンが常駐の管理人と専属で行い、残りは半数に分かれて交代でやるからな~」
「「「はい!」」」
「ちなみに建築費用だが・・・アレンの提案で領主様から分捕ってきた!」
「「「おおぉおお!!!」」」
え?あの話本当になったのか?・・・
「ちなみに、金額は・・・金貨17枚だ!」
「「「おぉおお!!」」」
何だか・・・すげー数字がリアルなんですが・・・オトウサマ本気で領主からむしり取りましたか?
俺は、金貨10枚とか15枚って数じゃなく中途半端な17枚って数に、限界までむしり取ってきたんじゃないかと本気で怖くなってきた・・・
「そうそう!従業員が集まって本格的な営業を開始するので、各人で目玉となるようなイベントとかサービス・・・改善点などを考えておいてくれ・・・」
「んじゃあ、今日はコレぐらいかな~他に意見があるモノはいるか~?」
「無いようだな~・・・良し!酒にするか~~!!」
父さんが竹の筒から透明な酒をカップに注いで飲み始めてる・・・
『あ!忘れてた・・・アレについて聞かないと・・・』俺は父さんのそばに行き・・・『父さん・・・今飲んでるお酒だけど・・・』
「お!なんだアレン?心配するなお前なら大丈夫だから・・・」
『いや、そうじゃなくて・・・そのお酒の事!』
「ん?これか?コレは試作品だ・・・前にお前から貰った本に書いてあったのを村で作ってみた」
いや・・・あの本はあげたんじゃなく父さんが奪っていったのですが・・・それはそれとして・・・
『んっと、どれぐらい作ったの?』
「とりあえず大樽で2つだが・・・それがどうかしたか?」
『作ったのはそれだけ?』
「う・・・あ~その~ま、まあ・・・一応他にもワインを蒸留したお酒とか・・・焼酎って芋で造る酒も試作したな・・・」
なるほど・・・どこで手に入れたかと思っていたら・・・村での試作だったのか・・・
まあ、有る意味滅多に手に入らないってのは本当だけどな・・・
『で・・・領主のサピオ氏とどんな取引を?』
「な、なぜそれを!!」
『いや・・・ちょっと考えれば誰でも判るって・・・』
「そ、そうなのか?・・・んむ・・・」
「一応開発支援として金貨3枚が支給されて、替わりに試作品と製品を1割税として納める事になってる」
ふむ・・・コレが俺の恐怖したリアルな数字の謎だったか・・・大魚亭の分とお酒の分を合わせれば金貨20枚・・・領主の経済規模が判らないから焦ったじゃないか!
『父さん・・・出来た試作品は当然大魚亭でお客さんの反応を見るはずなのに・・・何で大魚亭にいる僕が知らなかったの?』
「あ~いや・・・それは・・・か、量が少なくて・・・」
『量が少ないったって・・・全部父さん達が飲んでしまったら意味がないでしょ?それにね・・・領主からの予算や村の予算で作ってるなら、そうやって内緒で飲んでるの公金横領と同じになるんだけど・・・』
「い、いや・・・村の予算は使ってない!領主からの支援も今年から作る分だ!」
言い訳を続ける親父の話を聞くと、どうやら去年俺の本を手に入れてからゴバックさんなど村の飲んべえが協力して、小遣いなのかへそくりなのか知らないが資金を集め・・・うちの裏というか横と言うかに有る昔の村の倉庫で酒造りの実験をしていたらしい・・・
完成品は、参加した有志達で分けたのと領主に試作品として資金を引き出すために差し出した分で無くなったらしく、今年新たに完成するまで、今の手持ちしかないので渡せないと言われた・・・
まあ、気持ちは判るし・・・資金の出所が個人のお金なら仕方がないので・・・公金で作る今年からは半分は大魚亭に回すって事で妥協した。
(何だか儲かりそうな予感がする・・・)
この時、俺は親父が考えてる構想というか村の未来が何となく判ったが・・・まだ話すのは早いと感じたので黙っている事に決めた!
(村は酒で・・・湖畔は観光ね~)
数日経って・・・寄り合いで言われた改善点というか企画を考えた俺は、親父に企画書を手渡した!
俺の考えた企画!
それは、実にシンプルだけど作るのは少し大変な「ゴルフ場」だった・・・まあ~ホテルに温泉・・・そうきたら次はゴルフでしょ?一応ゴルフ場の周囲は乗馬での散歩道にして、アーチェリー場の様に弓を撃って遊ぶ的当てがあっても良いかな~って感じで仕上げて、ついでに冬は凍った湖面でスケートも良いかも・・・と書いておいた・・・銃を使おうかとも思ったが、コレは今のところ改造も改良もしていないから今回はやめた・・・まあ、そのうち空気銃に作り替えたらクレー射撃とか的当てに使っても良いかもしれないけど・・・
ん?待てよ・・・何で俺こんな事考えてるんだ?この違和感は前にも・・・アレは・・・そうだ!前に大魚亭で・・・
ん~ひょっとして俺ってこの世界の食生活とか娯楽の部分を加速するために記憶が戻されたのか?・・・しばらく悩んでみたが、こんな問題に答えが出せるのはそれこそ神様だけだろうと思い直し・・・
『まあ、出来るだけ俺が苦労しないで楽しく過ごせるように考えていこう!』
数日経って寄り合いが開かれ、色々な意見が出たのだが・・・俺が提案したゴルフをいまいちみんなが判ってくれないので、お試しでパークゴルフを教える事になり・・・
さらに3日・・・やっと準備が終わって村の広場に狩猟団メンバーだそろってパークゴルフ大会です。今回は急だったのでコース設営の時間短縮のため適当に穴を掘って決めたコースで回るようにしてるが・・・まあ・・・皆さん楽しげです。
「だぁ!~~~何ではいらんのだ!」
「だからこう・・・ひねらず真っ直ぐ・・・」
「あぁ~~飛びすぎた!」
「よっしゃ~~~!!」
何か本当に楽しげですね~そんなに凄い遊びじゃないはずなんだけど・・・
その夜に再度開催された寄り合いで・・・ちょっとゴルフ場は予算や敷地の関係で難しいからって事になり・・・パークゴルフ場に計画が変更され・・・弓の的当て場はすんなりと・・・乗馬は農地などを狩猟団(いずれ自警団)が見回る際に同行する形で訓練や散歩が出来るように修正され・・・
俺以外からの提案では、本式のプール建設とアスレチック系の遊具設置、山や近くでの狩猟や燻製作りの体験メニューが追加される事になった・・・
(何だか本格的にレジャー施設化してるような・・・)
まあ・・・とりあえず俺の仕事は従業員教育か・・・さて・・・どうしたモノやら・・・
昨年の地獄を思い出しつつ・・・俺の思考は従業員教育に向けての対応を考え始めた・・・
おかしいな~冒険の旅ってのはさせる気はなかったけど・・・
なぜにレジャー施設建設?ごく普通の日常のはずが・・・妙な方向性で世界を変えてるような・・・
まあ、すでに修正不能ですし・・・このまま暴走を続けます。




