046 真冬の海!
本日2話目!
第46話 真冬の海!
昼食の後、出発し海を目指した俺達は・・・
氷の厚さが薄くなった事もあり川から荒野を抜けるコースに道を変更し、夕方を少し過ぎた辺りで海を見下ろす丘の上でキャンプの準備を始めた・・・
やや大きなテントを2つ建て、1つを馬用に・・・もう一つを俺達用に準備して敷物を引いたり火をおこしたり夕食と宿泊の準備を進める・・・
「まあ~こんなもんだな~」
『ケントは海が見えた?』
「ん?いや・・・俺は馬の世話をしていたからな・・・」
「そう言うアレンはどうだった?」
『俺はテントを立てた後、飯の準備だ!』
お互いに外に出られずまだ見ていない海と聞こえてくる波頭の音、辺りに薄く漂う磯の香り・・・多少ハイテンション気味に海への期待を高める・・・
「じゃあ、準備も出来たようだし・・・飯にするか!」
「「「はい」」」
親父の声で仕事を終えテントに集まっていた俺達は飯を食い始める。
「アレン・・・」
『なに?父さん』
「ん・・・いや・・・前にお前が言ってた魚の刺身だが・・・」
『うん?刺身がどうかしたの?』
「明日海で魚が釣れたら作ってくれないか?」
『なんだそんな事か~別に良いよ!』
当然俺も喰いたいので今回しっかりと準備して、ワサビも醤油もきっちり用意してきている。ついでに言えば鍋の準備も完璧だ!・・・
米も用意してあるし・・・明日に向け心が弾む!
翌日早朝・・・俺達は輝く太陽が照らす海を見つめていた・・・
『すげ~』
「はてが見えないぞ・・・」
起き出してすぐから海を見ていた俺達だったが・・・
「お~い、そろそろ飯を喰って海に向かうぞ!」
親父が海を見つめる俺達に大きな声で朝飯を喰う事を伝え現実に引き戻すと、保存用のパンと野菜スープで簡単な食事を済ませ海へ向かった・・・
『うぉおおおお!!!』
海に着いた俺は雄叫びを上げながら昆布の回収に走った!
荒い冬の波にもまれたのか沢山の昆布とおぼしき海草が浜に打ち上げられ散乱している・・・
「大丈夫かアレン?」
海に着いたとたん昆布回収で突進していった俺にケントが追いつき、声を掛けてきた・・・
『す、すまん・・・興奮して突っ走った・・・』
「いや・・・別にそれは良いんだけど・・・何を集めてるのかと思って・・・」
俺はケントに改めて昆布で取れるダシの話をし、一端集めていた昆布を点検し直しわずかに混じっていた使えない物を放り投げ、新たに岩の上で乾されていたすぐに使えそうな物や、うちあげられたばかりらしい新鮮な物だけを自分の空間に入れていく・・・
話を聞いたケントが手伝ってくれたおかげで昆布の回収は順調に進み、30分ほどで作業を終えて釣りを始めた親父達と合流する。
『父さん・・・釣れてる?』
「お!アレン・・・落ち着いたようだな・・・」
「さっきから何か集めていたようだが・・・終わったのか?」
『あぁ~それね!もちろん有る程度は終わったよ!』
「そうか・・・しかし・・・海ではあまり良いサイズの魚が釣れないな・・・」
『え?・・・』
俺が驚いて訪ねると・・・どうやら砂浜を爆進して昆布の回収を行っていた俺を横目に、親父はすぐさま釣りを始めたらしいのだが・・・ベルトをつけますますそれらしくなったクーラーボックスをのぞき見ると・・・
細いのや平べったいのが混じってるが5cm~10cm・・・せいぜい15cmと言った小魚ばかりが中に入ってる・・・
『父さん・・・ちょっと餌と仕掛けを見せて・・・』
「ん?コレだぞ・・・」
親父が俺に見せた物・・・中サイズ(村では普通の)針を付けたタイガースパイダーの糸と露店で買った竿のセットに、ふやけてしまった燻製?か何かがついた仕掛けだった・・・
『ん~大物を狙う仕掛けじゃないし・・・海で使うには道糸の長さが・・・』
俺は露店で購入した新製品、リール竿にタイガースパイダーの糸を巻いたセットに、大きな針と糸で巻き上げた石のおもりを組み合わせた仕掛けを取り出して親父が釣った小魚を針に刺し海に投入した・・・
『ちょっとコレでやっていてみて・・・』
「う、うむ・・・コレは・・・」
『収穫祭の時見つけた新製品、もう1本有るからそれは父さんが使っても大丈夫!』
「ほお・・・そんなモノが・・・」
「今年は色々あったからあまり見て回れなくてな・・・」
「お!そう言ってるウチにきたぞ!」
『結構大きそうだよ・・・』
俺は竿のしなり具合から大物の予想をして親父が釣り上げるのを待つ・・・
「これは結構良いぞ!!」
『父さん!下がるんじゃなくて竿についてるリールのハンドルを回して!!』
「ん?ここの出っ張りか?・・・おおお!!何かよく判らんがコレを回すと糸が巻かれるカラクリか!」
少し待っていると鰈か鮃か判らないが平べったい魚が釣れ、親父を喜ばせる・・・
初級鑑定・・・「鮃」(ヒラメ)雑食の魚で小魚などを好んで食べる。お刺身が非常に美味!
おお!!今回は俺にある程度の知識があったからか結構詳しい内容が出た・・・刺身ですよ!刺身!!
その後は釣りを続ける親父やゴバックさん、ケントを横目に俺は貝類を調べたり他の海草を調べたりしながら調査を進める・・・
きりの良いところで一端200m程離れた昨日設置した拠点に戻って昆布を干したあと、再びみんなの近くに戻った俺は自然乾燥で程度の良い昆布を細かく切って大鍋に入れると昼食の準備を始めた・・・
『飯が出来たぞ~~~!!』
昼飯ができあがり良い時間になったので大声でみんなを呼び集める・・・
「「「おおおおぉ!!!」」」
「「う、うめえぇ~~~!!」」
俺が用意していた飯を喰った連中が驚嘆の声を上げ美味さを口々に出して聞いてくる・・・
「アレン!コレは何だ?」
『美味しいでしょ!』
「あぁ~~~美味い!美味すぎる!」
親父も大絶賛か・・・くっくっくっく・・・俺が用意していた昼食、凄い創作料理って訳じゃない・・・単に調査で見つけた大きな岩牡蛎を使い炊き込み風の「かき飯」にした物と、同じように見つけた食用と鑑定された貝類や小物の魚を下準備した後、昆布ダシの取れた鍋にキノコや野菜・肉などと一緒に入れてみそ味で仕上げた鍋風汁物と一緒に出しただけだ・・・
まあ・・・天気が良くあまり風も出ては居ないけど厳寒期の海で長時間過ごしてるのだし・・・暖かい物はさぞ美味いだろう!心の中でそう思いつつも、久しぶりの懐かしさで俺も腹一杯になるまで作った昼食をむさぼり食った!
お茶を飲んでくつろいだ後で昼食の説明を親父達にして、残っていた岩牡蛎に先日の柑橘系植物の汁と醤油を少量垂らして味を見て貰うと・・・
「「「うめぇ~~~!!!」」」
全員が大絶賛だった・・・その後は、岩牡蛎の回収に走る物が続出したがそんな様子を横目に俺は準備していたカヌーで少し沖で釣りをしてみる事にした。
『天気も良いし・・・波も穏やかだし・・・絶好の釣り日より!』
「この辺で良いだろう・・・」
親父と二人、のんびりと釣り糸を・・・なんて思っていると、次から次にアタリがきてあっという間にクーラーボックスが魚で埋まった・・・ふむ・・・食用魚・食用魚・・・鮃、メバル・・・
俺が知ってる魚が少ないせいなのか、異世界の魚なのか・・・結構食用魚の表示が出る魚の割合が多いが・・・大漁だ!
岸に戻ってゴバックさんやケント達と交代すると、俺は夕食の準備とさらなる現地調査を行うべく行動を開始した。
岸を横に500m程移動して岩場に到着すると、今回のために用意した秘密兵器(罠かご)に次々と手頃な石と餌にする小魚や燻製を入れてヒモで縛り投入していく・・・まあ、反対側をその辺の岩に結びつけたし・・・満潮とかでこの辺が沈んでも大丈夫だろう・・・
その後も岩にへばりついてる岩牡蛎を回収したり昆布を拾ったり・・・岩の間に隠れていたサザエのような貝を拾ったり、アワビっぽい貝を引っぺがしたり・・・実に満足できる結果だ!
その後俺は、夕暮れが近づいていたので拠点のキャンプ地に戻って夕食の準備を始めた。
まだ1話更新します。




