003 不思議と違和感
結構書きためてるので、連続更新してみようかと・・・
勢いで投稿してる部分が80%デスので・・・あら探しではなく雰囲気を楽しんでくれたりして読んでくれる人が増えると良いな~
第3話 不思議と違和感
---かちゃり---
食堂に昼寝から目が覚めたばかりなのか、まだ少し眠そうなミーアが入ってきた・・・
相変わらずかわいいな~・・・おっとイカンイカン
「ミーア、おはよう・・・」
まだ少しぼぉ~っとした目でじぃ~~っと俺を見てくるミーア・・・
「にぃちゃ・・・ミーアもおなかしゅいた・・・」
ミーアに見つめられちょっと照れていた俺だったがガックリとする暇もなく俺の席の隣にあるお子様用のいすを引いてミーアに座るように促す・・・
さてどうしたもんか・・・たぶん作れないことはないと思うが・・・飯なんて俺が作っても良いもんなのかね?
---くぅ~~---
ま、まずい・・・ミーアってば結構お腹が空いてるみたいだし急いだ方が良さそうだ・・・
ん~~まあいいか・・・
「ミーア、これで(俺の食べかけ)でも良いかい?」
「待てるならお母様に話して何か作ってもらうけど・・・」
「にぃ~ちゃおなかしゅいた・・・」
「OK・OK・・・」「こぼさないようにゆっくり食べるんだよ」
「うん」「ハムハム・・・もきゅもきゅ・・・」
おおおお!!! これは・・・かなり破壊力が・・・
か、かわいすぎやしないか?
「ほら、チーズハンバーグも有るからね!」
ニコニコしながら口いっぱいに食べ物をほおばるミーアにドンドン和まされる俺の心・・・(はぁ~幸せだな・・・)
---ドガァ~ン---
ドォドォドォ・・・ドォドォドォ
---ドガァ~ン---
俺がミーアの食事風景に心を和ませていると突然ものすごい勢いで扉が開き誰かが飛び込んできた・・・
咄嗟にミーアを守れるよう腰を浮かせた俺だったが・・・
「みーあ!!!」
食堂に入ってくるなり大声で妹を呼ぶのは・・・(親父・・・)
「ああぁ~ミーア大丈夫か?熱を出したって聞いてお父さんはね!お父さんはね!ものすご~く心配で心配で心配で・・・」
「とうちゃ」ちょっとびっくりしたようだけど、父さんが帰ってきたと判ったミーアがニコニコと微笑みながら親父に飛びついた・・・
おいおいミーア・・・口の周りにソースがべったりと付いたままだぞ・・・
しかし、そんなことお構いなしで、ミーアを抱きしめる父さん・・・
「父さん・・・」多少あきれながら俺がつぶやくと・・・
「ん?おぉ・・・アレン!、お前なんだか無茶をしたって?」
(やばい・・・説教か?)「う、うん・・・ミーアが心配で・・・」
「うむ~まあアレだ・・・今回の件はちょっと無茶だったと思うが・・・俺が居ないときはお前がウッド家唯一の男だったからな~」
「今回の功罪を計るによくやった!」・・・
「ただし!!・・・完全に実力不足だ!今後の訓練はみっちり、しっかり、たっぷりと頑張ってもらうことになるな~」
え!・・・ソレは・・・お仕置きとどう違うんですか?
「父さん・・・」
「アレン・・・なさけない声を出すな!」「お前ももう10歳だし・・・そろそろ本格的な訓練を・・・って考えていたんだがな~今回の件でお前も自分の実力不足がよく判っただろう?」
「グランドベアぐらい片手でちょいちょいっと潰せるくらい鍛えてやるからな~大船に乗ったつもりで安心しろ」
「そういや・・・ゴバックの奴もずいぶんと乗り気だったな~」
これは・・・もしかして死亡フラグ?考えるんだ!何かを考えるんだアレン!・・・
---カチャ---
「あぁ~やっぱり・・・」「来るのが遅いから見に来てみれば・・・」
食堂に入ってきた母さんがミーアを抱きしめている父さんと考えすぎてうなり声を漏らしてる俺を見ながらあきれたように声をかけてきた・・・
!!これは救いの女神登場?
「さあミーア、レーシア様がお待ちです。」「ご飯を食べたなら居間にいきますよ!」・・・
「あい、かぁ~しゃま」
「あらあら、口の周りがソースでべたべたじゃない・・・」
さっさとミーアの口の周りを拭きながら食堂から居間へ向かおうとする母さん・・・
「これで良し」「あなたもアレンもレーシア様に挨拶ぐらいはしていただかないと・・・」「お話しも結構ですが長引くなら後にして下さいね!」
「「はい!」」親父と俺の声が重なる・・・
「まずいな~怒っちゃったかな~」親父が焦りながら顔色を悪くする・・・
「ミーアが高熱を出して危なかったって聞いて母ちゃん無視して食堂に駆け込んじゃったからな~」・・・「やっぱまずいよな~」
・・・(気まずい沈黙が流れるが)・・・
「父さん!早く行かないともっとまずくない?」
「おぅ!そうだった・・・じゃあ細かいことは後にして居間に行くぞ」
「はい!」多少もったいない気もするが食べ残しを始末して食器をシンクに持って行き軽く口をすすいだ後、父さんと俺も居間へ向かった・・・
「ミーアちゃん、軽く力を流して異常がないか確認しますからね~」
お茶のカップ(やっぱり木製)をテーブルに置きソファーに腰をかけたままミーアを膝に乗せたレーシア様が声をかけながらミーアに手をかざしてる・・・
「くちゅぐったい・・・」
レーシア様から確認の力であろう想念がくすぐったいらしいミーアが声を出したが、暴れたりすることなくおとなしく診察を受けている。
「そうね~完治はしてるけどやっぱりちょっとからだが弱ってるから・・・」「お兄ちゃんと一緒で2~3日安静にしている方が良いわね~」
にこやかな笑顔でそう告げるレーシア様・・・
「に~ちゃといっちょ?」俺と一緒と聞いてニコニコ笑顔のミーア・・・あぁ~なんてかわいいんだ・・・
「「嫁にはださん!」」俺と親父の魂の声が響き・・・居間で笑いをこらえるレーシア様、あきれる母さん・・・訳がわからないもののニコニコ笑顔のミーア・・・
「ま、まあ・・・お気持ちは判りますが・・・ほどほどに・・・」
「「は、はぃ・・・」」思わず出てしまった魂の叫びをたしなめられ大いに照れる親父と俺が小さく答える。
「それでは診察も終わりましたし、家族のだんらんをおじゃましても何ですから私はそろそろ院の方にもどりますね」とレーシア様が言うと・・・
「本当にうちの男どもはバカばっかりで・・・ろくなおかまいも出来ませんで申し訳ありませんでした。」っと母さんが答えると・・・
「いえいえ、それでは・・・」膝に乗せていたミーアを母さんに渡し、治療院に帰って行くレーシア様を家族全員で見送る・・・
見送りの後、バカ兄貴の「俺」と親ばかの「親父」に母さんからの厳しい-O・HA・NA・SI-がまっていた事は言うまでもない・・・><
母さんのせっきょ・・・ゲフンゲフン・・・お話しと夕食も終わったその日の夜・・・居間でくつろいでいると俺の教育と訓練について家族で話し合いがもたれ、反論できなかった俺はガックリと肩を落としつつ母さんとミーアに「アレンちょっと臭うわよ!」「くちゃい?」との声にとどめを刺され・・・親父の「久しぶりに一緒にはいるか~」の声と共に風呂場へ連行されていった・・・
ん?そういや風呂って・・・
我が家は村長なんぞやってるせいなのか・・・村の一般住宅に比べ作りは古いが家が大きく部屋数も多いし風呂も大きい・・・今まで気にしていなかったがなんと10人は余裕で入れる大きさの「温泉」である!
しかし・・・何で一般家庭に温泉があるんだ?ここは温泉地じゃなかったはずだし温度管理だって・・・技術的な謎がいっぱい有るよな・・・この際だ軽く聞いてみようか・・・
温泉につかり上機嫌の親父から聞き出した話を纏めると・・・
我が家が古くて大きいのは、開拓団を作ったとき最初にみんなで共同生活を送っていた家をそのまま団長だった父さんが村長の家としてつかっているからで、風呂が大きいのもその名残らしい・・・
上下水道や食堂の設備、食器なんかの謎については想念法なんかが係わってるらしく明日からの教育できちんと教えるから待てってことだった・・・
グランドベアを片手で・・・とか地獄の特訓でもされるんじゃないかと戦々恐々としていた俺だったが、なんだか明日以降が多少楽しみになってきて気持ちを向上させていると・・・
「アレンもそんなことに興味を持つようになってたんだな~やっぱり本格的に教育と訓練をすることにして正解だったか・・・」などと上機嫌のまま親父がつぶやいている。
「アレン、今夜はしっかり寝ておけよ!」「レーシア様も仰っていたが・・・どうせ2~3日は安静にしなきゃいかんのだからしっかり勉強してもらうからな・・・」「勉強の座学って言うのは凄く眠くなるんだぞ!」「きちんと寝ないで居眠りをしたら・・・判ってるな?」
親父・・・それはあんたの経験談か?俺は想念法やらこの世界の技術やら疑問がいっぱいで逆にわくわくしてるんだが・・・
「はい!判っています。」「まじめに頑張ります。」っと少しかしこまった声で返答すると・・・
「うむ・・・結構結構!判ってるならさっさと上がって寝るとするか・・・」などと上機嫌で風呂から出て行った・・・
ん~本気でワクワクしてきたぞ・・・今晩寝られるかな?
そんな心配をしつつ風呂から上がって自分の部屋へ戻った俺はすぐさまベットへ入るとほとんど抵抗もなく眠ってしまった。
・・・(子供の身体って結構便利に出来てるのかも?・・・)