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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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034 夏の湖畔でバカンス!

本日3話目!

第34話 夏の湖畔でバカンス!


翌朝目が覚めると・・・


いつの間にか戻って、酒瓶を抱え部屋の隅で寝てる親父に毛布を掛け、母さんや兄さんと小声で朝の挨拶を済ませ、まだ寝ているミーアの寝顔を見て軽く頭をなでると朝食の準備に向かう母さんと別れ、兄さんを有る場所に案内した。


サプライズ企画第2弾の会場・・・プールへである。


俺たちが準備したプールは、本来なら大型のボートや船に使う乾ドックや船揚場とでも言うべき場所だが・・・

当面、大型の船を造る予定もないが今回のバカンスに合わせ、「安全に泳げる場所を作ろう!」とみんなで頑張って作って準備してあったものだ!


周囲を囲む木の柵をテント生地で隠し、3mほど周囲に整地され石畳に囲われた30m×50mほどのプール(乾ドック?)を見た兄さんは・・・


「すごいな~床を斜めにして水深を変えたり、向こうの水門で入る水でも変えられるようになってるのか・・・」


『まあね~ここなら急に深みにはまることもないし、水温も多少調節できるからね~今は水を温めるために上を開けてるけど、竹で組んだ屋根をかけて急な雨でも有る程度快適に使えるようにしてあるんだ・・・』

『ほら!あそこの水門・・・20mぐらい壁というか丸太が柱になっていて防水処理した板で作ってる部分、あそこを開くと湖につながっていていずれ大型の船も楽に出せるけど・・・まあ~本来の用途に使うならいずれキチンと屋根を整備する必要があるかもしれないけど・・・今は充分安全に泳げるプールだからね~』


そう・・・安全に泳げる!

それが重要なのだ!・・・この世界、水棲スライムなどというものが生息しているため、一見で安全そうな場所でも泳ぐには注意が必要だったりする・・・


最初は一部のイケスをプールとして利用可能にしようと言う考えもあったのだが・・・この湖に生息する巨大魚を安全に釣るためにいずれ大型のボートなどを作るにしても、陸上で作って湖に運ぶのは大変なので色々考えた結果、乾ドックというか船揚場というかこの施設の建設が決まり・・・まあ当面プールとして利用してれば無駄にならないという意見が多数を占めたのだ!


おかげで結構大変だったが・・・成長期なのか作業で身に付いた体力なのか、無難に作業が進み1週間も掛けずに今の状態まで完成させた・・・


『一応、朝食後にでもみんなにお披露目するから・・・それまでは内緒ね!』


「うん、判った!みんな喜ぶと思うよ~」


『まあ、喜んでくれれば頑張って作ったかいもあるってもんさ!』

『じゃあ、朝ご飯を食べに戻ろうよ!』


「そうだな~戻るか!」


兄さんとのプール見学を終え大魚亭に戻ると・・・昨日はおとなしかった親衛隊が、兄さんめがけて突進してくるのが見えたので、俺は速攻でその場を離れた・・・

(触らぬ神に祟りなし!)


両サイドの窓と窓扉を開け放ち、網戸越しではあるがさわやかな風が通り抜ける食堂で朝食を取った後、お茶などを飲みながらくつろぐ家族達に10時からプール開きを行うことを伝えると・・・


「え!泳げるのか!」とか「そんなモノまで・・・」とか色々声が上がったが、おおむね好評のようだ・・・

つうか・・・やっぱり皆さん、水着を持ってきてたのね・・・

村のそばの川なら流れがあるから水棲スライムもほとんど居ないけど・・・湖だと池なんかと同じで流れが無かったり緩やかな分、水棲スライムも増えるって言うのに・・・夏だから泳ぐ気満々だったわけだ・・・まあ、好評みたいだし・・・


こっちの常駐組と一足早くプールに準備のため向かいながら、妹のミーアの反応を予想して笑顔で作業に加わった。





予想通りというか・・・

プールを見たミーアはメチャメチャ喜んだ!

数日前から水を入れ、太陽の熱で泳げるまで温まったプールの端で親父と母さん、兄さんに囲まれ水際で遊んでいる・・・


俺は、プールサイドに設置したビーチパラソルと丸テーブルを組み合わせ組み立て式の椅子と、同じく組み立て式の寝椅子?ベンチ?と一緒に作っておいた「浮き輪」を持ってミーアのもとへ向かった。


俺が作った浮き輪は、防水にスライムの皮を張ったピンク色の獣皮(染めた)を貼り合わせ底というか人が入る部分に丈夫な布を使って、ちょうど赤ちゃんの歩行器のように跨り水の中で遊べる自信作だ!


浮き輪を始めて見たミーアはきょとんとした顔で居たが・・・

浮き輪を使って足の着かない深さの場所に行っても、親父や母さん、兄さん通れに囲まれてニコニコ、キャッキャと大はしゃぎで喜び気に入った様子だ・・・


ミーアの喜ぶ様子を見て顔をほころばせた俺だったが、浮き輪につなげたロープを母さんに渡すと兄さんとプールサイドに移動した。

兄さんにテーブルや寝椅子?ベンチ?の説明をした後、その場をさりげなく離れると・・・やっぱり!・・・親衛隊の面々が自慢の水着を身にまとい兄さんを取り囲んでる・・・

(くっくっく・・・餌を与えておけばこっちに被害が来ないという頭脳プレーだ!)


俺はにやりと少し悪辣な笑みを浮かべると、水門へ向かいそこで冷たい湖の水で冷やしておいたフルーツや果汁のジュースを取り出し、プールサイドのテーブルの上に置いて「こっちに良く冷やした果物やジュースが用意されてますので、ご自由にお楽しみ下さい!」っと声を掛けてその場を他のメンバーに任せると大魚亭に戻り、昼食やボートの状況・・・利用者の予定など裏方作業に全力で頑張った・・・

(まあ、今回は家族とは言え・・・お客をもてなす側だからな・・・)


親父や狩猟団のメンバーの考えはかなり入ってるが・・・俺の意見をもとに暴走気味で村の予算を使ってしまったので、ここら辺でサービスして賛同者を増やしておかないとつるし上げられそうだったからね・・・


しかし・・・『何で自分が楽しむために考えた施設で、裏方に専念してるんだ俺?』何かが違う気がするが、ミーアの笑顔や周りのみんなの喜んでる声を聞くとどうでもいい気がしてきたので放置して、各所での作業を見て回り常駐組にも当番後は家族と過ごすよう声を掛けつつ昼の少し前には何とか家族のもとへ戻ることが出来た。


『ところで、昼食はどうするの?』


「どうするって・・・?」


『いや・・・こっちで食べても良いし、食堂に戻っても良いし、昼食は軽めにサンドイッチやつまめるモノにしてあるからどこでも食べられるよ!』


「アレン・・・何だか板に付いてるというか・・・頼もしくなったな・・・」


『やめてよ父さん!僕はただ、知識で知ってるからそれに併せて何とか準備してるだけだよ・・・』


「まあ、それでもみんなが楽しめるように考えるのは良いことだと思うぞ!」


「そうね~良いことをしてるんだから褒められて照れない!照れない!・・・」


そう言って両親で俺の頭をグリグリとなでてくるが・・・メッチャ恥ずかしいし・・・ミーアがまねして「ミーアも!ミーアも!」などと言ってきて、親父に抱きかかえられると俺の頭をなでてくる・・・嬉しいことは嬉しいが・・・かなり心が・・・


まあ、そんな感じで多少どたばたとしたが・・・結局プールサイドで昼食を食べることになり、サンドイッチを家族で食べることになったが「ローストミートサンド・シュリンプサンド・フィッシュフライサンド・野菜サンド・卵サンド・各種ジャムサンド」どれも好評で付け合わせに「フライドポテト」と良く冷やした麦茶とジュースでセットにして出したのが大成功したようだ・・・


まあ、コレも記憶にあるバーガーショップなどのセットメニューを再現したのと・・・夏と言えば「麦茶」だよね~と適当に麦を焙煎して煮出しして見たら麦茶っぽい飲み物が出来たので良く冷やして「麦茶」と言ってるだけだ・・・(結構美味しい!)

一応、普段から飲み慣れてるハーブティーも用意していたが冷やしていなかったせいか、あまり飲んでる人がいないようだった・・・


しかし、冷たい飲み物を木のマグカップで飲むのはやっぱり少し違和感があるな・・・ガラスの器とまでは言わないが・・・焼き物なら何とか作れるかもしれないし・・・兄さんへの技術調査リクエストか現物調査に加えてお願いしておこう・・・





昼食が終わると、ミーア達幼児組とその母親が昼寝に移動を仕様としていたので・・・


『こっちに良い場所を作ってあるから・・・』と誘導し、皮のテントで作ったタープで日陰になってる場所を案内し、杭を打ち込んだり自生してる木を利用して設置したハンモックを使うように言うと・・・子供だけではなく親も昼寝に加わる様子だった・・・


まあ、寝椅子も設置してあるし、日陰になっていて心地よい風が吹いてるので快適な休息が出来るだろう・・・

俺は静かにその場を離れ・・・昼食の後片づけや、他の準備を終わらせるとケントと合流してボートで釣りに出た。


『ふう・・・結構疲れるな~』


「まあ、一応でもアレンはココの代表者だからな~」


『とりあえず無事に進行できてほっとしたよ!』


「苦労したかいがあるってもんだ!」


『まあ、とりあえず施設とか用意したモノは全部紹介したし・・・後はみんな自由に楽しんでもらえれば、今回は成功と言っていいんじゃないかな~』


「そうだな~だけど・・・たぶんだけど・・・またすぐ忙しくなると思うぞ・・・」


『何だよ!人がどうにか無難にこなしてほっとしてるのに・・・』


「いや・・・ココで暮らしてる俺でも楽しいから、後から絶対に他の村の人や子供も来ると思ってな・・・」


『あ!・・・それ有りそう・・・ココを作るのに結構村の予算使ってるし・・・建築の説明で村の保養所とか話した記憶も・・・』


俺が記憶を掘り返して顔を青くしていると・・・


「だろ?、まあ今回のメンバーが帰ってから1週間ぐらいはゆっくり出来そうだし・・・その間に休息を取って英気を養うのが良いと思うね~」


『そ、それしかないか・・・』


新たな問題というか、疲れそうな予想の段取りを考えつつため息を吐き・・・とりあえず棚上げして俺はケントと釣りを楽しんだ・・・


最初の予定では・・・10話か20話ぐらいの短い話を書く予定だったのに・・・


ノリと勢いでここまで長くなってます。


現状でストックしてる話が第42話で、まだ続いてるのですが・・・有る程度きりの良いところまで書いたら、一端更新をやめて全面的に見直しをするか、話を整理して別タイトルを付けて再度投稿するかも・・・です。

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