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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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033 湖の巨大魚!②

第33話 湖の巨大魚!②


まあ、悪い予感ほど良く当たる物で・・・その日の夜みんなに親父が提案したのは・・・「ボートをすぐに作ろう!」とこの新拠点に「大型のイケスを作って大規模実験をしよう」最後はここを「大魚亭」と命名するって話だった・・・


大漁でテンションが上がりまくったみんなは当然賛成して・・・製作と新拠点の正式名称が決定・・・(製作って、誰が作るんだよ?誰が!・・・やっぱ俺らだよな・・・)

俺が顔色を悪くして黙っていたのでケントが心配していたが、すぐさま賛成していたケントも親父から作るのは「職人じゃなく全部俺たちででやる」・・・しかも、こっちに残る新人がメインでやるって聞いて、子供組全員が同じ顔色になってたから今後はもう少し考えるようになるかもしれない・・・


まあ、翌日からの作業は増えたけど・・・イケスは簡単に出来た・・・規模にしては・・・だけど・・・

50m×20mのイケスが4個、掘り出したり整地した時出た土で段差を作り、落差で1番のイケスから順々に水が流れる力作だった・・・排水をどうするかで苦労したが、結局湖まで排水路を造って流すことで決着した。

苦労したのは・・・排水路を作るのもだが、元自警団組の奥様がついでに下水道を造らせようと画策したためだったが・・・

(まあ、気持ちは判る!村のように下水道が有れば食器洗いとか楽になるし、トイレも水洗に変えることが出来るからね・・・)


結局は予算が足りず(大魚亭は、グランドベアの毛皮が高額で売れた有る意味あぶく銭だったから一気に作る資金として許可が出た)自分たちで地道に作るか数年掛けて予算を貯めて職人に頼むか調整が難航したが、自分たちで作ることになった。

俺は当然職人に頼むに賛同したが、1日でも早く欲しい現地派(奥様)と予算を使いたくない親父達村の首脳陣の包囲網にあっさり負けた・・・


まあ、排水路自体はいずれ上水道を作った時に余剰の水を流し込むことで役に立つし、下水道は昔の宿泊拠点の裏手にある川の下流につなげることで早急に作る事になった。(奥様連合粘り勝ち!)


以前の拠点裏の川は、大きく蛇行して湖から流れ出した支流と合流し海まで流れてるらしいから精神的に助かった。

(だって、スライムに処理されてるけれど・・・ウ○コとか流れる下水の流れ込む場所で、魚を釣って喰いたくはないぞ!)


その後始まった忙しい日々は、確実に俺たちを成長させつつ強固な肉体を作り上げていった・・・と言えばかっこいいが・・・

その実態は・・・身体を仕事で無理矢理に鍛えられ、あきらめの境地に達した精神が鍛えられた結果だ!

努力のかいもあり、7月の半ばにはほぼ全ての設備が整った。

宿泊施設・馬屋・納屋・イケス・暫定下水道・手こぎボート20艘・船着き場・周囲を囲う柵・・・


親父の話じだと・・・村を名乗るには、大魚亭で整備した500m×500mのエリアが最低4×4で16個(分村)、頑張るなら8×8で64個(正規の村)のエリアを整備しないとダメらしい・・・

(つーか、親父のヤツ村にするのを狙ってないか?後・・・大魚亭って、明らかに旅館とかホテルを狙ってる気がするんだよな~)


まあ、石塀で囲うのは人の住む中心地のみで、畑や水田は最低限の木の柵で囲って耕作可能な状態なら認められるらしいけど・・・




色々と疑問は残るけどとりあえず生活するにも、レジャーで訪れるのも有る程度快適な環境が整備され、もうすぐ王都から帰ってくる兄さんと一緒にみんなの家族も大魚亭に訪れる計画が進行中だ!

(兄さんもミーアもここを見たらびっくりするだろうな~)


俺は、新しく改造された水洗トイレで用を足しながらサプライズ企画を考えずに現実逃避をして居る真っ最中(笑





数日経った7月29日の夕刻、父さん達に率いられた家族が到着した。母さんやミーア、兄さんに会えるのは嬉しいが・・・余計なおまけが付いている・・・

兄さんの親衛隊・・・6人組も親に連れられて来てるじゃないか!

(ぐぁ~~そう言えば6人とも、狩猟団のメンバーの子供だった!)

忘れていたのは、きっと脳が考えることを拒否していたからだ・・・つうか、思い出したくなかったぞ!すぐさまケントのもとに行き2人で対策を協議するが・・・


『「とりあえず、あまり近づかないようにしよう・・・」』という、結論なのかはなはだ疑問な対策を確認しただけに終わった。

まあ、そんな不毛な相談をしてる間にも到着組は着々と準備してる訳で・・・男性陣は早速ボートで釣りに・・・女性陣は大魚亭の掃除と宿泊準備、それが終わると温泉・・・って感じでここでのバカンスを楽しむべく着々と作業を進めていく・・・


「アレン、予備のベットは何個有るの?」

「アレン、宿泊の割り振りは決まってるの?」アレン、アレン、・・・


こっちの責任者?っぽい俺は女性陣に質問攻めにされ、案内などをしながら忙しく準備を手伝った。


難航した部屋割りだが、16有る客室?の内2部屋は管理人夫婦が使用中で残りが14部屋、俺たち新人訓練組が1人1部屋を使っていたのでそれぞれ家族を泊めることにして残り4部屋、狩猟団の残りは10人だが今回来たメンバーで奥さんとか家族を連れて一緒に来た人は兄貴の親衛隊の残り4人の親しか居ないので、何とかそれぞれに残りの4部屋を提供して落ち着いた。

(親父・・・一応部屋割りも考えて編成してきたのかな?)


まあ、うちのように親父・母さん・兄さん・俺・ミーアの5人で1部屋を使う家族もいれば、父親と母親・息子の3人の部屋や両親+子供が5人とかぎちぎちの部屋も有ったが皆家族と過ごせるので不平や不満も出ずに納得してもらえた。

まあ、きついようなら子供達とか一部でキャンプを提案しても良いかもだし・・・昔の宿泊拠点も使えるから大丈夫だろう!


俺は意識を切り替えると今夜のサプライズ企画の準備に入った。





釣り組が帰り、準備していた女性陣も落ち着き夕食の時間・・・食堂からウッドデッキを経て庭につながる大きな扉窓を開放してみんなに集まってもらうと、庭の片隅に作ってあった大きなバーベキューの焼き台の火加減を確かめ「それでは、家族との再会に感謝しここで楽しい生活が送れることを願って夕食にしたいと思います。」

「乾杯!」・・・「「「乾杯!」」」と挨拶をさせられた後、俺は巨大な下準備済みの魚(2mサイズ)を自分の空間から取り出し焼き台の上に置いた!


「大きい!・・・」

「凄い!・・・」

「・・・」

様々な感嘆の声を聞きつつ、俺たちのサプライズ企画「巨大魚の丸焼きとバーベキュー」がスタートした!


メインの巨大魚の丸焼き・様々な肉と野菜の串焼き・さっぱりとした冷製スープ・沢山のおにぎり(残念ながら海苔は無いし具も入っていない塩むすびだが)ソーセージに魚の塩焼き・・・

沢山の御馳走と樽ごと湖に沈めて予め用意していた。冷えた飲み物・・・歓迎パーティーがにぎやかに時を刻んでゆく・・・


「おう、アレン!良く準備できたな・・・」


『あ!父さん・・・まあ、何とか用意できたよ!』


「いや、コレは楽しいぞ!よく考えた!!食い物も飲み物も良い感じだしな~」


『まあ、父さん達が炭や米・醤油・味噌・塩等、色々持ってきてくれたからね!収穫祭みたいで楽しめるでしょ?』


「おう!確かに規模は小さいが収穫祭のようだな~」

「お前に炭を買ってくれとか、米や味噌・醤油も用意して欲しいと言われた時には何をするのか少々疑問だったが・・・こういった皆で楽しめる事だったなら文句はない!」


『まあ、みんな来るにしてもレジャーは楽しんでこそだからね!』


「うむ!この調子でこれからも頼むぞ!」


『まあ、頑張ってみるけど・・・次からはもう少し人数を抑えてくれると、部屋割りとか色々準備が楽かな・・・』


「あぁ~人数な・・・まあ、今回は初めてだし一応部屋に収容できる人数まで減らしたんだが・・・多かったか?」


『ん~多いというか・・・次回からはきちんと部屋割りを決めた上で人数を決めた方がゆったり出来ると思う・・・希望者が多くても、何回かに分ければ良いだけだし・・・』


「まあ、そうなんだが・・・今回は希望者が多かったし、初めての利用だからな・・・なるべく多くの人に楽しんでもらえるよう人数が多くなったな・・・」


『それも判ってるから・・・次回からで良いよ!』


「ん!判った!次回からはもう少し人数を加減するようにする」


そんな感じで親父と話をしていると・・・


「アレン!ここにいたのか、探したぞ!」


兄さんが合流して大魚亭をはじめとする施設群の話やバーベキューに巨大魚の話、大規模なイケスやボートなど新拠点の色々な話題で盛り上がった。





「花火が有ればな・・・」思わず言ってしまった俺の言葉に兄さんが反応する。


「花火って王都で新年や記念日に上げてる花火か?」


『ん~・・・その花火がどんな花火か知らないけど・・・』兄さんに俺が記憶してる打ち上げ花火や、家庭用の手持ち花火の話をしていると・・・


「ほう!そんな花火が・・・だが、そんな花火は見たことも聞いたこともないな・・・」


「そうだね・・・王都の花火は煙と音だけだから・・・」


「ん~まあ、無い物をねだっても仕方がないどうしても欲しいなら自分で作るか、どこかの工房に依頼するか・・・」


「ん~王都に戻ったらフォード工房で聞いてみようかな・・・」


『あ!兄さん工房に行ったんだ!』


「ん?ああ・・・当然行ったぞ!、今じゃ週に1~2回顔を出してすっかり仲良くなったからな~」


『へぇ~気が合いそうだとは思ったけど、ずいぶん親しくなったものだね・・・』


「あ!そう言えば・・・アレン「チャリ」だっけ?アレの試作品を預かってきたけど、こっちに来るには荷物だったから家に置いてあるぞ!」


『え!アレの試作品出来たの?どんな感じなんだろう・・・』


「まあまあ、とりあえず家にあるんだし戻ってからかこっちに持ってきて実際に見てからのお楽しみって事で・・・」


『え~凄く気になるんだけど・・・』


「今回は大量の食料や調味料、炭や旅行の荷物で父さんも容量がな~そのうち運んで貰うか、自分で戻って確認してみるまで楽しみに取っておけ!」


「まあ、次は持ってきてやるから・・・」


『判ったよ・・・次は絶対だよ!』


俺はコレまでの苦労も忘れ、新しいおもちゃ・・・道具の事を想像しつつ親父から言質を取った!


その後は酒盛りを続ける大人の男達を放置して、母さんや子供と同じように温泉に入りさっぱりとすると、狭くなるのでベッドを納屋に片付けた部屋に戻ってみんなで雑魚寝した・・・

(親父がどこで寝るかなんて知らん!酒を飲んで外で寝てくれれば多少部屋が広く使えるからな!)

そんな事を考えつつ久々に家族で寝た。


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