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新世界での生活  作者: 投稿初心者
26/108

025 家族会議

第25話 家族会議


さて・・・新年早々だが、バトル開始!


ってな事にはならず・・・

親父の『ウイリアム、正直に答えて欲しい・・・家を継ぐ気はあるか?』の声で始まった家族会議だったが・・・


反論というか・・・すぐさま答えようとした兄さんを制して、物作りが好きなのは当然承知してるし、自分も昔はその道に進みたかったこと、幸い自分はまだまだ現役だし俺もいればミーアもいるし、ひょっとしてさらに下に兄弟なんて事があるかも・・・とか言いだし、母さんに頭をはたかれながら親父は兄さんに進みたい道に進んで良いって事を話すと・・・


兄さんの方も「いずれは王都で工房を構えるか、学院の教師として研究と教育に携わりたい!」っと夢を語り、最初の緊張って何だったの?って状態になった。


まあそれで・・・色々話してたわけだけど・・・暫定的に俺が跡取りって話になって、俺も別に拒否する理由もないから承知した。

(正直ここの生活気に入ってるし・・・)

大体俺の中にある無駄知識というか別の記憶だと、こういった異世界物(転生物)だと・・・強力な魔物や魔王が居て主人公(転生者)が苦労したりしなかったりハーレムだったりそうじゃなかったり、波瀾万丈の生活を送るわけだけど・・・

ああいった世界って怖くないか?

ハッキリ言うけど・・・俺は怖い!

この世界での俺はまだ全然ガキで、戦闘力とか知恵って部分でも多少補正はあるだろうけどたいした存在じゃない!

そんな俺がもしもこの世界に強力な魔物や魔王なんかが居たら、間違いなく神を呪って引きこもるね!

だが、俺が生まれたこの世界・・・小神契約とやらで魔と呼ばれる魔物的存在こそ有れ、普通の人間でも対処可能な獣レベルだし・・・有る程度集団で動けるならそんなに怖がることもないし、魔法みたいな想念法とか別の世界の技術もあって結構暮らしやすいんだよね~

全部最初から開拓しろとか、拠点も庇護もなく草原や荒野にほっぽり出された場合を考えると神に感謝しても良いぐらい幸運な状況な訳だ・・・


しかも、現在将来の明確なビジョンがない俺にとって次期村長候補!って言うのがほぼ確定した現状は、拒否する必要もないし・・・親父も強圧的って訳でもないので、将来的に何か本気でやりたくなったら応援してくれそうな感じすら有るわけだ!


まあ、こんな訳で・・・もめるかと思った家族会議は実にあっさりとわだかまりもなく終了したわけだが・・・

その後の話が、俺の記憶やら現在お悩み中の「組み立て式小型船」の設計の話になったのは何でだ?


色々話してる最中に俺の買った「手作りボートで船遊び!」のカヌーを見てやっぱ基本はこれでしょって感じに話が流れ、丸木船じゃ重すぎるし・・・全木製だとやっぱりきついって話に流れ・・・

結局、木で骨組みを作って必要なら補強して防水性のスライム皮や動物性の皮を船体のメインに採用して、安定性の向上のため片側か両サイドにアウトリガーって言う浮き見たいのを付ける構造にした方がいいんじゃない?って感じでしごくお気楽に、今まで何で悩んでたの?ってぐらいあっさり基本が決まり、簡単な構造図まで書き終わった。


(まあ、兄さんも親父も家族会議で話すべき事を結構悩んでいて、ろくにアイデアなんて出なかったんだろうな~とは想像できるんだけど・・・)


結局その日の家族会議は、俺が作りたい船の話に大半の時間を費やしたと言って過言ではないだろう!ただ・・・


(昼寝から復活したミーアが船の話を聞いていて、「のゆ!みーあものゆの!」とかまだ完成すらしていない船に乗ると言って宣言をした物だから・・・親父も兄さんも俺以上にテンションが上がり・・・)

俺も含めて、兄さんの帰省中に基本設計を決定して俺と親父で春までに完成させることが、我が家の男会議で決定した。


そんな感じで平和に終わると思ったけど・・・思っても見なかったことが一つ発覚して、俺と親父は落ち込んだんだよね~


ミーアってば・・・俺や親父より兄さんになついてる!

そりゃ~兄さんは母さんのクローン?ってぐらい母さんに似て美形だよ!

母さんになついてるのも、母親なんだから判るよ!・・・でもさ・・・普段居ない兄さんより、俺や親父になついていても良いんじゃないか?

(ハッキリ言おう、俺はこの時「イケメンもげろ!」って念じちゃったね!・・・たぶん親父も似たようなことを思ったんだろうね~兄さん、急にビク!っと反応してたから・・・)


まあ、家族間でちょっと軋轢は生じたけど・・・おおむね平穏に正月は過ぎていった。


(そう言えばこっちって、お年玉の風習も無いんだよね~クリスマスのプレゼントもないし・・・子供にはちょっと寂しいかも・・・)


まあ、正月って言うか新年が明けて落ち着いたら速攻で船の設計に入った。「失敗したら改造したり、やり直せばいいさ!」って感じの有る意味、乱暴きわまりないノリで設計はあっという間に終わりすぐさま制作に入った。

前から相談してたゴバックさんとケントの親子も加わり一気に制作熱が高くなったが、結構難しいんだよね・・・


色々失敗してる間に手持ちの木材が少なくなってきたので、村の裏山に親父・俺・ゴバックさん・ケントの4人で狩りというか素材採取に行った。

出発の朝、飯を喰った後で親父から前に言われた、ウィンドウルフの毛皮を加工したベストというか防寒着を貰ったら、兄さんがちょっとうらやましそうにしてた。


防寒もバッチリな新装備で裏山に行ったが、特にめぼしい獲物も出ずに結局船用の木材を集めて帰ることになったが、俺はもう一つ目的があってみんなの同意を得て実験を行った。


「銃」の試射である。


「この辺で良いかな?」


『もう少し上の方が良いんじゃないか?』


「このあたり?」


『良いぞ~戻ってきて始めて見ろ!』


俺は的用の木の枝をぶつ切りにした小さな丸太を雪で作った壁の上に並べると、まずは立ったまま銃を構え引き金を引いた!

(ダ~ンでもなくボス・・・でもなく、ブォフゥーって感じの銃声?がして一応的に当たったようだ)

「なあアレン・・・それって火の想念法と風の想念法を使った物だったよな?」


ケントがそう聞いてきたので、「そうだよ!」っと短く答えると・・・


「なんか、音しょぼく無いか?」などと言いやがった!


まあ確かに、音は俺も拍子抜けするほどしょぼい!だが、射抜かれた的は文字道理木っ端みじんにはじけ飛んでる。

親父やゴバックさんは、『意外と破壊力があるな・・・』とか『結構役に立つんじゃないか?』などと言いだしてるが・・・

俺が狩りに使うデメリットの多さを話すと、ちょっとがっかりして『何とか出来ないかな~』とか『改造するとしたら・・・』などと言いだしたので、俺は露店の店主から聞いた昔工房でさんざんいじり回して失敗してる話を教え、じっくり時間を掛け実験する方針を伝えると、『どういった方向で実験するのか?』と聞かれたので「とりあえず連発にしたい」って話をすると、おもしろそうだから狩猟団でもアイデアを募集することになった。


(なぜこうなった?俺は趣味で改造とかして暇つぶしにしようと思っただけだったのに)


後で聞いたら・・・俺が使える程度の低威の想念法であそこまで威力があるなら、連発式になれば使い用はある!って考えたらしい


まあ、そんなこと知らない俺は解決法を思いついていたけど黙ってたんだよね~

俺が思いついていた解決法は、弾倉を付けるって言う単純な物!しかもライフルとかの箱形?弾倉は難しそうだから拳銃とかで使ってる、レンコンって言うのか?5発~6発ぐらい装填できるヤツ!

あ!リボルバー式だっけ?アレを付ければ良いんじゃね?って言うごく単純な考えだった。


そんなこんなで銃の実験も終わり家に帰ると、兄さんの親衛隊が最近設計や製作で引きこもってる兄さんにしびれを切らし家に押しかけてきていた。

恋する女は強いってか無茶するよね~だけど、うちの兄さんはハッキリ言って朴念仁というか・・・

こいつらの目的が本気で王都に興味があったり、学院に興味があって話をしに来てると思ってるから、にこやかに懇切丁寧な説明を続けてる・・・報われないよね~


まあ、俺としてもこんな奴らを「姉さん」なんて絶対呼びたくないから、兄さんには王都で嫁さんを見つけて貰いたいね~


女三人寄れば姦しとか言うけど倍の6人も来てれば本気でうるさいよね!

まあ~俺は近寄る気にもならないから、親父と一緒に冷え切った身体を温めるため速攻で温泉に入って逃げたけど・・・


たっぷり温泉に入って身体を温めてから出ると、さすがに夕食の時間だったからそれぞれ家に帰ったようで俺は心底ほっとしたね!


そうそう・・・夕食の後、いつものようにお茶を飲みつつまったりしてる時、王都の話で思いだしたヘンリーさんの事を兄さんに話すと、メッチャ喰いついてきた・・・


まあ、俺は当分王都なんて行く予定もないし兄さんなら結構話も合うかと思い、預かったというか貰った金属片と紹介状を書いて帰る前に渡す約束をした。


それを渡す時には、兄さんに王都で色々さがして貰おうと思ってるけどね~正直手持ちの醤油も味噌ももうほとんど残ってないし、うちの村と言うか・・・ぶっちゃけ俺の経済状況じゃそうそう輸入って言うか、行商人ルートで仕入れるわけにも行かないからね~

商工会で依頼を出せば買えるだろうけど、運送料が結構かかるので俺が頼む量じゃ正直高すぎる。

この世界、移住者が結構居るし王都あたりなら絶対詳しい製法の本が有るに違いないからね~

特に兄さんの場合、学院に居るわけだし図書室ぐらい有るだろうからさらに可能性は高いし・・・最悪でも書き写したメモぐらいは手にはいるだろう・・・


そんなことを考えつつ、その夜俺はヘンリーさんへの紹介状を書いた後、兄さんに探して貰うリストを作り始めた。


①醤油の製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

②味噌の製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

③日本酒の製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

④鰹節の製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

⑤みりんの製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

⑥カレーに必要な香辛料とその製法、当然この村に無い物なら必要な資材の製法か現物

⑦ラーメンの製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

⑧漬け物の製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

⑨砂糖大根での砂糖の製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物

⑩他に良さそうな物の製法とこの村に無い物なら必要な資材の製法か現物


ちょっと欲張りすぎかな~なんて思いつつ、兄さんには貯めてあった銀貨3枚分ぐらいのお金を渡して「これで買える本か、調べて判る範囲で良いよ!」って当然言ったよ・・・俺だって鬼じゃないし家族に無茶を言う気はないからね~


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