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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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022 収穫祭!⑤

第22話 収穫祭!⑤


露店の集まってる広場に行って今度はゲーム系を見て回ったり、遊んだ俺たちだったが・・・出入り禁止になった!


「だからあそこでヤメロって言ったのに・・・」


「いや・・・悪い・・・」


「まあ、ケントの気持ちも判るけど・・・俺も結構やっちゃったし・・・」


「まあ、結構賞品が取れたな・・・」


「1回銅貨2枚で3発の挑戦を、10回も全部命中させて露店の親父を泣かせたヤツのセリフかよ!」


そう・・・俺たちは、ゲーム系露店をはしごして回り・・・最後には、露店の親父を泣かせてしまい・・・見事にゲーム系露店で出入り禁止を言い渡されたのだ。


いや・・・だって・・・俺たち訓練してるし・・・最初の露店でインチキ臭いまねをされたので、ちょっと観察して癖を掴んでからゲームに参加したら見事に命中したので、ちょっとはっちゃけた!


仕方がないので、又も道具やアイテム系の露店を見て回ってるのが今の状態って訳で・・・俺たちは今、大工道具とか細工道具を扱ってる露店で、ケントが大工道具20点セット銅貨78枚を店主と交渉中だ!


『粘るな~坊主!・・・最後だ、銅貨65枚!これ以上は無理だ・・・』


「ん~判りました。それで買います」


『ふう・・・やっと決めたか!良い交渉だったぞ・・・おまけでこの釘セットを1個サービスしてやろう』


「ありがとう!」


あ~ケントが押し切られた模様・・・最後に釘セットって、まだ余裕あったんじゃん・・・まあ、こういう事は言わないのが人付き合いのコツだな!


しかし、この世界・・・露店は、値切る交渉が当たり前なんだな~村じゃ定価販売だけど、俺もごく自然に露店で値切ってたし・・・


ホクホク顔のケントとさらなる露店を開拓すべくあたりを見ていると、ガラクタ市のように乱雑に物を置いた露店の奥にマウンテンバイクらしき物が置いてあった。


「アレは、・・・」


思わず駆け寄ってそれを見ていると、『なんだ?チャリに興味があるのか?』


「チャリ・・・間違いなく自転車だ!」


『坊主・・・これはな、結構乗りこなしが難しいし、売り物じゃないんだ・・・俺の趣味でなぁ~』


「ちょっと見ても良い?」


『まあ、見るだけならなんぼ見ていっても良いぞ!』


「なあアレン・・・そのチャリってヤツ知ってるのか?」


「ん~構造はちょっと違うけど、俺の記憶にあるのと結構似てる。」


「へぇ~どうやってそいつを使うんだ?」


「ん~またがって乗って、バランス取りながらここに足を乗せて動かし前に進むんだけど・・・」


「これ・・・ペダルの動力をダイレクトに使うだけで、空回りしないからバックも出来るな・・・」


「なんか、変なのか?」


「いや・・・たぶん俺の知ってる機構が複雑すぎて再現できてないんだと思う」


『おい坊主!お前これが何だか知ってるのか?』


「ん~っと、僕の記憶にある乗り物が似てるんです。」


『そうか!じゃあちょっと教えて欲しいんだが・・・これはどこがお前の記憶と違うんだ?』

『このチャリは、俺の爺さんが作ったんだが・・・失敗作だ!って言ってしまい込んでたのを俺がガキの時見つけて貰ったヤツなんだ』

『確かに、使いづらいし癖もあるけど結構役立ってるのに、どこが失敗なのか俺や親父はよく判らなくてな・・・』

『もし判ってもっと使いやすくなれば結構売れると俺は思うんだが・・・』


「え~っと・・・」


俺はちょっとためらいながらも自分の知ってる知識を話し始めた。


まず気になったのは動力の伝達機構・・・空回りしないからバックが出来るって、メリットじゃなく明らかに手抜きか失敗でしょ?

次がブレーキ!なんとこのチャリ・・・ブレーキが存在しない!

他にもサドルの調整がないから、体型とかに合わせて1台1台手作りじゃ商売にならないだろうし・・・スタンドもないから降りた後、立てかけるところがなければ寝かせなければならないし・・・

だいいち、タイヤがスポークじゃなく丸い円盤形でフタのようなのがちょっと・・・それに色々と原因はあるのだろうが、重すぎる!

ちょっと動かした時感じた重さだと、俺の知ってる自転車と比べ3倍以上の重さがありそうだ・・・


気になったことをひととおり話すと、メモを取っていた露店の店主が、『ありがとう!完成するか判らないが・・・もし完成したら1台プレゼントするよ!』などと言ってきたので・・・


さらに、助言として・・・最低限重さを軽くすること、たぶんフレームが空洞じゃなく見たまんま全部金属だろうから強度を持たせて中を抜いて空洞化させればかなり軽くなるだろう事、空回りの機構は難しそうだから、このまま使うなら三輪化すれば多少は需要がありそうな事、三輪化した時には荷台を付けると良い事と、スタンドが要らなくなることを加えておく、まあ・・・ブレーキは構造自体よく判らないから俺の記憶にあるハンドルにくっついていて手で絞ると後ろや前のブレーキがタイヤをゴムのパッドで挟んで止めてた話だけで終わったけど・・・


『坊主!本当にありがとう、王都に戻ったら今の話を親父達にして早速開発だ!』


などと意気込んでのだが・・・俺は別のことが気になった。


「おじさん・・・王都から来たなら移住者とか転生者が構造を知ってたんじゃないの?」


『移住者か・・・2~30年前は凄かったらしいが、今じゃほとんど来てないぞ・・・それにな、王都の工房じゃ自分の商売の種になる技術は外に漏れないよう一族で独占するのが普通だ・・・昔は違ったらしいが・・・』

『本当なら、坊主の今の話にも対価を払わなきゃいけないのだが・・・』『すまん!俺やうちの工房は貧乏で、さっき言ったように完成したら現物で渡すぐらいしか今は出来ない・・・ごめんな・・・』


「あ、いや・・・別に今の話ぐらい・・・完成品をもらえるかも!って投資だとでも思ってれば良いと思うんだけど・・・」


『そう言ってくれると助かるが・・・完成して特許や独占製造権を取ったらきちんと別にお礼をするな!待っててくれよ!!』

『言い忘れていたが、俺の名前はヘンリー、ヘンリー・フォードだ!』

『お前さんなら色々おもしろい話が出来そうだから、王都に来る機会が有ればフォードの工房に是非寄ってくれ!』


そう言って俺になにやら金属製の小さなプレートを渡すと、道案内用の法具に使うプレートで王都の自警団や商工会で使うと工房の場所が判ると教えてくれた。


そのあと俺たちは、店主のヘンリーさんと色々な話をして、彼の露店で売ってる物が親父さんの工房で彼の親父さんや兄弟が作った物だとか、腕は良い方だが発想が今ひとつだとか・・・色々話していると良い時間になったし腹も減ったので、分かれて飯を食いに行った・・・


俺たちは、昼と比べて大人達に酒が回り混沌とした広場でどうにか飯を喰い、今日は疲れたって事で早々にケントと別れ家に帰ると、親父も母さんもすでに戻っていた。


酒を飲み過ぎ母さんに怒られた親父は、気まずいのか本当にそうなのか判らないがまだ早い時間なのに寝てしまっていたので、ミーアにお土産として景品で取ったぬいぐるみを渡すと、またまた大喜びでニコニコしながら早速遊びだしたのを横目に、俺は母さんに米の殻剥きについて聞いてみると・・・土と風の比較的簡単な想念法で剥けるかも・・・と言われ、試して貰うとあっさり剥けた・・・


玄米の状態になった米を見ながら続いて白米にするのに何か都合の良い想念法はないか聞くと、先ほど使った殻剥きの想念法のイメージを変えれば出来るかも・・・と言われたので、俺もやってみると・・・あっさり出来た!


どうやら俺は記憶にある道具を使う方法にこだわって、発想の転換が出来ていなかったようだ・・・

確かに、想念法はイメージが大切で便利なはずなのに記憶の固定概念にとらわれ失敗したようだ・・・

ケントにも最初に俺が道具を使って見せていなければ、ひょっとすると思いついていたかもしれないレベルだっただけに、今回の件は有る意味とても勉強になった。


そんなことを考えていると母さんが、『アレンこれをパンにするの?』などと聞いてきた。


「いや母さん・・・これを水で洗って、加減をした水と一緒にしばらく置いてから加熱調理するとご飯が出来るんだ・・・」


『へ~要は、殻を剥いて煮る訳ね!すぐに試してみるかい?』


「いや・・・やり方もあるし、お腹が減ってないし・・・今日、下準備して明日の朝か昼用に試そうかと思うんだけど・・・」


『そうだね~じゃあ、明日の昼にでも作ってみてみんなで食べてみましょうか・・・』

『明日ならまだ収穫祭だけど、私も父さんも休みだし・・・もし失敗しても広場に食べに行けばいいからね~』


そう言った母さんと調理実験の話を続けて献立を決め、俺は仕込みに入る・・・


「母さん煮込みとかに使う鍋で一番分厚いのってどれ?」


『そうだね~それなら・・・これだね・・・』


精米したばかりの米を鍋に放り込み水で研ぐ、きれいになった米をうろ覚えで少し多めに水加減し、フタをしておいておくことにする。


次に、白菜?を用意して葉を剥き一口大に切った後、塩をふって少しもみ大きめの器に入れ器より小さい皿を乗せ重しを乗せると、漬け物になってくれ!と願う・・・確か酸味って乳酸発酵だったから結構時間がかかりそうだけど・・・多少それっぽい感じになれば、醤油で旨味をおぎなって何とかなるだろうし・・・


やっぱ海に行って昆布を見つけるかな~貝類とかでも良い出汁が出るんだけど・・・海は結構遠いいもな~


やっぱ来年かな?などと考え、残りは調理実験の少し前からで間に合うので、本日二回目の温泉に入りさっぱりとして気分で眠りについた。

(あ~やっと明日は、米が食える!)


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