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新世界での生活  作者: 投稿初心者
22/108

021 収穫祭!④

本日3話目、今後の予定として(月・火・水・木)は20:00に1話更新、(金・土・日)は18:00・19:00・20:00に1話の計3話を更新していきたいと思っています。もう少し落ち着いたら(人物設定・世界設定)を閑話の形で入れていきたいと思っています。

第21話 収穫祭④


苦しい腹を抱えながら腹ごなしの運動も兼ね、ゆっくりと歩いて家に着くと・・・


「アレン・・・アレって何だ?」


作ったばかりのイケスにケントが興味を持ったようでケントが聞いてきた。

色々聞いた後、「へぇ~結構おもしろいこと考えたな~」「上手く行ったら俺の建てる家にも取り入れようかな~」などと、建て始めていないばかりか未だ設計図にすら書いていないであろう話を俺に語る。

(まあ、この辺が子供らしいと言えば子供らしい・・・俺も今は子供だけどね~)

しかし、この身体に今の意識って・・・なんだか童心が騒ぐって言うか・・・、身体に精神が引っ張られてるのか・・・田舎で過ごす少年時代って言うか、何でも出来る!って訳もなく信じてた頃のような・・・

たぶん、前世の記憶が曖昧でこっちの記憶と経験がハッキリしてるからこそ、多少変というか子供らしく無い面が出ても俺はこっちで暮らせてるんだろうな~


俺はそんなことを考えつつケントをともない自分の部屋に入り、朝持ってきた米を見せながら話し出した・・・


「ケント・・・米は知ってるよな?」


「米って、そりゃ~知ってるけど・・・」

「お!判ったぞ!!さっきのイケスの魚の餌だろ?」


得意げな顔で答えを言うケントを見ながら・・・「残念!俺はこれを喰うつもりで、今はその下準備中だ!」


「え!米を食うのか?それって美味くなんだろ?」

「昔、父さんに聞いた話だと思うけど・・・パンにしようとしたけどうまく行かなくて、凄くまずかったって話だぞ!」


「まあ、うちの親もそんな感じで言ってたから間違いじゃないだろうけど・・・」

「僕の別の記憶だと、そこじゃあ米が主食で美味いって言うか・・・ほとんどの料理に合わせられるし、結構世界中で喰ってたんだよね~」

「別にパンがなかった訳じゃないぞ!」こっちのも美味いけど・・・(正直向こうの方が味も種類もたぶん上で美味しいはず・・・)


「へぇ~これが、そんなに美味いもんなのかね~」


「あぁ・・・いや・・・そのままじゃもちろん美味くないに決まってる。」

「そこを、喰えるように下準備しようと今頑張ってるところ!」


「なあ、疑ってる訳じゃないぜ!なんだかんだ言っても別の世界って有るみたいだし、そこから移住者が来るのも・・・村にも結構移住者で変わった食い物が好きな人もいるしな!」


「だいいちその米だって全部家畜用にしてるんじゃなく、かなりの量を町とか王都に送ってるだろ?確か、家畜用にしてるのって小さいヤツとか軽いヤツで送る分の品質ってヤツをあげるときに出た残りだからな・・・」


「へ~詳しいなケント!まあそりゃ~うちは少しだけど豚を飼ってるからな・・・」

そう言えば、ゴバックさんの所は豚の丸焼きだったな・・・

「まあ、親父が個人で猟師と狩猟団で狩りをしてるから肉は豊富に喰えるけど、畑仕事が大嫌いで最初に村で仕事を決めるとき、残った仕事が家畜の世話ぐらいしか無かったって言ってたぞ」


へぇ~ゴバックさんって畑仕事が嫌いだったんだ・・・、何で親父の開拓団に参加したのか知らないけど、村を作り始めた頃は結構苦労したのかな~

「へぇ~そんな感じだったんだ・・・」


「ところでアレン・・・さっきから何で箱の中の米を棒で突いてるんだ?」


俺はケントと話しながらも何とか精米しようと箱の中の米棒でつついていたのを指摘され、説明することにしたが説明を受けたケントは不思議そうな顔をして・・・


「何で道具屋さんとか大人に聞かないんだ?もしかして秘密にするのか?」


などと聞かれ、俺は自分が視野狭窄に陥っていたことに気が付いた。


「そうだよな・・・別の記憶があったって全部知ってる訳じゃないんだから、人に聞いたりアイデアを出して貰えば良い手があるかもしれないよな!」


・・・この件に関しては、後で驚くことになるが・・・この時の俺たちは当然知らない・・・


食休みにもなったし早速、道具屋に行こうかとも思ったが・・・収穫祭の露店を探索したり、大量の肉を焼いてるところで俺たちも大量に喰ったせいか体中がべたべたとしてる気がする。


「ケント、出かける前にちょっと風呂に入らないか?」


「風呂か・・・確かにちょっとべたっとした感じがあるな~」

「そうだな、アレンに家の風呂は広いから・・・入るならつきあうよ!」


二人で風呂に入って汗を流していると・・・


「やっぱりここの風呂はでかいよな~うちとじゃ大違いだ・・・」


「そうなの?」


「ああ、うちのは湯船がもっと小さいし流しっぱなしじゃなく、使うときにお湯を貯めて入ってるからな・・・」


「へぇ~そうなんだ・・・」


軽く話をしていた俺を驚かせたのは次の言葉だった・・・


「後はここにはないけど、シャワーがあるぐらいか~やっぱ広い風呂っていいよな~」


(何ですと!シャワー?シャワー?シャワーと言いませんでしたか?)


「シャワーは、良さそうだな~」

俺は平静を演じつつ軽く合わせる。


「まあ~便利と言えば便利だけど・・・俺はやっぱり広い風呂の方が良いな~」


(ケントよ!その意見には俺も賛成だが・・・その広い風呂に、シャワーが付いてる方がさらに俺は好きだぞ!)


自宅の風呂が温泉だったせいもあり、シャワーという発想がなかった・・・だって・・・、中世か?っていうファンタジーの世界で温泉と上下水道完備だぜ!、いまだにプライバシー関係の記憶は無いけど・・・普通、自分の記憶(一般家庭の風呂)より待遇が良かった(地方温泉旅館の風呂並み)ら・・・満足しちゃって考えないって!・・・

状況的に言ったら、突然親の転勤で山奥の村に引っ越ししたら自宅が広くなってネット環境完備!元住んでいた都市部より住環境が良くなった!って感じだろうか・・・


そんなことを考えながら俺はなぜうちにシャワーがないか何となく思いついた。たぶん・・・水圧が関係してるんだろう・・・うちに有るのは源泉と水源・・・吹き上げるほどの圧力なんてそんなに無いだろうし、シャワーを設置するほどの水圧がないのだろう・・・

村の他の家とかだとうちより少し低いから水圧が大丈夫だったんだろうな~

さて、身体もさっぱりとしたし・・・道具屋のホークスさんに相談しに行ってみるか・・・


俺もケントも身支度を調え、道具屋のホークスさんを探しに行った。


「まずは道具屋に行ってみるか・・・誰か居れば居場所がわかるかもしれないし・・・」


「そうだな、あの人・・・いい人だけど独身だからな~、ひょっとしたら収穫祭でも家にいるかもしれないな・・・」


「行ってみよう!」


俺たちは、収穫祭で人通りが増え多くの人が行き来してる商店街の道具屋を訪ねる。

・・・開いてたよ!・・・収穫祭なら普通デートとか・・・個人じゃなくてもグループで動いたり・・・家族連れで楽しく過ごすのに、あの人彼女とか居ないのか?


俺たちが中にはいると、酔っぱらったホークスさんがけだるそうに出てきた。


(あ!別に収穫祭をパスしてる訳じゃなかったんだ・・・)


『ん~誰だ・・・なんだよ・・・アレンとケントか・・・』

『親父さん達には、もう飲めない!ってソフトに言ってくれよ!・・・、本気でこのまま夜まで飲んでたら俺・・・死んじゃうから・・・』


(あ~原因は父さん達か・・・)


「え~っと・・・僕達別に父さん達に言われてきた訳じゃ無いんでっすが・・・」


『ん?じゃあどうした?収穫祭で店は休みだぞ?まあ、何か急ぎで欲しいなら別に売るけど・・・』


「え~っとですね・・・これなんですが・・・」


『ん?ん~~ん・・・米がどうかしたのか?』


「え~っと、これの殻というか・・・この状態からこうして・・・この玄米って言うか、出来ればさらに精米して・・・こんな感じにしろい状態にしたいんですが・・・」


俺は数粒の米を殻をはずして玄米にすると石の床の部分で少し削るようにして白米部分が判るようにしてホークスさんに見せた。


『ん~何がしたいかよく判らんな・・・それでどうしてうちに来たんだ?』


「いや・・・何か良い道具がないか・・・良い方法を知ってるんじゃないかって思って・・・」


『ふ~ん、まあ・・・道具はないけど、たぶん知恵なら有るぞ・・・』

『なんだかよく判らんが、要は米の殻をむきたいって事だろ?』

『だったら、帰ってお前らの母さんとかに教えてもらえ!栗とかの皮をきれいにはがすのに想念法を工夫して使ってる人が居るから』

『たぶんお前らの母さんなら知ってるか、出来るかするはずだ!』

『とりあえず、教えてやったんだから俺が寝てる間親父さん達に俺の居所をばらすなよ!』

『んじゃあ、俺は寝る!鍵を掛けるから聞きにでも収穫祭でも好きに行ってくれ!』


一気にホークスさんに押し切られ、道具屋を出される俺たち・・・出たら背後で鍵というか、かんぬきで木の棒を扉に使うゴトゴトという音が聞こえた。

まあ、確かにあの状態で子供の相手って無理っぽいよな~


「とりあえず、解決法?っぽいのは聞けたし・・・母さん達なら夜帰ってきた時にでも聞けばいいか・・・」


「そうだな・・・しかしすげ~酔ってたなホークスさん・・・」


「話からすると、親父達も相当飲んでるみたいだし・・・近づかない方が良くないか?」


「それもそうだな・・・とりあえず、露店の方にでも逃げておけばたぶん来ないと思う。行こうぜ!」


「良し行くか!実は、的当ての景品まだ見てないんだよね~」


ホークスさんに解決法らしきアイデアを教えられた俺たちは、再び収穫祭を楽しむべく走り出した・・・


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