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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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016 復讐?

本日も予約投稿が巧く昨日していれば3話投稿予定!

第16話 復讐?


―――ぐぉぉおおおーーー

姿を現したグランドベアが俺たちの前で威嚇をしてくる。


『弓用意!』


親父の号令で全員が弓を準備して狙いを絞る。


『用意は良いな?・・・放て!』


やっぱ、数の暴力だよな・・・俺たちを威嚇してたグランドベアは、あっという間にハリネズミのごとく無数の矢に貫かれ息絶えた。


「あ!こいつアレンを襲ったヤツだぞ!」


(え?まじ?)


『そうなのか?ゴバック』


「ああ・・・ほら、こいつの左手の指・・・1本無いだろ?」

「アレンを助けた時、偶然見たが指が欠けていたヤツだったからな~襲われた場所からも離れていないし、たぶん間違いないぞ」

『確か、想念法で脅かしてアレンの救助を優先させたから倒してなかったんだな・・・』


「ああ、あの時は1人だったし急いでたから倒してない」


『まあ、敵討ちって訳でも無いが・・・これでしばらくこのあたりの山も安全だろうから手間が省けたな!』


親父とゴバックさんはまだ話していたが、俺は目の前のグランドベアをじっと見て驚いていた。

(もう少しというかもっと大きなグランドベアだと思ったんだけど・・・)

(やっぱり狩りにも馴れていない子供だったから、恐怖でイメージが増幅されて巨大に感じていたんだろうな~)


手際よく矢の回収を行い、血抜きは離れた場所でやることにしてグランドベアを俺の空間に入れることになった。


『さすがに俺の空間にはもう余裕がないからな、アレンなら入るだろ?』


俺の空間には昨日の収穫が入っていたがまだまだ余裕があったので平気だったが、親父に信頼されたようで少しうれしかった。


「大丈夫!じゃあ入れるね・・・」


思いがけない獲物だった俺を襲ったグランドベア・・・別にトラウマになってたわけじゃないが、今夜からぐっすり眠れそうだ・・・

なんて、今までもぐっすり寝てるけどね!

まあ、それ以外は特に何もなく拠点に戻り、トイレも完成していたので昼を食べたら村に戻ることになった。


さすがに作業があったため、昼飯は保存用の堅いパンと焙った干し肉に薄目のスープと多少質素になったが、誰も文句を言わず食べ終わると出発の準備をして村へむけ出発した。


夕方前に村に到着して猟果を分け合い家に帰った。

前回は、翌日に処理をしながら分けていたので気になって親父に聞いてみると・・・


『そりゃ~前回はお前達のお守りもあってみんな疲れてたし、解体とか教えるのにまとまった方が良いからやっただけで、普段は適当に分けたら個人で処理するのが当たり前だぞ?』

『肉は7割村に入れるし、毛皮は基本交易用、討伐証明部位は王都に送って換金したら村の予算だし、他の収穫は収穫祭用で自分の家で喰う分を多少取ったら村の保管庫だし・・・』

『個人で狩りをしたなら、毛皮や肉と言った猟果は自分の物だし討伐証明の換金は税金を払って個人の物だが、個人じゃたいして獲物を倒せないからな~』

『何人かで行くなら狩猟団と変わらないし、定期的に狩猟団を組んで街道や村の安全を確保するのが優先なんだから疲れるだけだぞ?』


親父の今さら何を・・・って感じの目をスルーして狩りのルールに納得がいった俺は、今回のワサビについて親父に聞く


「へぇ~納得できたよ父さん、ところでワサビなんだけど・・・」

「これも収穫祭用に出さないとダメ?」


『ん~今のところ収穫祭で使うような物でもないからな~』

『俺は夜の見張りの時とか眠気覚ましに効果があると思うから、自警団や狩猟団のメンバーで分けるだけで良いと思うが・・・』

『そう言えばアレンは、ワサビを調味料に使うって知識があるらしいな?どうやって使うんだ?』


俺は親父に、「ワサビ」について知ってることを話し始めた・・・


基本的に海の魚を刺身にして「醤油」と「ワサビ」で食べること、ご飯やみそ汁が合うこと、パンには合わせづらいが葉っぱの部分ならパスタやパンに合わせられそうなこと・・・


『ふむ・・・後で母さんに見て貰って、他の料理に使えるか考えて貰おう』


俺もたいして料理に詳しいわけでもないので賛成し、親父と風呂に入ってから母さんの作った夕食を食べ、ミーアと遊んでから少し早めに眠りについた。


翌朝、朝食を食べ終えお茶を飲んでくつろいでいると『今日は忙しいぞ!』と親父に言われ内容を聞くと、昨日の猟果の処理に仕込んであった燻製用の肉や魚を燻製にする作業、武器や防具の手入れに収穫祭前の村の保管庫や内の物置や納戸の整理・・・仕事はいくらでもあると言われその作業量を考えると頭が痛くなってきた。

(つうか・・・親父!物置と納戸は確かに俺も係わってるがほとんど親父が散らかしたんだろ!)


落ち込んでいても作業が減る訳じゃないから、俺も親父もすぐに用意をして作業に取りかかることになった。


「まずは猟果の処理だな・・・」

先日も使った解体場に行くとケント達も来ていて、色々な話をしながら作業を進めていく・・・


「今日この作業って事は、明日は釣りかな?」「多分そうじゃないか?」「この前は結構釣れて楽しかったな~」「収穫祭も楽しみだよな~」


などと、話をしていたが・・・ケントが気になることを言い出した。


「アレン、お前は家ってどうするの?やっぱ兄貴が継ぐから自分で建てるのか?」

「家?まだ判らないけど・・・兄貴は王都で生活するみたいだし・・・今の家のままかも・・・」

(って言うか・・・俺って次期村長?まさかだよな?・・・)

「父さんに聞いてみないと何とも言えない状態かな~」


「ん~まだ決まってないのか・・・」

「俺たちの方はみんな次男三男だし、自警団に入るにしても土地を分けて貰うにしても結局、家を出るから建てないとダメだろ?」

「理想を言えば狩りの時少し話に出ていたけど、村を広げる開拓で土地持ちになって・・・その土地を小作に貸して、村で狩猟団を続けられれば良いんだけどな~」


「そうだな~村の拡張については俺にもちょっとした考えがあるし、家のことも含めて親父と話してみるよ!」


「考えって何だよ?」


「まだどうなるか判らないからな~内緒だ!」


「教えてくれたって良いだろ?」


「まあ、親父と話して結果が出たらすぐ教えるから・・・」


「絶対だぞ!約束したからな!」


俺はケント達と話をしながら、今晩にでも親父と母さんに相談しないとな~などと考えつつ作業を終了し、家に戻ると次の作業を親父に確認した。


『お!戻ったか、んじゃあ~燻製を作るとするか!』


丁寧に下処理された肉・魚・ソーセージ・・・

(親父・・・いつのまに・・・)


燻製小屋に重ならないようつり下げていく・・・


『まあ、冬にも作って作りたてを喰うのも又良いが、今回は収穫祭もあるし全部一気に仕上げるぞ!』


燻製小屋の外にある窯?に火を入れ小屋の上から煙が出始める。


『これで夕方まで煙を入れてやれば完成だ!温度を見るから離れられないのが難点だが父さんの作る燻製は旨いぞ!』


親父がドヤ顔で自慢してくるのを横目に、俺は物置から折りたたみ式のテーブルと椅子を持ってきて自分の装備を置き手入れを始める。


『なんだ、ずいぶん用意が良いな!天気も良いし・・・装備の手入れが終わったらここで昼飯を食うかな~』


しかし、親父は武器の種類が多いな~長剣?に短刀、槍に弓・・・ダッカーで良いのか?手投げようの短剣でもないな・・・棒手裏剣?みたいな物まで出てくるぞ・・・どんだけ有るんだよ!


親父の武器にあきれながら自分の装備の手入れを続けていると、『アレン、ちょっとここの煙で温度を確認してみろ!』・・・親父にそう言われ小屋に空いたフタをされた穴から煙の温度を確認する

「ちょっと熱い?」俺がそう言うと親父が『これぐらいを維持するのが燻製のこつだ!良く覚えておけよ!』などと言いさらには・・・

『そのうち全部お前にやらせて出来を見るのも良いな~』などと言い始めて焦った。


俺はチャンスだと思い気になっていた問題を親父に聞いてみた。


「父さん、ケント達が独立するのに家を建てるって話をしてたけど・・・僕ってどうなの?独立するなら必要なんだよね?」


『ん~独立か・・・まだまだだと思ってたがそろそろ考えないといかんかもな・・・』

『いつまでも子供のままじゃないからな・・・』

『アレン、その話はウイリアムが帰ってきてからきちんと話そう!』


「うん、まあ・・・僕は成人までまだ時間があるし良いけど、ケント達はそろそろ準備をする話が出てたんだよね~」

「そうだ!それと父さん、村を広げたりする話があったでしょ?」


『ああ、狩り場での話だな・・・次の寄り合いか収穫祭後ででも話す予定だが、どうかしたのか?』


「うん、ちょっと思いついて・・・今、村では魚は川で釣ってくでしょ?」


『そうだな、それがどうかしたか?』


「僕が知ってる知識だと人工の池で魚を養殖して、季節を問わずいつでも魚が食べられるんだけど・・・村でも作ってみない?」


『ほう・・・池を作って中で魚を飼うのか・・・大規模な物は無理だが「くーらぼっくす」も有るし、とりあえず小規模に試してみるのも良いかもな・・・』

『倉庫や物置の整理は後回しにして昼から適当な場所に作ってみるか!』


意外とすんなり思いつきを受け入れてくれた父さんにびっくりしながら装備の手入れを進め終わらせると、少しだけでも・・・と思い物置の中を整理する。

何度か窯に薪を入れたり温度確認をしたりしつつ整理を続けると昼になり、俺と親父だけではなく母さんとミーアも外で昼を一緒になって食べた。

昼飯を食いながら親父が母さんに俺の思いつきを試す話をして、いつものようにミーアを昼寝させると母さんも一緒になって作業することになった


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