012 親父の提案!
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第12話 親父の提案!
『さて・・・昼飯も喰ってみんなもくつろいでるところだが、寄り合いの前に収穫祭の話を少ししておこうか・・・』
『今年の収穫祭まで後1週間・・・10月の末~11月の頭、今年だと10/30~11/2が収穫祭になるわけだが・・・』
『今年は天候に恵まれ、麦も米も野菜も作物は皆豊作で一安心だったが、例年通りならそろそろ収穫祭めざして行商人や領主様の収穫検査官が来ることは皆承知しているな?』
『とりあえず前回の狩りで大物を含めたグランドベアを仕留めることが出来たので、しばらくあのあたりは大丈夫だと思うが・・・』
『帰り道で襲われたようにウィンドウルフやグレートボア、他の害獣が村のそばに居る可能性が高い!そこで明日から2~3日で村周辺の狩りと、収穫祭用の果実やキノコに香草・冬に備えて薬草も補充しておきたいと思うのだが皆の意見を聞いておきたい!』
「村長!狩りをすることには誰も反対しないと思うが、狩猟団の編成はどうするんだ?」
「俺たちと違い小作でやってる村民は収穫と保管に収穫祭の準備、酒の仕込みと猫の手を借りたいぐらい忙しい時期だぞ」
「探索者に依頼しようにも時間がないし、自警団には村を守って貰わんと俺たちも安心して狩りに行くことが出来ない!どうするんだね?」
『そこで、今回の相談だ!先日の狩りを見てみたが子供らも皆覚えが良いようだし、うちの息子が特化型の空間を使えるようになってる。』
『まあ、まだ俺ほど量は収納できないが俺の7~8割ぐらいなら収納できるようだし、ココは思い切って子供を入れて2隊に分け駆除が必要な街道方面には大人メインで、出来れば収穫がメインの方面には子供を交えた隊で狩りに出かけてはどうだろうか?』
『幸いと言っては何だが・・・うちの息子が先日山でグランドベアにやられた話はどこの子でも知ってるから、子供だけで無茶をしようとか考える馬鹿者もしばらく出ないだろうし・・・』
『大人がフォローすればうまく行くんじゃないかと思ってるのだが・・・』
「ん~そうだな~」「大丈夫じゃないか?」「まあ、子供もそれぞれ村長以外は、親が面倒見るなら問題ないんじゃないか?」「まあ、経験を積まなきゃな~良い機会じゃないか?」
親父と大人達の話が進んでいく中、いくつか気になったことがあった・・・
(親父、収穫で米って言ってたよな?田んぼみたいなのが有ったから期待はしてたけど・・・それにしては米って家で出てこないよな・・・)
俺はさっきまで考えていた、イケスのアイデアも吹っ飛び米について考えていた・・・
ダメだ!判らん!!
魚の養殖も米の話も後で親父と母さんに聞いてみよう!
俺が考え事をしてる間に狩りについての考えがまとまったらしく、一応寄り合いでもう一度に詰めてから正式に決まるらしい・・・
『じゃあ、そう言うことで宜しく!』
「「「了解だ!」」」
(ところで・・・今の会話って根回し?談合?熱血バカっぽい親父もさすが村長!結構やるもんだね~)
「そう言えば父さん・・・」
『ん?なんだアレン』
「僕ら、結構な数釣っているけど・・・まだ釣るの?」
『あぁ~そのことか、小物はみんな昼に喰っちまったが・・・型の良いのは残してあるだろ?村に残っているヤツにも多少は分るけど、今日の釣りの目的は燻製にする魚を釣ることだ。』
『結構釣ったけど、出来ればもう少し欲しいところだな・・・昼からはミーアも寝るから、俺も魚の方の釣りに参加してもう少し釣るぞ!大物のポイントを教えてやるから付いてこい』
「うん、判ったよ!」
こうして親父と俺、ついでにケントは昼からは親父に連れられて大物のポイントへ出かけた。
親父推奨の大物ポイントは、親父が連れて行ってくれただけ有って見事にサイズがアップした。
親父のポイントでしばらく釣りをしてさらに釣果をのばしたところで、戻ってきたみんなと村に帰り何人かの村人へ魚を分けた後、家に着くと母さんはミーアを部屋に寝かせに行き、親父と俺は魚を燻製用に下処理と漬け込みして起きてきたミーアと夕食になった。
夕食を食べながらどのタイミングで質問をしようかと考えていたが、結局いつもの食後のお茶の時間になった。
「父さん、母さん・・・ちょっと聞いても良い?」
『『ん、なんだ(に)』』
「いや・・・昼に言ってた収穫のお米なんだけど・・・うちで食べた記憶がないんだけどなぜ?」
『米?アレンは米なんて食いたいのか?』
『一応うちの村でも米は作ってるが、ありゃ~移住者でも黒髪・黒目の人が喜んで喰うぐらいでこの村じゃ料理法も知らないし、試しに喰ってみたが美味しくないから誰も喰わず他の地域の移住者用に町の穀物商に売るか、行商人に売るか、ん~残ったら家畜の餌だぞ?』『俺もお前も確かに黒髪・黒目だけどこりゃ~突然変異って言うか偶然みたいで、米なんて喰ったことがないからな~』
「あ~それでか!記憶がよみがえった話は聞いてるでしょ?そっちの記憶だと米を主食にしてるんだよ・・・きちんと調理すれば美味しいから食べたいんだけど・・・」
『ほお、米の調理法を知っているのか?弱冷気の箱の改造といい・・・ひょっとしてアレンは、そう言った食品系の技術者だったのか?』
「ん~たぶん違うと思う・・・何の技術者かまだよく思い出せてないけど・・・今話しているのは、向こうでの日常生活とか一般常識レベルで気が付いたことを父さんや母さんに聞いているだけ・・・」
『ふ~ん、技術じゃなく日常生活とかを先に思い出すって言うのも多少変わってそうだけど・・・まあ、前の記憶が戻るなんてありふれた話だし、どうせ成長と共に技術も思い出すだろうしな~』
『おっと、いかんいかん』『俺は寄り合いだった!』
『母さん、ちょっと行ってくる。遅くなるようだったら先に寝てくれて良いから』
『じゃあ、行ってくる』
「あなた、あんまり飲み過ぎないで下さいよ!まだ収穫祭前なんですからね?」『判ってるよ・・・』
こうして親父は話し合いに行ってしまい他の話や疑問は必然的に母さんに聞くことになったが、そんなに難しい疑問じゃなく簡単に答えてくれた。
「母さん、昼間の父さん達の話で「小作」って聞こえたけど・・・うちの村って全員が自作農じゃないの?」
『あぁ~そのことね!』『アレンも、この村が開拓村だって知ってるわよね?』
「はい!」
『今日集まっていた人は、全員が最初の開拓団のメンバーでこの村の土地や畑なんかは全部最初に開拓した人達の物だったの・・・』
『それで、後から来た人は最初の開拓団にお金を払って土地を買い上げるか、持っている土地を借りて手数料を払うかしてるわけ!』
『父さんは畑仕事より狩りの方が好きだからほとんどうちの畑なんかは人に貸してあるけど、何か気になることでもあったの?』
「いや、小作って聞いてうちはどうなっているのか気になっただけ」
「それはそうと母さん、うちにお米はあるの?」
『米ね・・・煮ても殻が固いしパンにしようにもべちゃっとしてざらざらの舌触りが残るし美味しくないからおいてないけど・・・』
『収穫祭の前に収穫検査官がきて収穫を確かめた後なら出せるけど、本当に美味しい物なのかい?』
「うん、絶対気に入るって!美味しいから任せておいてよ!!」
『まあ、アレンが知って言うなら試してみようかね~』
その後も色々と話していたが、魚の養殖については父さんの判断と村での判断が必要になるため後日という事になった。
話し合いの後、俺は作業室で狩りに備えて自分の武器や防具を父さんに教わったように手入れし、消耗品を交換したり補充した後明日以降の狩りに備え風呂に入ってさっぱりするとベットの中に入って今後のことを考えてみた。
(とりあえず米は確保できそうだな・・・)
(おかずについては応用も利くし問題ないとして、やっぱ海の魚・・・刺身も食いたいけどわさびや醤油って有るんだろうか?)
「黒髪・黒目の移住者か・・・」
(うちの村には居ないようだし・・・領主様の町か王都じゃないと無理かもな~)
(あ!ウイリアム兄さんの行ってる王都なら手にはいるかもしれないから、父さん達に相談した後に帰省するときに持ってきて貰うか送ってくれるように頼んで良いか確認しておこう!)
「それに・・・」
(明日からの狩りは、山の方らしいからわさびがないか探してみるのも一つの手だな・・・)
(そう言えば、父さん達も収穫祭に行商人が来るって言ってたから、行商人が持ってきてるかもしれないな・・・)
(まあ、有ったとしてもいくらするか判らないし俺は今ほとんど無一文だからな~子供だから当然と言えば当然だけど・・・)
「まあ、お祭りも有るし・・・そろそろ小遣いをくれるように交渉するのも良いかもしれないな・・・」
(そう言えば、違和感がないし必要ないから年号とか曜日を気にしてなかったけど・・・普通に向こうと同じだったな・・・さすがに西暦じゃなく王国歴だったけど、一年は365日で4年に一度閏年があり1日増える、1日は24時間だし長さの単位も重さの単位もたぶん同じだよな・・・)
(初期に移住して来た人達が使ってた単位だと思うけど、元の世界と結構近い感じなのかな?)
(穀物や野菜も同じだし・・・そのうちここ以外の町や王都を見学できるように親父に頼んでみようかな~)
「まあ、こっちでの成人の15歳まで後4年半!時間はまだあるしぼちぼちと考えていけばいいだろう・・・」
(たぶん明日も狩りになるからそろそろ寝るか・・・)
親父を待っていたが全然帰ってこないし、明日のこともあるので俺は寝ることにした。
ちゃんと投稿できてるかな~




