102 動き出した日々・・・③
選挙を気にして・・・ギリギリまで書けず・・・危なかったけど更新!
第102話 動き出した日々・・・③
思い切って母さんに相談をしてみたものの・・・返ってきた答えは・・・
『頑張れ!男の子!!』この一言だった・・・
どうやらウチの母・・・移住者になる前の魔術?を使ってた時や・・・こっちに移住者として来た後の想念法も・・・全部感覚で使う天才肌の人だったらしい・・・
落胆した俺の心か、その奥の別の考えを感じ取ったのか・・・目つきが怖くなってきた母さんから逃げるように自室に戻った俺は・・・今までの事を思い返して思い当たるふしの多さに改めて驚いたが・・・
「ん~やっぱり魔術師とか魔法使いってのは・・・」
そう、今まで俺がそんなことを考えなかったのは・・・魔術師とか魔法使いに対する前世記憶での思いこみだ・・・
ファンタジーな世界で、『魔術師』・『魔法使い』と言えば・・・
複雑な技術体系とか・・・専門の魔法文字とか言語・・・少なくとも同じ世界の人間より学問を修め魔術書など本を読み・・・知識人だと思うよね?
夫婦のバランス的にも・・・脳筋の戦士系と知的な後衛系だと思っていたが、実際にはどちらも天才肌というか感覚派の似たもの夫婦だったとは・・・
「確かに勘が鋭いとは思ったけど・・・てっきり観察力だと思っていたのに・・・本当の感だったとは・・・」
思わず声に出して呟いてしまったが・・・さらに恐ろしい事実が予想される・・・脳筋だと思ってたオヤジの方が実は頭脳派なのかもしれない・・・
思い返してみると、確かに武器の取り扱いの説明は論理的だったし・・・実際の取り扱い方は擬音の混じる感覚派だったけど・・・書斎の本も多いし・・・王都の学院にも行ってたからな・・・
まあ、正直言って・・・母さんが感覚派って事より親父が頭脳派だって事の方がショックが大きいんだが・・・
(今後のことを考えると頭が痛くなってくる・・・)
「さて、どうしたものか・・・」
本来、こうした事態で悩むべきなのはうちの親父のはずなのに・・・いつの間にか俺やケントが悩まされてる・・・
次期村長候補だったはずが・・・いつの間にか名目上は次期領主候補になっちゃってるし・・・ん?まさか・・・ケントが今悩んでるのは・・・次期村長候補?・・・ミーアの婿にする気じゃないよね?
いや、ケントは自分から・・・俺につきあって悩んでるだけだよな?まさか・・・いやまさか・・・
俺の心の中でケントへの疑念がドンドンふくらんできた。
「もしケントがミーアの婿を狙ってきたなら・・・」
ケントは親友だ!・・・だが可愛いミーアの旦那として受け入れられるか?
想定自体をあり得ないと否定してみたり・・・ほかのヤツよりはケントの方が・・・イヤ、イヤ・・・そうじゃなく・・・
1時間以上考えただろうか・・・結局答えも出ず、ちょっと疲れてきたのでお茶でも飲んで気分転換を・・・・などと考えていたら、ケントがやってきた。
「アデン・・・なで、ごんだごどぼ・・・」(アレン、なぜこんな事を?)
「ケント・・・ちょうど良いところに来てくれたね・・・ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・答えてくれる?」
「ぐ、ぐるじい・・・」(くるしい・・・)
不幸な偶然か幸運か・・・悩んでいた答えを知る存在を見つけた俺の身体は反射的にケントを捕まえ、尋問可能な体制・・・お約束なチョークスリーパーの状態になってた。
「正直に答えてくれれば・・・苦しまなくても良いから・・・正直に答えてね?」
「・・・ ・・・」
俺は出来るだけ優しく言ったつもりだったのだが・・・理解できていないのか?まあ、とりあえず尋問を・・・俺はケントに疑念を伝えたが・・・返ってきた答えは・・・
「なで、ぼでがびーばじゃんなんで・・・」(なぜ、俺がミーアちゃんなんて・・・)
ミーアなど対象外と言うか・・・眼中にもないような発言を聞いた俺は・・・つい、反射的に力を込めそうになり・・・
「うぐぅ・・・だのぶ、づごしじかだぼ・・・」(ぐ・・・頼む、少し力を・・・)
とりあえず・・・可愛いミーアに興味すら持たないという答えに腹は立ったが・・・さすがに本気で言ってることは判ったし、俺が力を緩めると・・・
「げほげほ・・・はぁ~、何があったんだ?どこからそんな疑念を導き出したんだ?・・・俺だって、ミーアちゃんは可愛いと思うけど・・・まてまて、待ってくれ・・・友人の妹として・・・妹として可愛いな・・・って思ってるだけだ!もう勘弁してくれ!!」
ケントの答えを聞いて、再度本気で力を込めそうになった俺の雰囲気を察したのか・・・ケントの叫びを聞いて・・・
「あ!悪かった・・・ついな・・・」
「ついなじゃないだろ?本気でやられるかと思ったぞ・・・」
反射的にチョークスリーパーを全力でケントに行使しそうになった時、ケントの心からの叫びを聞いて思わず解放してしまったが・・・ケントは反撃に出ることもなく・・・呆れたような目つきで俺を見ているだけだ・・・
「部屋に入ったら・・・問答無用でって・・・しかも理由が妹を狙ってると勘違いしたとか・・・マジで勘弁してくれって・・・」
「悪かった・・・この通りだ・・・」
俺がその場で土下座をし、正式に謝罪したので・・・渋々ながらもケントは謝罪を受け入れてくれた・・・ま、今後同様の疑念を持った時は普通に聞いてくれるなら・・・って念を押されたけど・・・
「お!結構良い引きだ!」
「こっちも来たぞ!」
アノ後・・・謝罪しつつなぜそう言った話になったのかケントに話していたら・・・
「部屋にこもって考えてるからだ!気分転換しよう!」
そう言われて村の近くを流れる川まで引きずり出され・・・なぜか釣りをすることになった。
ちょうど夕まずめの時間に当たったのか・・・良い感じで当たりもあるし、そこそこ良いサイズもつれたので燻製か魚節に使おうかな~
そんなことを途中で考えつつ、釣りをしながらケントとも話したが・・・結論として、俺は働き過ぎだと言うことになり・・・懸案事項は全部親父に丸投げすることにした。
ケント曰く・・・『もう良いじゃん!他の連中(狩猟団の子供組)を見てみろよ!誰もココまで働いてないって言うか・・・いくら次期村長候補って言っても、子供にココまで仕事をさせるって普通あり得ないだろ?』
確かにそうだと俺も思う・・・俺やケントは親が親だし、ケントは俺につきあってかなり仕事の中心や指揮に回ることが多いが・・・大人も含めて他のメンバーや、本来仕事をするはずの親父が働かないで、成人前のガキが仕事に追われてるって現状は確かにおかしい・・・
急だったこともあり、クーラーボックスも輸送用の馬車も無かったので釣った魚はその場で締めて・・・小型の物は焼いて、良いサイズのは燻製と魚節にすることにして自分の空間にしまい込み、村江戻ったが・・・
今回の件の謝罪として、ケントが釣った分も俺が加工することになり・・・貸し出しだった拳銃も進呈することになった。
(ぐぅ・・・ケントの交渉スキルが地味に上がってる・・・)
釣った魚の加工はともかく、この場で拳銃の話を持ち出すとは・・・まあ、ケントなら問題もなさそうだし・・・普段使わない理由も理解して再度約束してくれたからな・・・特に問題もないだろう
家に帰って、母さんに今後のことを話し・・・しばらく休憩というか釣りでもしてると言ったら・・・
「へぇ~良いんじゃない?言い友達を持ったわね!父さんが文句を言うようなら私が言ってあげるから、キチンと休んで・・・又働きたくなったら働けばいいのよ・・・最近あの人自由にしすぎだし・・・」
(ご愁傷様です父上・・・母上がご立腹ですぞ!・・・)
まあ、母さんから許可も貰ったし・・・ゴバックさんからは多少駆除うめいたことを言われたが・・・さすがにゴバックさんも俺が働きすぎだと思っていたようで、働く気がなくなった俺やケントの替わりに親父や他のメンバーにターゲットを移したようだ・・・
(ま、人が苦労してる時多少楽をしていたんだし・・・少し働いて貰いましょう!)
そんな感じで・・・燻製などを作るにも素材として数が不足してたし・・・イケスの中も寂しい状態だったので、俺とケントは自警団で馬を借りウチの荷馬車を使って素材とイケスの中身の補充を続けている。
まあ、今、村に居る狩猟団は俺達以外全員大人だし・・・問題も無かろう・・・
1週間ほど作業を続けていたら、ほとぼりが冷めたと思ったのか・・・単に家が恋しくなったのか・・・親父が帰ってきたが・・・
帰ってきた途端、『あなた・・・ちょっと・・・』って母さんが親父の耳を引っ張りながら寝室に消え・・・
何を勘違いしたのか・・・『ん?痛たた・・・引っ張らなくても・・・』などと少しニヤニヤしながら消えた親父が・・・『無理をさせて済まなかった』と、母さんの目に怯えながら俺に謝罪してきた・・・
まあ、自業自得ってヤツだな・・・謝罪する親父から通常時の休猟期、つまり春までは自由に過ごして良いと許可も貰ったし・・・猟期が始まる3月の末ぐらいまでは自由に過ごさせて貰いますか・・・何か良いアイデアが浮かべば親父達に助言しても良いし・・・とりあえず燻製と魚武士の完成を急ぐことにしよう!
いまだストックが貯まるほど書けていませんが・・・頑張っていきたいと思います。
右手中指をいつの間にか突き指していたようで・・・地味に痛いです。




