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新世界での生活  作者: 投稿初心者
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009 大成功の狩り!

一応の予定では、平日は夜8時に1話毎日更新を目指します。

第9話 大成功の狩り!


翌朝目を覚まし身支度を調えて、ちょっと贅沢にホーンラビットの肉が入ったスープと保存用のパンで朝食を済ませると、昨日と同じように留守番組6人が残り、今日は森の中にある罠を確認に向かった。



---ぐおぉおお---



森に入って2つ目の罠を調べに向かうと(1つ目は空振り)獣の叫び声のような音が聞こえてきた・・・


『狩猟準備!子供は下がって見学、許可が出るまで弓も剣も出さないでよく見ておけ!』

『ゴバックはハリスと先行して状態の確認!ドルフとデッカー、ビュートにカークは子供の護衛に残って他の者は先行組に続け!』


「「はい!」」「「了解!」」


親父の指示でみんながてきぱきと行動して指示に従っていく・・・


少し待ってるとゴバックさんが現れ

「しっかり落とし穴に落ちてるから大丈夫だ!大物のグランドベアだぞ!」

「全員あせらずに付いてきてくれ・・・」


「「はい!」」「「判った」」「「あいよ~」」


残っていた全員で次の罠に行くと、ゴバックさんが言っていたように4mほど掘ってある落とし穴に大きなグランドベアがかかっていた。


「でけえ~」「「久々の大物ですね~」」

子供も大人もグランドベアの大物に驚きや喜びの声を上げる


『さてと・・・これから仕留めにかかるが子供は見学に回ってきちんと見てやり方を覚えるように!』


『ゴバック!あまり傷付けずにきれいに仕留めたい、頼めるか?』


「おう、村長!任せておいてくれ・・・」


ゴバックさんが弓を引き絞りと放つと



―――ごぉがぁああーーー



グランドベアの右目に当たり大きな叫び声があたりに響く、さらにゴバックさんが狙いを絞って弓を放つと今度は左目に当たりグランドベアが倒れ込んだ・・・


「村長!一応、目から左右の脳をつぶしたから大丈夫だと思うが、念のため心臓もやっておくか?」


『ちょっと待ってくれ・・・確認する』


親父は懐から何かを取り出すとグランドベアの顔をめがけて投げつけた・・・グランドベアの鼻のあたりにぶつかった物が飛び散ったがグランドベアはぴくりとも動かない・・・


『大丈夫だな・・・今投げたのは胡椒や唐辛子を細かく砕いた物だ!』

『どんな獣でもこれを喰らってたぬき寝入りや、やられたふりは無理だからな!よく覚えておいてちゃんと確認するんだぞ!』


そう俺たち子供に教えると親父達はロープを使って落とし穴に降りて行き・・・グランドベアの身体に別のロープを数本結びつけるとこう言った。


『重さ軽減の想念法が使える者は協力してグランドベアの重量を軽くしてくれ!、残りの者はロープを引いてグランドベアが中に浮いたら血抜きをするのに一端固定するぞ!』


「「了解!」」「んじゃあ、おれロープだな・・・」「俺は向こうか・・・」

「おーい、新人諸君!君たちは属性に関係なくロープ組だからこっちで手伝ってくれ」


「「はい!」」


『それじゃあ、準備は良いか!・・・行くぞ!3でやるからな!』

『1!2!の3!そ~れ!!』


巨大なグランドベアが足の方からつり下げられ落とし穴から半ば出てくる・・・


『よし!ストップだ!』


親父がグランドベアに剣を刺し血抜きを始めてる・・・


『しかし、見事な大きさだな~これだけでかいと俺の自在空間でギリギリって所だな・・・』

『誰か昨日のホーンラビットを出すから収納しておいてくれ』

『グランドベアは血抜きが終わったら俺の空間に入れておくから』


大人達が2人ほど親父の所に行くとホーンラビットを受け取ってそれぞれの空間に納めていく・・・


『これだけ見事な獲物なら毛皮は処理して王都のオークションにでも出した方が良いかもな~・・・きっと良い値が付くぞ・・・』


「今年は冬支度に苦労しないで良さそうですね~」


『今年は秋の実りも良かったし、前回も今回も豊猟だったから安心して冬が越せそうだな~』


『さて、思わぬ大物で少しペースが遅れているから・・・みんなはゴバックの指示に従って次の罠へ向かってくれ!俺もこいつを自分の空間に入れたらすぐに追いかけるから』


「村長!1人はダメだ・・・ハリス、カーク!お前らも残って周囲の警戒だ!」


『お!そうだな・・・俺も少し浮かれていたらしい・・・基本を忠実に守らないと思わぬ事故があるかもしれないからな~ありがとうゴバック!』


「気にするな!せっかくの豊猟なのにあんたに何か有っちゃ台無しになるからな・・・大体、あんた以外の誰がそいつを収納できるって言うんだ?」


『まあ~そうだな!俺以外がこいつを収納して運ぶには細かく分けないと無理だからな・・・そんな事したらせっかくの苦労が台無しで、安く買いたたかれておわっちまうからな~』


「まあ、そう言うことだから頼むぜ村長!」


『おう!じゃあ、すぐ行くから先に行ってくれハリスとカークも警戒を宜しくな!』


「「はい、村長!」」


ココに残るうちの親父とハリスさん、カークさんの組を除いた大人達と子供はゴバックさんの指示で次の罠に向かった・・・


次の罠に到着すると、まるでハリネズミのような獣がかかっていてゴバックさんの指示で子供が訓練のため仕留めることになった。


「ニードルラットだ!皮が丈夫で防具の素材になるし針も役に立つ、肉はそんなに旨くないが食えるから捨てるとこなしの獲物だ」

「動きが鈍いから慎重に狙って、頭をつぶすか針のない腹を切れば簡単に仕留められる。よく狙って仕留めろよ!」


「「はい!」」


俺たちが慎重にニードルラットを仕留め血抜きをした後、ケントとニックがロープを使って底から出てくると親父達が合流してきた。


『おう!待たせたな』

「結構早かったな村長!」

『まあな、どうせ仕上げは拠点近くの川に行かなきゃ出来ないから大体終わったところで収納して戻ってきた』


「こっちはニードルラットだったから、子供に仕留めさせて今回収が終わったところだ」


『おう、そうか・・・了解だ!』『次に行くとするか・・・』

「「了解!」」「「はい!」」


少し気になったことがあるので次の罠に移動しながら親父に聞いてみた・・・


「父さん、さっきもそうだけど罠の中で血抜きしてるでしょ?アレって何か意味があるの?血の臭いで罠がばれちゃいそうな木がするんだけど・・・」


『ん?ああ~アレか・・・アレはな~、穴の中に血の臭いを付けて獣を誘ってるんだ・・・』


『俺たちのやってる狩猟はな~昨日のような荒野だと畑を荒らす害獣駆除、今日みたいな街道沿いの森だと行商人や旅人なんかの人を襲う害獣の駆除、後は両方だけど魔の駆除がメインで他の狩猟対象生物はおまけみたいなもんなんだ。』


『だから罠の穴の中や仕掛けの近くで血抜きをするんだ、ちゃんと覚えておけよ!』


「へぇ~そんな理由だったんだ・・・きちんと覚えておくよ!」


『他の子も聞いていたよな?もし聞き逃していたら自分の親かアレンに聞いてちゃんと覚えておくんだぞ!』


「「はい!」」


その後、残りの罠を全部見て回り・・・鹿=レッドディア1頭と本来なら荒野や平原にいるはずの狼=ウィンドウルフ1頭、最初のヤツほどじゃないけどまずまずの大きさの熊=グランドベア2頭を追加して今日の狩りは大成功だった。


今日も夕食前に一度、野営拠点に戻ると・・・昨日の河原で釣りをしたりキノコを探してから風呂に入って夕食になった。


「「うめぇ~」」「「こいつは良いできだ・・・」」「「いけるな!」」


待っていたのは野草とキノコ、ホーンラビットを煮込んだ絶品のシチューと森で採ってきた木の実それに・・・焼きたてのパンだった。今日の留守番組の大人に料理が得意な人が居たらしく、思いがけないごちそうに大人も子供も喜んで食べまくった!

(たぶん、親父あたりが狙って料理の得意な人を残して狩りの最後の夜に美味しい物を食べようと考えたんだろうな~)

(まあ、おかげでごちそうにありつけたし感謝!感謝!だな~)


翌朝、昨日残ったシチューを奪い合い負けた者が簡単なスープと多少ぱさつくけど昨日焼いたパンで朝食を済ませ、村に帰るため初日に休憩した拠点まで戻って行くと・・・


ウィンドウルフ12頭の集団が襲ってきた!


すぐさま親父の指示で迎撃陣を組むと迎え撃ち、あっさりと撃退した・・・(まあ、当然だよな・・・こっちは子供が混じっているけど2人で1頭を倒せば良いんだし、無力な旅人や行商人じゃなく狩猟団なんだから・・・)


俺も1頭眉間にクロスボウを命中させ仕留めたし、狩猟の結果にウィンドウルフ12頭が加わっただけで終わりますます豊猟になった。


休憩拠点で軽く休憩と簡単な昼食を取り、夕方前に村に着いたら本日は解散し・・・明日獲物を分配したり処理の方法を教えて貰うことになった。

俺も親父も疲れていたのか、母さんの作った夕食を食べたら温泉に入ってすぐに寝てしまったが、俺も親父も狩りに行って心配し寂しがっていたミーアがニコニコしながら俺と親父に飛びついて迎えてくれたのがとても可愛かった・・・


何かお土産でも有れば良かったのだろうが・・・狩りのお土産って何か殺伐としてる感じがするから今後の課題だな・・・


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