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【連載版】幸子48歳、異世界転生したら出産中でした!?~後妻だったので産んだ子も連れ子もまとめて可愛がります  作者: よつ葉あき


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30.幸子、眠れぬ夜に寄り添う


「マドカさんは……ひとりで頑張ってたのね」


“寝不足”と言っていたけど、それは胎動のせいだけじゃなく、体調の不調や、これからの生活への不安もあって、夜もゆっくり眠れなかったのかもしれない……。


「支援物資や施設でできることには、限りがあります。

でも、本当は……もう少し誰かに頼れたら、って思っているのかもしれません」


ヤヨイさんは、静かだけれど確かな思いを込めて、まっすぐに私を見つめてきた。


私はその視線を正面から受け止め、ゆっくりと頷いた。


「話してくれてありがとう。

マドカさんの力になれるように、私もできることを考えてみる」


そう返した瞬間、ふと視線の先でマドカさんが小さく身じろぎした。


「……ん……」


まぶたがゆっくりと開き、眠そうな目がこちらを見た。


「おはようございます、マドカさん。少し、眠れましたか?」


ヤヨイさんが優しく声をかけると、マドカさんはぼんやりと頷いた。


「……うん。すみません、ちょっと、寝ちゃってて……」


「少しでも休めてよかったです。無理せず、まだ寝ていてもいいんですよ?」


けれどマドカさんは、ゆっくりと首を振った。


「……いえ、もっと寝たい気もするんですけど……仰向けだと苦しくて、横向きだとお腹が引っ張られて痛いんです」


「……あ」


胎児、羊水、胎盤……臨月には合わせて4キロほどになるお腹。

今はまだ8ヶ月とはいえ、双子を宿しているマドカさんのお腹は、すでに臨月のように大きく重いのだろう。


幸子だった頃の妊娠も、思い出した。

妊娠後期になると、お腹の重みと大きさが辛くなって、寝るときの姿勢にも苦労した。激しい胎動以上に、重力との戦いだった。


だから、寝るときは──


「ちょっと待ってて」


そう言って席を立ち、荷物の中からあるものを取り出す。それをマドカさんに手渡した。


「……授乳クッション!?」


「授乳?」


ヤヨイさんが驚いた声を上げ、マドカさんは不思議そうに首をかしげる。


私は微笑んで説明した。


「これは、授乳クッションっていって、赤ちゃんに授乳するときに使うものなんです」


「へえー……」


まじまじとクッションを見つめるマドカさんに、私はさらに続けた。


「でもね、授乳以外にもいろいろ使えるんですよ」


にっこりと笑って言う。


「横になって、このクッションをお腹の下に入れたり、脚に挟んだりしてみてください」


言われたとおり、マドカさんはそっと横になり、ふくらんだお腹と床の間にクッションを入れた。


「……あっ、すごい……! これを使っただけで、すごく楽です!」


明るくなった表情に、私も心からほっとした。


「よかった! まだ大変だと思うけど……いろいろ工夫しながら、少しでも楽に休んでね」


「ありがとうございます……っ!」



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