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きまぐれエッセイ集

「作品推し」と「作者推し」

 はじめまして、ペンギンの下僕と申します。お見知りおきの方がおられますれば幸いです。


 これを読んでいただいている皆さまには、それぞれ「推し」というものがおられることでしょう。それは必ずしも個人ではないでしょうし、一人でもないでしょう。そして箱推しという方もおられるでしょう。


 ではその「推し」の単位について語らせていただきたく存じます。


 ずばり皆様は――「作品単位」で推しますか? それとも、「作家様単位で推しますか?」


 作品単位で推すというのは、あくまでその作品のみを愛しているということを指します。自分に刺さる世界観があり、自分に刺さる設定があり、自分に刺さるキャラクターがいる。それらの調和した作品のみを見ることを以て、自分は「作品単位で推す」の定義とさせていただきます。


 そして「作家様単位で推す」とは、世界観、設定を問わず、特定の創作者様を愛し、その人の出力によるものであればすべて見て、その上で推せるということを以て定義とさせていただきます。


 前者のほうが多いのではないかというのは、私の偏見でございます。例えば、私は田中芳樹先生の「アルスラーン戦記」という歴史ファンタジーが大好きなのですが、これは私が歴史物、そして軍記物が好きだから刺さったわけです。

 そして田中芳樹先生といえば、言わずと知れたSF小説「銀河英雄伝説」の作者様であらせられます。

 では、「アルスラーン戦記」大好きな私が「銀河英雄伝説」を読もうと思ったかというと――どうにも、食指が向かず、未だ読めておりません。

 これはただ私の読書における偏食を示すたとえではございますが、しかし、こういった覚えがある方は多いのではないでしょうか?


 好きな長編作品はあるが、その作者様の過去作をすべて追おうとはまでは思わない。あるいは、読んでみたがいまいちだった。

 その作者様の他の作品のことを、そもそも知らなかった。

 よりなろう的に喩えますと――短編やエッセイで面白いと思ったものはあるが、その作者のマイページに飛び、連載作品を読もうとまでは思わなかった、といった経験に覚えはありませんか?


 自分はしっかりとあります。

 もちろん私の如き偏屈で狭量な人間を世間の基準と思ってはおりません。短編で魅了され、そこからその作者様の連載を読み、夢中になったという方も数多おられるでしょう。


 ですが一方で、世の中に、その作者の創作物は一から十まですべてチェックしているという人もまた稀ではないかと思います。

 そして別に――それでもいいだろう、とも思っております。

 むしろそれは、誰が書いているか、という色眼鏡を抜きにして、作品のみに向き合っているということでもあります。

 そしてまた、作者様を推すことも、素晴らしいことでしょう。作品というのは創作者様の才気の発露ですので、好きになった作品にハマったのであれば、その作者様に魅了されたのと同義でしょう。




 でもやはり、だいたいの人は「作品推し」なのではないかなと思ってます。

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― 新着の感想 ―
ペンギンの下僕様、こんにちは。  作者推しと作品推し…。確かにありますね。  なろう作家様ではなく御大ではいらっしゃいますが宮城谷正光先生と上橋菜穂子先生は私にとっては完全なる作者推しです。未読の作…
 ある作品は好きだけど、その作者自身や他の作品はどうかと問われると返答に困ることは偶にあります。  極端な例だと純愛小説を書く人間がエロ小説も書いていたとか。(笑)  結局作品はその作者の多様な考えの…
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